今から7~8年も前の話になりますが、家具専門店時代の事でした。冬のある日、目と足が少々不自由なご年配の男性が、全身びしょ濡れの状態で当店にいらっしゃいました。ベッドがほしいとの事でしたが、何故びしょ濡れなのかをお聞きすると、アパートに帰る際に、目と足が不自由な事もあり川に落ちてしまったという事でした。ベッドを購入していただき精算しようと財布を取り出すと、中の病院の診察券やらがグチャグチャで大変な状態でしたので、何枚か乾かして会社のパウチ機でラミネートしました。本町からここまで徒歩でいらしたという事でしたので、住所をお聞きし地図を見ると自動車では進入できないような小道をかなり歩かなければならない様な所のアパートでしたので、その方の手を引かなければと女性店員を連れ、私の自家用のワゴン車にベッドを付け3人でお伺いしました。車内で身の上を聞くと、お母さんと2人暮らしでしたが最近お母さんを亡くし一人暮らしとの事。年齢を聞けば60歳そこそこ(失礼ではありますが、今時の60にしては老けている印象は拭えませんでした)、話を聞いているだけで涙、、、しかも(本当に失礼ながら)住まいのアパートもかなり老朽化し、薄暗く、他に人の気配も無い建物でした。普段あまり人に接する事がない様で、ここぞとばかりに田舎の事やらをお話してくれました。会社に戻っても、それから数ヶ月間は、私とその女性社員はその方の事が頭から離れず、何か切ない気持ちでいました。それが数ヶ月前の事、中古のコタツ板を探しているがなかなか扱っている店が無くて困っているとの1本の電話。当店には数枚あると答えると、届けてほしいと言われました。通常は来店して契約していただかないとお届けできない旨をお話すると、ホームヘルパーさんが代理で電話している様で、本人は体が不自由でいちいち出向く事はできないと言われました。とりあえず住所と名前をお聞きすると先述のあの方の様でした。それならとお伺いした。やはりあの方で『こんにちは○○さん、お久し振りです。僕7年位前にベッドを届けた者ですが覚えてますか?』と言うと、シッカリと購入金額まで覚えていてくれました。そのやりとりを見ていたヘルパーさんの言葉『へ~驚いた、○○さんに知り合いがいたなんて?』こっちの方がビックリ、知り合いもいなかったの?ヘルパーさんとにこやかに冗談を言ったり、明るく振舞っている姿を拝見して、数年前に覚えた胸の痞えのような物がすっかりとれました。こっちが勝手に偽善者の様に気の毒がっているだけで、本人はいたって明るく元気。人の幸不幸は他人が判断すべき物では無いんですよね。逆に『つまらない事でクヨクヨしていられないな』とポジティブな気持ちを与えていただきました。ありがとうございま~す。画像より、只今オメガ、ロレックスのスポーツタイプウォッチを超強化買取り中です。他店には負けません。お願いいたします。
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