教室のこと・速読のこと・受講生のスコア・SEG講習生のスコア等々について書いています。
クリエイト速読スクールブログ
自分なりの価値をクリエイトする
Sさんは、大学4年生。
高2から通い、4月から院に進みます。
まずは、Sさんの体験レッスンスコアと入会時アンケートコピーです。
「S君の体験レッスンの主なスコア18/5/29」たてサッケイド13 数字ランダム12・9 漢数字一行〇→189、三→107、一106 たて一行ユニット47・43 スピードチェック34・31 ロジカルテストAタイプ19/19(3分)・22/23(3分) イメージ記憶29/40(2分)38/40(1分30秒) 初速857字/分・理解度A-
「S君の入会時アンケート18/8/3」 ・「体験感想」達成感のある疲労感があった。考えがクリアになった気がした。・「入会を決めた理由」当初は読書スピードを高めて、より多くの情報を得たいと思った。体験レッスンを経て、勉強にも役立つと知り、様々なことの基礎力になりそうだと思った。
以下は、Sさんの受講160回目アンケートと最新スコアです。
「Sさんの受講160回目アンケート23/12/23」
【各トレーニングの気づき】 序盤 ・たてサッケイドシート 最近、大きいたてサッケイドシートよりも通常サイズのたてサッケイドシートの方が負荷をかけやすいことが分かった。細かい点まで全部拾おうとすることで、強い負荷をかけられるのだと思う。
・ヘルマンシートとランダムシート ヘルマンシートで視野を無理やり広げようと格闘した後にランダムシートをすると、ひらがなと数字が浮きでて見える感覚を掴みやすくなる。複数個の文字と数字を同時に見る感じは、一般的な文章の見方とは全く異なる。トレーニングを体得できているかどうかは、ランダムシートをどれくらい見られるかともリンクしているのではないかと思っている。
・県名BPシート 都道府県の大群に気後れせず、8ブロックすべてを見ようとすること重要である。一つのブロックだけを見て探そうとしても全く見つからない。ちょっとぼんやりと眺めるように見る、でも頭はフル回転という感覚で行うことで、スコアを増やせる。
・漢数字一行Pシート 難しい漢数字に気後れせずに全体を見たほうが、結果的に多くの漢数字が目に入ってくるという広く見る感覚を獲得する訓練になる。
・漢字二行パターンシート 「大」がとにかく苦手。100回目くらいのときに平日朝トレで初めて行ったところ、全く目に入ってこず、惨敗した。これが相当頭にこびりついてしまったようで、以来、他のスコアが上がっても、シート訓練の中だけで見れるものが増えているだけで実際の読書では十分に見れていないのではないかという不安が起こり、前半全体の足かせとなった。
いまだに「大」は苦手である。しかし、その意識はトレーニングの効果のマイナスにこそなれ、プラスを生まないだろう。すでに自分がよく出来ていることに注目したほうが、スコアアップやトレーニングについての気づきに繋がる。クリエイトの基本原則「良いところに目を向ける」を行いながら、「大」を克服できるように繰り返し訓練していきたい。
中盤 ・速度×精度 負荷をかけようとするとき、「精度」という縦軸と「速度」という横軸の2つの軸を意識することで、最も高い負荷をかけ、集中体験をすることができる。速度だけ重視してもイメージの精度が悪いと負荷がかからないし、逆に正確にやろうとしても急ぐ感覚がないと負荷にはならない。
・ロジカルテスト スピードを求めすぎると精度が落ち、さりとて精度を気にしすぎると目標タイムの2分15秒に到達しないという絶妙なトレーニングとなっている。
・イメージ記憶訓練 こちらも、「精度」と「速度」の両方を追い求めることが重要。とくに、急ぐ感覚を意識しすぎると焦って精度が悪くなるので、この細い糸を通すようなヒリヒリする緊張のなかでトレーニングをすることが大事。あと、単純にイメージを作ることが楽しくなってきた。
トレーニング全般の気づき ・1回ごとのスコアの小さな揺れが気にならなくなってきた。そのときの忙しさや体調、些細な出来事によってスコアはブレる。その日のコンディションに応じて、ある程度スコアにバラツキがでるのは仕方がない。その日、自分ができるキャパシティのなかで、最も集中することが重要である。
スコアが伸びないことで苦痛に感じたり、トレーニングから足が遠のいたりするくらいであれば、スコアは集中をするためのギミックであると考えるくらいがよい。手段であるスコアに一喜一憂するのではなく、自分がどれくらい集中できたかを気にした方が有益ではないか。
ただし、限界まで集中するために、スコアを上げることに一喜一憂どころか心血を注ぐくらいの意気込みもまた必要である。トレーニング時にはとにかくスコアが絶対、という感覚、もう一方でどれだけ集中できたかに注目することが重要である。そうすれば、トレーニングに全力を出しつつ、スコアが上がらずとも燃え尽きずに淡々と通うことができる。
【160回を経ての感想「クリエイトに通う意味をクリエイトする」】 受講回数100回を超えてから、自分のなかでのトレーニングに行く意味が曖昧になってしまっていた。その理由の一つとして、トレーニングの目標を見失なったことが挙げられる。ロジカルテスト、スピードボードともに目標に到達し、燃え尽きてしまった。目標やゴール、理想がなければ、負荷をかけるトレーニングは続かなくなると思う。
もう一つの理由は、自分にとってのトレーニングの効果に迷いが生じたからである。大学に入ってから、学びの一環として、これまで自分を形成してきたことに疑いを持った。そのうちの一つが速読だった。クリエイトに通うよりも必要なことがあるのではないか、いまの自分にとってトレーニングを続けることに効果があるのか、とぐるぐると考えているうちに、モチベーションが低下していった。
もう一度通い直そうと決意 しかし、今年になって、クリエイトのトレーニングの時間は自分にとって必要であるとあらためて思い直した。きっかけとなったのは、私が通っている心理学科の授業で、心理士としてよく働きつづけるためには、何らかの稽古に通うことが重要であると教わったからである。
心理士は職業上、若いときから「先生」と呼ばれるようになる。「先生」という言葉は、自分が優位であるという立場を形成し、ときにそれは自らを蝕み、誤った優越感や支配欲を掻きたてる。優越感や支配欲に侵された「先生」はもはや「モンスター」と言えよう。
そのような「モンスター」にならないよう自分を律し、また自分をいたわるためには、自らが教えを請うことが必要である。
先ほど、自分を形成してきたことを疑ったと書いた。しかし、疑いつづけることは、往々にして疑う主体である自己の感覚を絶対化していくことにつながる。周囲のものを疑いつづける自分は正しいというあり方は、それこそ「モンスター」である。
一方、クリエイトのトレーニングは全く逆の姿勢が求められる。トレーニングの肝は、自分の読書や勉強の型を一度傍に置いて、「クリエイト流」で毎回のレッスンに全力で挑み、その型を習得しようとすることにある。精度よりも「先へ先へ」を追い求める感覚や、分からなくてもまずはめくってみるのは、これまでの自分流の読書のやり方、ものの見方や考え方を脇において、とにかくスコアを上げることに全力を注がない限り、体験できない。疑いながらの受講では記録は伸びないし、目標は達成されない。
そこで、常に自分と向きあい、変化することができるクリエイトの速読トレーニングこそ、自分が継続してつづける稽古事にふさわしいと思った。
【トレーニングの効果】 稽古事として捉えたときに、トレーニングの効果について現在感じていることは次の3点である。
・集中体験 トレーニング中、ときに集中して取り組むあまり、身体が震えることも珍しくない。これだけ集中するという体験を、自分が望むタイミングでコンスタントにできるのはクリエイトしかないだろう。昨年9月に大学院入試を受けたときや、今月提出した卒論の締切前と同じような緊張感を、毎回のトレーニングで味わうことができる。これは大変贅沢であり、勉強や仕事を全力でこなすだけでは得がたい体験である。トレーニング自体に集中の楽しさがあるし、それを重ねているので、読書へのハードルがぐっと下がる。
・読書のハードルの低下と読み方の変化 私には完璧主義のきらいがあって、それゆえに読書のハードルを高く設定しすぎていたところがあった。しかしトレーニングを行っていて感じるのは、A+読みで月1冊読むよりも、B読み、7割程度の理解度で10冊読んだ方が得をすることが多いということである。倍速を行うことで、読んだ内容を理解できないことを恐れずに読めるようになる。というか、1回の読書でその本に書かれている内容を全て理解しようとするのは無理である。何回も繰り返して読むことで、自分の理解の甘さや見落としに気づくこともある。これは、イメージ読みで読みなおしをするとよく分かることでもある。
さらに、きっちり細かく理解しようと読むことが、本の全体の理解度に必ずしも直結するわけではない。文を読んだその瞬間は理解したと思っても、すぐに忘れてしまうことは少なくない。むしろ、記憶することを目標にするならば、一定の頻度で繰り返し読むことの方が効果的である。1週間後に覚えていることを書き出したら、7割読みとA+読みで変わらないかもしれない。
・漠然とした、しかし根拠のある自信 当初はにっちもさっちもいかないと思っていたロジカルGタイプも、60回以上格闘を続けるうちに、するすると解けるようになってきた。「これは絶対に無理」と思っていることが、継続して取り組むことで「なんで今までできなかったんだろう」と不思議に思うほど、スルリとできるようになる感覚は、稽古事や勉強、仕事に共通するものである。私がいま週一でレッスンを受けているピアノと比較して、BTRメソッドは短期間でも集中して取り組むことでスコアを伸ばすことができる。その結果、速読以外の物事を行う際にも、「なんとかなる」という漠然とした、しかしトレーニングを160回積み重ねたという根拠のある自信を養える。
それに関連して、トレーニング外でも、自分はどれくらいいま集中しているのか感じるセンサーが鋭敏になった。今日は全力の7割くらいしか出せないな、とか、今日はガンガン仕事を進められる狙い目だなとか、自己理解が深まった。勉強やピアノで今後の見通しをつけるときに役立っている。
【自分なりの価値をクリエイトする】 入会してから一度足が遠のくまでの私は、どこか受け身で、受講することの効果や意味といった「何か」を与えられることをどこか他人事のように期待していたのだと思う。しかし、本当に自分にとって大事なことは、自分が物事と向きあい続けることで見出していくものである。自分がクリエイトに通う意味は、自分で考える。そのためには、トレーニングの体験を振り返り言語化する、アンケートが有効である。地道に受講し、地道にアンケートを書き、自分なりの「クリエイト」を続けたい。
「Sさんの受講164回目の主なスコア24/2/2」たてサッケイド263 数字ランダム357・406 数字BP164-4(2分)かなBP532・649(2分)漢数字一行八→1,953、五→1,386、六→2,667 たて一行ユニット882・924 スピードチェック23/40(40秒)・33/40(39秒) かなひろい43/55(30秒)ロジカルテストGタイプ23/30(2分33秒)・26/30(2分32秒)イメージ記憶7/40(15秒)13/40(10秒)倍速読書『白光』38,400字/分・理解度A-「・自分がどれくらいの速さで読むのかイメージを作ってから読む。・漢数字一行の「〇」「四」「三」「一」を同時に見る練習で前半の見方変わってくる。・スピードチェックは形の違いを捉える。・ロジカルG、ちょっとの辛抱が正答率を大きく変える」※数字BP・スピードボードは、前回のスコアです。
年別受講回数は、2018年34回・19年18回・20年32回・21年46回・22年10回・23年20回・24年4回の計164回です。
この間に、第1期GW朝トレ・第24期平日朝トレ・第26期平日朝トレ・第28期平日朝トレ・第29期平日朝トレ・第36期平日朝トレと6回の朝トレを受けています。
土日朝トレに参加できないのはお父さんの仕事の関係と、第24期平日朝トレで書いています。
「前に、ブログで50回か100回を越えてからの訓練が面白くなる、というようなものを見た。できない自分ではなくまだまだ伸びしろがある自分、というような実感のある期待を得られた」「最近は、難しい本は難しいなりに格闘することができるようになってきた。困難な本と戦いをするための素地が育ってきた」と、前々から参考になることを書いていましたが、今回はさらに読み甲斐のある内容です。
これからは「地道に受講し、地道にアンケートを書」くとのこと。
楽しみが、またひとつ増えました。 真
※Sさん関連ブログです
・2018-10-29「遅刻しないために池袋の構内図を読み込んだ」(受講10回・20回目アンケート)
・2018-12-30「何を悩めばいいのか明確になった」(第71期文演アンケート)
・2020-09-23「できない自分ではなくまだまだ伸びしろがある自分、」(第24期平日朝トレアンケート&受講60回・70回目アンケート)
※クリエイト速読スクールHP
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