今回は、特殊清掃というより、遺体処置の話である。
現場(自宅)に行くと、なんと遺体が二体ある。二人ともかなりの高齢で、入院先の病院でほとんど同時に亡くなったとのこと。
かなり珍しいケースで、遺族も悲しんでいるというより、微笑ましく思っているような感じだった。そういう私自身も、何とも言えない温かい気持ちを覚えた。
生前の二人がどんな夫婦だったか知る由もないが、喜怒哀楽・羽陽曲折・七転八起、楽しかったことも嬉しかったことも、苦しかったことも辛かったことも、みんな二人で受け止めて二人で歩いてきた人生だったに違いない。そして、最期も二人仲良く一緒に。
そう思うと、
「お疲れ様でした」
という気持ちが自然にでてきた。印象に残る現場だった。
もう一つ夫婦の話。
中年夫婦が自殺した。年老いた母親と成人した娘達を残して。
目立った外傷は見えなかったので、
「練炭自殺か?服毒か?」
と思いながら、遺体を柩に納めた。遺族は皆号泣。皆が泣きながら、二人の亡骸に思い思いのことを言っている。
遺族は、悔しくて悲しくて仕方がないのだ。
何度経験しても、ホント、こういう場はいたたまれない。
自殺ネタは何度かブログに書いているが、夫婦で一緒に死ぬケースはなかなか珍しい(表現が不適切だったら御容赦)。
一緒に死ぬくらい仲がいいとは、羨ましいような羨ましくないような、複雑な心境だった。
どうしても、自殺理由を想像してしまう。
「家も家族もごく普通だし、金銭トラブル(借金)かなぁ・・・最近、多いらしいし」
等と考えながら、作業を進めた。
ちなみに、少しして、レンタカーを使っての練炭自殺であることが分かった。レンタカー会社の人によると、自殺に使われた車はどんなに汚れてなくても、どんなに新しくても廃車にするとのこと。もったいない。
でも、世に中には裏があるのが常。特選中古車として、どこかの中古車屋に並んでたりして。
何はともあれ、配偶者をお持ちの方、お互いに思いやりを持ってお互いを大切に。一緒に居られる時間は限られているから(思っているほど長くはないかもしれないよ)。
トラックバック 2006/06/19 08:35:25投稿分より
練炭の臭いは何やっても取れないっす。(取り方有るなら教えてほしいくらいです)
消臭剤なんか効果なし。
車内も黄ばんでるし・・・
まあ、その車、うちの会社で代車になってます(社員は誰も乗りたがりませんが)
の処置というのは、具体的に、どんな
作業だったのですか?
ビンゴ!!ちなみに激安外車ワゴンは海外で霊柩車として使われていたものが多い。これは事実!
6年くらい前まで某レンタカー会社でアルバイトしてました。
レンタカーを使って自殺・・・には遭遇した事はありませんでしたが、たまに練炭使ったのとかをニュースで見ると、あーこの車輌を所有している店舗、可哀想だー・・・と同情してしまいます。
警察から車輌が戻って来たら・・・多分また貸し出すでしょうね。
(大体会社によって使用年数を決めているので、それに達するか全損事故にならない限り処分することはほとんど有り得ないと私も思う。新車導入するにもお金が掛かります)
話はちょっと違いますが、レンタカーを何らかの犯罪に使う方も多いんですよね・・・。いい迷惑です。
(窃盗かなんかをした後返却され、車内清掃した後おかしいのに気が付いて、警察に連絡したら清掃で車内触りまくってったので指紋採取された経験あり)
廃車にする等という事は絶対有り得ません!
北海道→九州 沖縄→青森
いつも為になるブログありがとうございます。
古い車だったから、不自然って程じゃなかったかもしれないけど。
まあ家電にしろ車にしろ、中古は地球にもお財布にも優しいし、あまり想像力は働かせないでいたいと思います。もったいないし。
現代において腹を切るような事って滅多にないと思うんですけどね。
もらいたいですね ぷんぷーん
本当にありがとうございました
そのお互いにもどんな心境にいたってその成り行きに落ち着いたのか、やはり分からないのかもしれません。
けれど願うなら、2人供が納得し、その終わりを迎えたのだと、そんな心状でいっぱいになりました。
clean110さん、今日もまた、ありがとうございました。
所詮独り身は孤独に生きて孤独に死ぬ
だから最後の時は富士の樹海か屋久島で迎えたい物だ
ありがとうございました。