12月に歌うオペラ『トゥーランドット』の中のリュー。
私の歌う役です。
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リューは奴隷で・・・
奴隷?
足かせを嵌められて、ムチでひっぱたかれながら
重労働を強いられている?
・・・いやいや、何かが違いますね・・・。
彼女の台詞によると、リューはカラフに
“王宮の中で”微笑みかけられています。
ムチで打たれているような奴隷に微笑みかける王子・・・
・・・そんな王子って、
究極のサディストじゃないですか~~~!
と言うことで、ムチで打たれている、と言うのは却下。
足かせを嵌められている奴隷・・・逃げ出さないように
鎖で繋がれている奴隷。
つまり、逃げ出したがっている奴隷・・・。
逃げ出したがっている奴隷が、クーデターで国を追われた王を
助けるでしょうか?
・・・真っ先に逃げると思う・・・。
なので、足かせを嵌められている、と言うのも却下。
足かせを嵌められていなくて、ムチでも打たれなくて、
王宮の中にいる奴隷・・・ん?
それって、どこぞの国の喜び組?
いやいや、オペラの中に実例を探しましょう。
奴隷・・・すぐに思い浮かぶのは・・・・!!!
アイーダ!
・・・いや、彼女は敵国の王女。
つまり捕虜です。
奴隷といっても、ちょっと種類が違う・・・。
リューは王宮の中で、多分、働いています。
家来として働いているのではありません・・・
お給料をもらっているわけでも、
人権を保障されているわけでもありません。
奴隷が・・・もし死んでしまったとしても、
奴隷を働かせている人たちは、何も感じません。
壊れたら捨てられてしまう電化製品のように、
クチャクチャクチャ・・・ポイッと、
どこかに埋められてしまうだけでしょう。
奴隷が・・・もし何かを言ったとしても、
奴隷を働かせている人たちは、何も聞こうとしません。
一方的に、命令だけ与えて、
奴隷達の言葉には耳を貸しません。
命令して馬車や荷物を引かせる馬を相手にするのと同じように、
奴隷達と会話が成立するとは、思ってもいません。
そんな毎日の中で、国のナンバー2である王子様が
微笑みかけてくださいました!!!
人として扱われたこともなかったのに、
ニッコリと笑いかけてくれた人がいたのです。
しかも、その人は王子様!
王子様自らが、私を一人の人間として扱ってくださった!
・・・そして彼女は、命をかけて、
クーデターの起きた国で、彼の父である王を守るのです。
彼のお父様を助けたら、王子様はきっと喜ぶに違いない。
きっとまた、笑ってくださるに違いない。
・・・そしてまた彼女は、命をかけて、
王子の危機を救うべく、自らの命を絶つのです。
自分が命を絶つことで、王子様の望みは叶う。
そうしたらきっとまた、笑顔になるに違いない!
・・・。
その笑顔は、見れないけれど。
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これが、リューの人生。
彼女の人生を、オペラの中で生き抜きたいと思います!
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