古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第四十三章 苫草紛争の二 其の四十

2015年08月04日 07時34分55秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「苫草紛争の二」第十四頁、上の三~五行目

 

解読 段々賣渡シ御座候へハ、稼山も

    無御座、差支犇と百姓共難立行

    難儀仕候御事。

読み 段々売り渡し御座候えば、稼ぎ山も

    御座無く、差し支え犇と百姓共立ち行き難く

    難儀仕り候おん事。

解説 最初は「段々」です。これも難しい。 次は「賣渡シ」・・・売り渡し。「賣」は旧字体。 「御座候へハ」・・・段々売り渡して来たので。 「稼山も」・・・日銭を稼ぐ山林も。「稼」の右に添え書きの様な文字が有りますが、意味は解りません。 次行最初は薄くて読めませんが、「無御座」・・・御座無く。 次も難解で「差支」・・・差し支え。 続けて難解文字で「犇」・・・『ひし』。「ひしめく」と読む字。縦に長く書いています。下部の「以」の様な字が「牛」二つ分になります。 「難立行」・・・「立行」が解りにくい。立ち行き難く。生活が出来ない。 最後は、「難儀仕候御事」・・・難儀いたしましたと言う事実。