「漂流外国物語」第十四ページ、上の三~四行目
解読 積とら連候上ハ、此船ニ居候而茂給物無之故渇死より
外なしと色々申歎候而、右橋船ニ而異国船江乗移り
読み 積みとられ候上は、此の船に居り候ても食べ物これ無く渇死により
外なしと色々申し歎き候て、右端舟にて異国船へ乗り移り
説明 「積とら連候上ハ」・・・食い物を積み取られた上は。「とら連」・・・とられ。「連」・「候」・「上」、いずれも簡単な文字ですが、難しい。 「給物」・・・『たべもの』。古文書特有の読み方で、「食べ物」と同じ読み方になります。「物」も難解です。 「無之故」・・・これ無き故。 次の字は「渇死より」と読んで置きます。「渇」はノドの渇きですが、「餓え死」と同じ使い方という解釈です。「死」の字も難解。 「外なしと色々」・・・「色々」も読むのは困難です。 「申歎候而」・・・申し歎き候て。 「右橋船ニ而」・・・右端舟にて。先方のボートで。 次の太い字も読めませんが「異国船江」・・・「異」は「己」に「大」と書く異体字です。異国船へ。「乗移り」・・・移乗し。