※追記:Zさんは平成28年(2016年)に司法試験に合格した小西建次郎さんです。
第61期文演(14/1/25~4/26)アンケートです。
きょうは、法科大学院生のZさんです。
Zさんの文演アンケート
Q.1 当講座をどんな目的で受講しましたか?
A.1 第一の目的は、司法試験対策とその先に役立つスキルを身につけることだった。弁護士になっても、巧みな弁舌より準備書面等の書面作成能力の方が重要ときく。文章の作成が苦手と感じたことはあまりないが、いつも迷いながら書いてスピードも遅かったので何とかしたかった。もっとも、一般的な文章を題材に勉強して法律文書の作成能力が向上するかは半信半疑であったから、この目的だけであれば受けようと思わなかったかもしれない。
もう一つの目的は、速読を受講して習慣となっている読書をより楽しめるようすることだった。読まれるものはすべて誰かが書いたものなのだから、書くことと読むことは切り離せない。書かれたものの解釈は読者の自由などということは、法律の世界はもちろん文学の世界でもないと思っている。書き方がわかればそれだけ深く読め、より多くを得られると考えた。
Q.2 「文演」を受講して文章への印象で変わったことがありますか?
A.2 文法以外にも知っておくべきルールがこんなにあるとは思わなかった。法律を学んでいると「法は最低限の道徳」という言葉に出会う。たとえ文法上正しい文章を書いても、今回の講座で学んだようなことを知らないで文章を書くのは、道徳を知らないで生活するようなものだと思い知った。
普段からなんとなく避けていた書き方が授業で明確に否定されたことで、自信を持って書けることが増えた。
Q.3 宿題の「要約」はどうでしたか?
A.3-1 「授業前」 要約をしたのは、大学受験の時以来だった。感覚を取り戻すために、社説の二百字要約を一週間分だけやって準備した。実際に課題に取りかかったのは締め切りの二週間前。まず原文の大切そうな部分に横線を引き、それを粗めにつないだ文章をパソコンに打ち込んだ。社説よりかなり長めの文章だったので、いささか勝手が違い戸惑った。社説はもともと切り詰められた文章なので一つの段落から何も取り出さないことは少なかった。一方、課題では字数の関係でどうしても拾えない段落・部分がずいぶんあり、切り捨てるのに勇気が要った。ひょっとしたら作り直す度に悪くなっているんじゃないかと何度も思い悩んだ。
A.3-2 「授業後」 自分の文章について指摘されたことは、やはりなと思わせるものだった。なんとなくおかしいのだが、どう直せばよいのかわからないと思っていた部分をあざやかに修正していただいた。
他の人の要約の講評から得たものが大きかった。16人の要約をそれまでの授業と同じように添削した上で授業にのぞんだ。過去のアンケートで言及されていたような、「同じ文章がもとなのに一人ひとり全然違う」という印象は受けなかった。皆さんのレベルが高かったのであり、見る目がないのではないと思いたいところだ。もちろん、細部を見ていくと、こんなところまで気を配っているのか、とてもかなわないなと思わされる部分が多々あった。また、今回の自分の要約ではたまたま犯していないミスでも、普段の文章ではしてしまいがちなものが数多く指摘されていたので参考になった。悔いが残ったのは、要約はできる限り書き手の言葉を使うもの、という先入観にとらわれていたことだ。書き手の意図をくみ取った上で自分の表現に置き換える練習をすれば、より応用のきく訓練となったように思う。
Q.4 全体的な感想をお聞かせください。
A.4 松田さんからはもちろん、他のメンバーからも大いに刺激を受けた。法科大学院も学部よりはいろいろな人がいるが、文演はより多彩なバックグラウンドを持った方々が集まっていた。明らかに質の異なる発想に触れ、受講した翌日もやる気が湧いて調子が良かった。
同じ講座を受講した先輩方の書いた文章が題材ということで、親近感を持って取り組めたことも学習効果を高めたと思う。
まだまだ講座の内容を消化しきれているとは言い難いが、文の良し悪しが以前より気になるようになった。法律文書の作成にも確かに役に立っている。これからも折に触れて教材を見直したり、文章の書き方の本を意識的に読むようにして技術を身につけていきたい。
平成26年度司法試験が終わったばかりですが、Zさんは来年受験です。
油断さえしなければ、という位置にいるはずです。
2013-11-02「自分はまだまだやれる」・2014-04-04「本を読むのが楽しくて仕方がない」と、Zさんの文章には、本を読んでいるひとの自信が感じられます。
速読も次回が50回。ちゃんと、すべきこともしています。
入会時アンケートに記入した、「「ただの弁護士」にはなるまいと思って」は、記憶にのこるコメントです。 真
※クリエイト速読スクールHP