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クリエイト速読スクールブログ
「カウント呼吸法」は役に立つんですよ。気分が落ち着くんです。集中できるようになる
司法書士試験合格者・津久井咲さんへのインタビューです。
HP掲載の前に、ブログにアップします。
いつものことですが、文字の拡大や赤文等は、こちらの恣意的なものです。
とても本が好きになった
松田
司法書士試験にも合格されて、忙しい毎日を過ごしていると思います。今日は津久井さんに、いくつか質問をさせていただきます。ズバリ本音で、お話ししていただけたらと思います。まず、なぜ速読にトライしようとしたのか? その辺から……。
津久井
理由は受験勉強のためです。もう数年前のことですが、受験勉強がとても追い込みに入っている頃でしたね。来年はどうしても受かる! と。ただ受験勉強に行き詰っているということでは、全然ありませんでしたね。友達がね、速読の通信教育の新聞広告を見せてくれたんです。新聞半分位の。通教だから一緒にやりましょうか、ということになった。
松田
そのお友達とは?
津久井
その人はずっと前に司法書士は受かっていて、その当時は司法試験を勉強していました。訓練の内容は、一点集中法というのがあって、ひとつの黒点をじっと見ているというものがあるんですけれど、見ていると涙が出てきてしまうんですよ。こんな最初の段階が出来ないのでは……とその先を思いやられましたね。それでも、少しは速くなったのかな。
松田
あのとき、確か4,000字/分まで読めるようになったと言ってませんでしたっけ?
津久井
うーん、そうかもしれませんね。でも、それは非常に速く眼を上下に動かさなければならないという方法だったから……。
松田
そうそう津久井さん、最初、眼を一所懸命動かしていたんですよね。なつかしいなあ(笑)。
津久井
そう。とにかく速読というのは眼を上下にいかに速く動かすかということでしたから。だから、はじめのとき、松田さんに、「津久井さん、よく眼が動きますね」と言われたときは、誉められた、やっててよかったと思いましたね。実は、そこから矯正しないといけなかったんですけど。
松田
そういう速読があってもいいんですよ。出来る人は、出来てしまいますから。ただ、疲れるし、出来ない人にとっては、眼は素早く動くようになるが、頭に残らないという上すべり状態がでてきます。津久井さんの場合は、理解力が高かったから、まだよかったんだと思います。
津久井
一所懸命やったんですけど、途中で挫折したんですね。壁を破れないから。半年位は必死でやりましたね。一緒にはじめたその友達とも、ときどき会って、情報交換してましたね。「どの位進んだ?」「まだ、この程度」「じゃあ、私のほうが進んでる」なんて。
松田
ここはどうして見つけたんですか?
津久井
クリエイトは、図書館で見つけました。クリエイトの本があったんです。受験勉強のために毎日図書館通いをしていたんです。仕事(司法書士事務所)を辞めて。速読の本が、数冊あったんです。まあ、どこでもいいんですけど、近かったですし、私の場合、思い立ったらスグという性格ですから、電話して、バイクで飛んできたんです。そしたら、松田さんが商売っ気ないような態度で「いや、今日入らなくてもよい」とか、「もう少し、よく考えてみてから」とか(笑)。「私はもうここに決めたから」と言っても、「もう一度、家に帰って熟考してみては……」とか悠長なこと言ってましたね。あー、この人はあまり商売熱心じゃないなと思いましたね(笑)。
松田
きっと、津久井さんの熱意に圧倒されたんでしょうね。入学してしばらくすると、生徒さんからそれらしきこと言われるんです。冷や汗ものです。反省するんですけど、まあ性格の悲喜劇ですね。
津久井
うーん、でもそれでいいんじゃないですか? 待ってました、とばかりでなくて。それよりも何よりも、松田さんの態度がとても謙虚だったから。謙虚というか、「ここへ来れば素晴らしく伸びますよ」とか言わないし、私達が期待していることが100あるとすれば、30くらいで十分じゃないですかという感じでしたね。
松田
ありがとうございます。それで訓練はどうでした?
津久井
うーん。他の人とはたぶん感じ方も違いますし、私がお話しすることが他の人にもよいかというと違うような気もするのですが……。
松田
それを話してください。津久井さんともつきあいがずいぶん長くなって、津久井さんの考えは知っているわけですけど、その辺のことを披露してください。
津久井
クリエイトの訓練はアタマに負荷をかけるんですけど、無理なことは何もなかったということです。
たとえば、眼が痛くなるとか、なんかアタマが空回りしているとか。一点集中法が出来なければとか、呼吸法が出来なければ前に進めないといった初歩の段階をぐるぐる回らない、ふるい落とさないというのは助かりますよね。実際はじめてみると、いろいろな教材がまず楽しい、アタマに効くという感じがあります。これは決定的ではないでしょうか。
たとえば、「カウント呼吸法」というのがありますよね。よく速読の呼吸法とかとなると、何秒吸って何秒吐いてと、方法に合わせてゆきますよね。ところが「カウント呼吸法」は最初は簡単。そして、奥行きがあるという構造になってますよね。その辺が全然違いますね。受験勉強やっていると、「カウント呼吸法」は役に立つんですよ。気分が落ち着くんです。集中できるようになる。私は特に意識して集中したいときに使うようにしてました。どんな騒音のなかでも、今これをやらねばと思うと、集中できるようになったんです。他の騒音がシャットアウトできるんです。
松田
「他の人にはあまり参考にならないのかもしれないけど、自分にとってよかった」と思うところとは?
津久井
わかりやすくいうと、生き方が変わったということです。
松田
そこをもっと具体的に。
津久井
とても本が好きになった、ということですよね。ここへ入るまでも、全く嫌いだったわけではないんですけど、自分の好みというのがあるじゃないですか?
松田
まあ、ここではいろんな本を読んでもらいますからね。
津久井
いろんな本を読んでみて、ずいぶん様々な本があるもんだな。なんでも読んでみればおもしろいもんだ、と。もちろん、のめりこめなかった本もありましたが。それで、割と速く読めるということは、あーこの程度の内容と厚さならまあ読めるという自信がつくじゃないですか。だからいろんな本が読めるということと、視野が広がったということでしょうね。視野というのは皆さんが言っているような意味でなくて、心の視野というんですか、広がったような気がしますね。こんなこと言っても受験生は喜ばないですよ。
松田
いえいえ、そこが一番のポイントのような気がしますよ。なかなかわかってもらえないんですけど、速く読める訓練をしたからといって、本を読むとは限らないんです。今までなかった読書習慣がつくかというとそう単純ではない。「ソクドク」「ソクドク」というよりも、一人ひとりがどうしたら「多読」の習慣を身につけられるか、その辺にいつも腐心していますね。
津久井
クリエイトの一番は、読む習慣がつくということでしょうね。私なんか受験勉強していたでしょ。電車の中で乗客が小説なんかを読んでいると、そんなとき、いいなあというか、ヒマだわねー、そんなもの読んでなんになるの、と批判的な目が強かったですね。
松田
小馬鹿にしたような……。
津久井
そうそう、もっと役に立つ本を読んだほうがよいんじゃないですかと狭くなっていたんです。効率主義というかね。今現在の目標を達成させるためには、必要な本以外のものは何も読みたくない、だから小説や詩を読んでいる人たちには無駄なことをしているんじゃないかという気持ちが常にあって、やっぱりココロが狭かったんでしょう。そういう意味ではね。
松田
ただ、本をたくさん読んでいるといっても、ハアッ? という人はよく見かけますし、本など読まないと言ってる人でもすごい人いますからね。
津久井
だから本に関してばかりでなく、日常生活でも狭かったんですよ。自分の目標をもって何かを達成しようとしていない人だっていっぱいいるじゃないですか。そういう人をバカにしたり批判的な目で見たりということ、ありましたね。人間の幅が狭かったんでしょうね。受かってからの、偉そうな発言にきこえるかもしれませんがね。さっき言ったように、当初の目的とは全然違ってしまったんです。パンフレットの広告にはなりませんよと言ったのはこういうことだったんですけど。
松田
いいです、いいです。クリエイトの広告はそれほど「広告」を意識していませんから。「狭告」ぐらいにしかなっていないでしょうから。
津久井
私、毎日来たじゃないですか。台風の中でもオートバイ飛ばして来たじゃないですか。それも毎日2回ずつ受けてたじゃないですか。松田さんはうんざりだったでしょうけど。
松田
そう。100回があっという間でしたね。結局、「毎日2回」はそれほど意味がないということが100回やってわかったようですけどね。津久井さんが、「私が納得するまで」とおっしゃるんで……。
津久井
松田さんがはじめに言っていたように、たとえ最初でも、週3〜4回も通えば十分でしたね。結局150回までトレーニングしたんですが、後半は速読訓練というより頭のサビ落としという感じでしたね。心の疲れがとれましたね。息抜きでしたね。当初の目的とは違ってしまったんですが、きっとそのことが決定的だったんでしょうね。
松田
50回もやれば十分だと思いますが、100回超えても受講している人たちがずいぶんいます。クリエイトの一番の財産でしょうね。
津久井
サビ落としとかストレス解消とか息抜き、というと誤解する人もいるから一応言っておきますが、模擬試験の解答は他の人の倍は速く出来ました。きちんと普通の人が解答するように答えを出した後、何回も見直す余裕がありましたね。ポイントを的確につかめていましたね。何をきいているのかを素早くわかったほうがいいですよね。その点は何回も繰り返して読みました。だから現実的にもすごい効果があったわけです。
あと、教材がおもしろいのは確かですが、クリエイトの人たちの人間的魅力というのもやっぱり言っておきたいですね。どんなに教材がよくったって、こいついやな奴だな、と思いながら息抜きは出来ませんからね。
松田
いやいや、ありがとうございます(笑)。最後に、現実の仕事の場面でいかがですか?
津久井
仕事は、あまりにたくさんの文章を読まなければいけませんからね。議事録とか契約書類とか。そういう物って仕事が忙しいからどんどん処理していかなければならない。そんなとき、私はここの誰よりも速く読めるんだ、訓練をしっかり受けたんだ、という気持ちがあるんですよ。実際、量もこなせますしね。
松田
お役に立っているようで何よりです。
本日はどうもありがとうございました。
実は、この津久井咲さん(1990年司法書士試験合格)へのインタビューは、1994年に行われたものです。
その年に生まれたひとたちは、もうハタチを越えていることになります。
現在のパンフレットの前のパンフ製作のためのインタビューでした(1994年12月発行。教室移転前の2003年10月まで使用)。
原文インタビューからの修正は、当時の雰囲気のままということで、誤字脱字にとどめました。当時はよく使っていた「眼」などは、そのままにしています。
20年も経ってからの当インタビュー復活にはワケがあります。
9月末、知り合いのZさんから「勉強一本でいくべきか、司法書士事務所で仕事を覚えながら勉強すべきかどうか」と相談されました。
生徒さんで司法書士の先生もいますから、その方たちに相談すればよかったのかもしれませんが、津久井さんの事務所のHPにあったメールアドレスに、二十数年ぶりに連絡したのでした(賀状の交換はしていました)。
ふた昔前の話なのに、津久井さんは10月にZさんと会って、相談に乗ってくれました。
その後、津久井さんからメールが届きました。一部です。
「松田さんの前宣伝どおり得難い人材でした。私たちの業界には経歴のいい人、学歴のいい人が転職のため結構多く面接にきますがZさんほど人柄までそろっていい人には初めて会いました。昨日、Zさんに司法書士事務所で働くことが受験勉強に役立つことはまったくない、ほとんどの人が若いときに無職で、あるいは大学在学中に勉強して受けるのだから司法書士事務所などに就職したらそういう人たちに勝てませんよと申し上げました。事務所で仕事している受験生は、生活のため仕方なくですから。Zさんはラストスパートで、来年の合格目指して、今は受験勉強に専念するようにと。
来年合格のあかつきにはぜひまた私ども事務所へ声をかけてほしい、そしてご縁があれば一緒に仕事をしたいと思っていますとメールしました。
20年ほど前に松田さんと対談したことはすっかり忘れていました。パンフレットを見てあまりに恥ずかしい発言、穴があったら入りたい。ただ初対面のとき松田さんが商売っ気のないことを言うのでいい人なんだなあと思ったのは記憶しています。20年のときを経て、私もあのときほど生意気な人間ではなくなっていますので念のため。そしてあんなものがお役に立つならご自由にお使いください」(メール掲載了解確認済み)
Zさんを検分・鑑定したのは津久井さんだけではなく、津久井さんのお友達の先輩男性司法書士さんとのことです。
こちらも含め、3人の海千山千(?)の60代をだまくらかすとは、Zさんはワルイひとです。
あとは、来年、試験に合格するだけになったわけですから、追い詰められたことになります
「話の接ぎ穂にこのパンフ見せて『クリエイトのHPにいまから載せてもいいですかと松田さんが言ってました』と頼んでみてください」と、Zさんに持たせたことへの「ご自由にお使いください」になります。
なお、津久井さんは現在、谷口咲さんに改姓しています。
「高齢者を支える事務所。一人暮らし、在宅高齢者の自立をサポートし、遺言、後見、相続の相談にも応じています」が主な仕事のようです(事務所HPは、こちらです)。
むかしの生徒さんには、毎度温かくしてもらっています。クワタさんもウルウルしたとのことです 真
※クリエイト速読スクールHP
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飾らないありのままの気持ちなんだろうなあと思えました。
それでも20年経って読み返すと「生意気」と感じるんですねそこがまた傍目には良いわけなんですが
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