古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第五十九章 漂流外国物語 其の六十三

2016年05月19日 07時15分51秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「漂流外国物語」第十九ページ、上の一~二行目

 

解読 一、此船江乗移り候節、船頭躰之者私共面々の手能

    飛ら越見、又指之婦し等越飛祢り見、私其以前

読み 一つ、此の舟へ乗り移り候節、船頭躰の者私ども面々の手の

    ひらを見、又指のふし等をひねり見、私其れ以前

説明 「此船江乗移り候節」・・・この異国船へ乗り移った時。 「船頭躰之者」・・・船長らしい人。 次は欠けていて読めませんが、「私共」と書いています。 最後は、「面々の手能」・・・各自の手の。「能」は変体仮名で「の」です。 二行目は、「飛ら越見」・・・ひらを見。手の平を見て。掌を見て。 「飛」・「越」・・・変体仮名の「ひ」と「を」。変体仮名が多くて、厭になりますが、当時はこれが普通の書き方だったのです。 「指之ふし等越」・・・「指」も読むのは困難です。 「婦し等越」・・・ふし等を。節などを。「婦し」・・・節。指の関節の事を言っています。「等」も難解。 「飛祢り」・・・ひねり。 次の字は読めませんが、「見」です。「ひねり見」・・・ひねって見る。関節をひねって見て。 最後も読めませんが、「私其以前より」・・・「私」は「筆者」の事。私がそれ以前より。