まるでラピュタ…富士山に巨大“渦巻き雲”
空に浮かんだ大きな渦巻。まるで全てをのみ込むハリケーンのようにも見えるこの雲は27日朝、富士山の麓である山梨県や静岡県で多数目撃され、ネット上ではジブリの名作「天空の城ラピュタ」のようだと話題になっています。その正体とは…? 気象予報士・岩谷忠幸さん「左側の大きな雲が『つるし雲』になります」 「つるし雲」は「笠雲」と呼ばれる雲と一緒にできることが多いといいます。 気象予報士・岩谷忠幸さん「暖かく湿った空気が高い山の斜面にぶつかったときに、上昇気流のところにできるのが『笠雲』です。強い風が山にぶつかると、その風は波を打つんですけど、波を打った上昇したところにできるのが『つるし雲』になります。何層にも重なって見えて、まるで渦を巻いているように見えます」 きれいに見られるのは珍しいという「つるし雲」。しかし、「つるし雲」ができるときは天気が<picture></picture>
笠雲のできる仕組み
笠雲は、富士山の上に覆い被さって、笠を被っているように見えることからそう呼ばれています。 上空を流れる湿った空気が山の斜面にぶつかることによって、強制的に上昇して雲ができます。このとき、上空の風が強いと、風上側の斜面で雲が発生。風下側の斜面では雲が消えていくという現象を絶え間なく繰り返すことによって、山頂付近で雲が止まって見えます。
つるし雲は、高い山の風下に現れます。上空の風に乗って流れる普通の雲と違い、いちど出現すると場所がほとんど動かず、「吊されて」いるように見えるので「つるし雲」と呼ばれています。 つるし雲は「レンズ雲」と呼ばれる種類の雲の一種で、 ・「上空の風が強い」 ・「湿った空気が存在する」 という状況の時に発生しやすくなります。 上空の強い風が高い山を越えたり回り込んだりするときに風下側で空気の波が起こり、風が上昇している部分で雲ができるのです。 時間が経過しても空気の波の形状は急には変化せず、風が上昇する場所で雲が出来て、風が下降する場所では雲が消えていくという現象を絶え間なく繰り返すことによって、同じ場所で雲が止まって見えるのです。
午後からの雨のサイン
これらの雲は天気が崩れる前に見られることが多くなります。 今日は日本海にある梅雨前線に向かって、暖かく湿った空気が南側から流れ込むため、富士山周辺でも雨が降る予想です。一時的に強まることもあるので、降り方にも注意してください。