古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第五十九章 漂流外国物語 其の七十四

2016年05月30日 07時55分44秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「漂流外国物語」第二十二頁、上の一~二行目

 

解読 (志)ばり置、帆柱ハ上より段々下へ颪し此帆柱三本ニ

    切組有之、船ハ惣櫓ニ而板張詰水主共ハ梶一色耳

読み (し)ばり置き、帆柱は上より段々下へ降ろし此の帆柱三本に

    切り組みこれ有り、船は惣櫓にて板張り詰め、水主共は梶一色に

 

説明 「志者り置」・・・しばり置き。帆を下げて縛って置き。「志者り」の「志者」は変体仮名の「しは」です。「は」に濁点有り。 「帆柱は上より段々下へ颪し」・・・ここは比較的やさしい。「颪」は前に出ました。 「此帆柱三本ニ」・・・三本の「本」が難しい。 「切組有之」・・・組み立てる為の木作りをしている。 「船ハ惣櫓ニ而」・・・四方を展望する為の高楼、船楼、ブリッジが有って。 「板張詰」・・・甲板に板を張り詰め。(日本の和船と違うところです。) 「水主共ハ梶一色耳」・・・「耳」は変体仮名の「に」。水主どもは、全ての準備を終えて、あとは梶一本に。(力を集中すること。)