サイゼリヤ、やっちゃいましたねぇ・・・。
メラミンじゃありませんよ?もちろん。
あんなもんは経営にはほとんど影響しません。
それよりも今回のは・・・ちときついですね。
(記事は
こちら)←ロイターより
多分・・・・よく分からないって人も多いと思うので軽く説明します。
サイゼリヤのように外国から原料(商品)を輸入している会社の場合、
円高の時は安く、円安の時は高く仕入れることになります。
そこで、円安になっても得するように、「毎月いくらで豪ドルを買います」
という契約を結んだ。
詳しい内容ですが、
毎月100万豪ドルを
「【前回約定レート】×【78.00/FX】円/豪ドル」
(最低78円。最高で600円)
で、買うっていう契約。
FX : 各為替参照日の東京時間午後3時のJPY/AUD為替レートの仲値
契約段階では105.83 円/豪ドルだったようです。
この時は、1豪ドルを78円で買うことになるので、毎月
(105.83-78)X100万=2783万円 の利益があったのです。
しかし、今は・・・というかサイゼリヤの報告によるレートは
「65.00 円/豪ドル」
この場合は毎月
(65-78)X100万=-1300万円 の損失・・・・となりそうですが、
実は、「【前回約定レート】×【78.00/FX】円/豪ドル」で購入、って所がミソなのです。
この場合、仮に前回レートが78円として・・・
78X78÷65=93.6 円で取引!!!
え? 1豪ドル65円なのに、93.6円も出さないと買えない?
すると・・・・・(65-93.6)X100万=-2860万円!!
しかも、仮に同じ1豪ドル65円が次の月も続くとすると・・・
1豪ドルあたり・・・93.6X78÷65=112.32円!!!
もちろん、損害も・・・(65-112.32)X100万=-4732万円
これが最低2年続くのです。
しかも、豪ドルはおとなしく1豪ドル65円で推移してくれません。
現在、なお円高は続いており・・・・1豪ドル60円程。昨日は60円割ってました。
じゃあ、最初のうちは儲けていたんじゃないの?
って言われそうですが、契約日時点では「儲けることが出来そう」でしたが、
問題は・・・・「支払日が2008 年12 月1日から2010 年11 月1日まで、毎月1日」って事。
つまりは、現レートの1豪ドル60円が初回ってわけ。
もしも、万が一・・・・・・・・・このまま1豪ドル60円で推移するとしたら
2008年12月 101.4円/豪ドル
2009年 1月 131.82円/豪ドル
2009年 2月 171.37円/豪ドル
2009年 3月 222.78円/豪ドル
2009年 4月 289.61円/豪ドル
2009年 5月 376.49円/豪ドル
2009年 6月 489.44円/豪ドル
2009年 7月 600.00円/豪ドル←上限打ち止め
2009年 8月 600.00円/豪ドル
2009年 9月 600.00円/豪ドル
2009年10月 600.00円/豪ドル
2009年11月 600.00円/豪ドル
2009年12月 600.00円/豪ドル
2010年 1月 600.00円/豪ドル
2010年 2月 600.00円/豪ドル
2010年 3月 600.00円/豪ドル
2010年 4月 600.00円/豪ドル
2010年 5月 600.00円/豪ドル
2010年 6月 600.00円/豪ドル
2010年 7月 600.00円/豪ドル
2010年 8月 600.00円/豪ドル
2010年 9月 600.00円/豪ドル
2010年10月 600.00円/豪ドル
2010年11月 600.00円/豪ドル
という恐ろしい結果に・・・・・・・・
1豪ドル600円って・・・10倍ですよ?
その月だけでも (60-600)X100万=-5億4000万
ちなみに、サイゼリヤはもう一つ似たような契約(毎月100万豪ドル分)を結んでいます。
契約の詳細は公式ホームページにある
こちらのPDFへどうぞ。
サイゼリヤの一年間の利益は・・・・40億ちょい。
仮に途中から1豪ドル78円以上に円安に推移しても計算式に
「前回約定レート」が乗算で入り込んでいるのでちょっとどうしようもない。
途中解約は出来ない仕組み。円高がさらに進むとさらに被害が拡大。
詳細は不明ですが、同じ事をドルとユーロにしているとも・・・・・・・。
「円高に強い」「不況に強い」といわれていたこの会社、どうなっちゃうんでしょ?
何とか切り抜けてくれると良いのですが・・・。