さなえのうた

歌いながらあちこちに出没します♪

音楽家の日常

2011-03-08 | 歌い手日記

朝10時半・・・・・・マンションの隣の部屋から
ハノンの単旋律が聞こえてきます。

  

ドミファソラソファミ、レファソラシラソファ・・・

  

片手ずつ、ウォーミングアップをしている(と思われる)のですが、
5本の指が、均一に音を奏でていて、
そのウォーミングアップを聞いているだけでも、
彼女が素晴らしいピアニストだということが分かります。

  

片手が終わると両手。
バッハの平均律から始まり、やがて別の曲に移行していきます。

  

家にいる時は、そのウォーミングアップを聞きながら、
自分も朝練しようと思いつつ、布団の中で二度寝していたり、
負けじと練習を始めたり、
テレビを見ながらストレッチをしていたり、
・・・想像されうる限りのいろいろなことをしているわけです。

  

ザルツブルグで留学生活を送っていた時も同じでした。

  

部屋を借りていたのは、学生寮。
東京と違って(笑)、音楽家に対して優しいザルツブルグでは
防音設備など何もなく、いや、それどころか、
窓を開けっ放しにして練習してる学生もたくさんいました。
アジア・ヨーロッパ・・・南アフリカやインドから来ている学生もいて、
ピアノ・ヴァイオリン・歌・・・と、楽器も様々。

  

そっちが始めるとあっちも始めて、
いつのまにか競奏になっていたり、
歌っていると、どこからかなぜか伴奏が聞こえてきて、
いつのまにか共演になっていたり・・・

  

東京のマンションでは防音設備がしっかりしているので、
聞こえてくる音は、隣の部屋の音だけ。
会えば挨拶くらいはしますが、
表札も外しているので、お名前すら分かりません。

  

でも、わずかに漏れ聞こえてくる音は学生時代を思い出させ、
初心を思い起こさせ、
昨日と変わらぬクオリティを保ち続ける姿には尊敬を覚え、
私も頑張ろうと奮起させられる訳です。

  

夜は夜で、稽古やレッスンの“復習”をしたり、
楽譜とにらめっこして譜読みをしていたりすると、
隣の部屋からやはり譜読みの音や、
“復習”と思われる音が聞こえてきます。

  

・・・そして、
マンションの規定である音だし可能時間が過ぎる頃には、静寂が訪れます。

  

今聞こえるのは、雨の音と、
パソコンのキーボードをたたく音だけ。

  

音楽をするのに、とってもいい環境だな~と思います。

  

ザルツブルグにいた時は・・・
夕飯を食べ終わると、なんとなく学生達が共有スペースに集まります。
そこにはピアノがあったので、なんとなくセッションが始まったり、
くだらないお喋りを楽しんでました。

  

みんな、どうしてるかな~。

コメント
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