古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第五十九章 漂流外国物語 其の七十

2016年05月26日 06時06分02秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「漂流外国物語」第二十一ページ、上の一~二行目

 

解読 至迄顔尓手越當て暫く何可唱へ事致スなり。

    一、喰物ハ毎日米之飯野菜ニ豕牛青物干物塩(魚)

読み (供尓)至る迄顔に手を当て、暫く何か唱え事致すなり。

    一つ、喰物は毎日米の飯、野菜に豕『ぶた』・牛・青物干物塩

説明 最初から薄くて何も読めませんが、「至迄」と書いています。茶汲み供に至るまで。 次も薄いですが、「顔尓」・・・顔に。 「手越當て」・・・手を当て。「當」は旧字体。 「暫く」・・・これも教えて貰わねば読めません。『しぱらく』。 「何可」・・・何か。 「唱へ事」・・・「唱へ」の次の字は「古」の下に「又」と書く異体字の「事」です。ここでは明確に読めません。 最後は「致スなり」・・・何かの唱え事をしている。 二行目「喰物」・・・食べ物。 「米之飯」・・・「飯」も読みにくい。 次の「野菜」も読むのは無理です。「菜」の下はハッキリ分かりませんが、「野菜ニ」と読んで置きます。 次も難しい「豕」・「牛」の下部は消えています。 次は「青物」・・・「青」がほとんど消えていますが、見える範囲で「青物」と読んで置きます。上に「野菜」が有って、又「青物」では重複ですが、正解は解りません。 次は「干物塩」・・・これは比較的分かりやすい。


第五十九章 漂流外国物語 其の六十九

2016年05月25日 07時07分08秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「漂流外国物語」第二十ページ、上の五~六行目

 

解読 一、八日目々々ニ者悦び日と相見へ、面々湯越あび

    髯越そり、衣類を着替へ天を拝し茶汲み供尓

読み 一つ、八日目八日目には悦び日と相見え、面々湯を浴び

    髯を剃り、衣類を着替え天を拝し茶汲み供に

 

説明 「八日目八日目ニ者」・・・八日目毎の日は。「ニ者」・・・小さくて分かりにくいですが、「には」。 「悦び日」・・・祝日の事。祝日が八日目毎と書いていますが、七日目毎の間違いでは無かろうかと思います。 「湯越あび」・・・湯を浴び。 「髯越そり」・・・髯を剃り。 「衣類を着替へ」・・・良い服装に着替えて。 「天を拝し」・・・天を拝み。「拝し」が読みにくい。 「茶汲」の次に一字「子」と言う字が欠けているのか、「ミ」の送り仮名が有るのか、「子供」と読んでいる先生が普通です。 最後は「尓」・・・「に」。「茶汲み子供」が船に乗っているのかどうか疑問ですし、ここは一応「茶汲み供」としておきます。


第五十九章 漂流外国物語 其の六十八

2016年05月24日 07時45分35秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「漂流外国物語」第二十ページ、上の三~四行目

 

解読 釣鐘なり。昼夜弐時目程ツゝに不寝の番越

    致し、替り之節ハ右之釣鐘越ならし申候。

読み 釣り鐘也。昼夜二時目程づつに不寝の番を

    致し、替わりの節は右の釣り鐘を鳴らし申し候。

 

説明 「釣鐘なり」・・・「釣鐘」も難しい。「鐘」の右に「か年」と小さくフリガナを書いている様に見えます。この釣り鐘は廻り三尺程ですから、寺院の梵鐘の様な大きな鐘ではなく、風鈴の大きなもの程度の鐘と思われます。「昼夜」昼も夜も。 「弐時目『ふたときめ』程ヅゝに」・・・一時『ひととき』は二時間であるから、四時間交替の不寝番であった事になります。したがってこの船の鐘は四時間置きに鳴らしていたと言う事です。 「不寝の番」・・・寝ずに見張りをする当番。 「替り之節ハ」・・・交替の時には。 「右之釣鐘越」・・・この釣り鐘を。「代」の様な崩し字は「を」です。 最後は一字に見えますが、「申候」と二字になります。


第五十九章 漂流外国物語 其の六十七

2016年05月23日 06時52分48秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「漂流外国物語」第二十頁、上の一~二行目

 

解読 表之方半間程ニ高さ六尺計り之箱阿り此箱之

    入口尓日本の風鈴の如き物有之、此廻り凡三尺程乃

読み 表の方半間程に高さ六尺ばかりの箱有り、此の箱の

    入口に日本の風鈴の如き物これ有り、此の廻り凡そ三尺程の

 

説明 「表乃方、半間程ニ」・・・船の表の方九十センチほどの所に。 「高さ六尺計り之箱阿り」・・・高さ約一メートル九十センチくらいの箱が有り。「阿」は変体仮名の「あ」。 「此箱之」・・・これも読むのは困難です。 「入口尓」・・・「尓」はヒラカナの「に」。 「日本の風鈴の如き物有之」・・・「有之」・・・『これあり』。 「此廻り」・・・「廻り」・・・周囲。読むのは困難です。 「三尺程乃」・・・「三尺」は約九十センチ。「最後の「程乃」はほとんど見えません。


第五十九章 漂流外国物語 其の六十六

2016年05月22日 05時35分39秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「漂流外国物語」第十九ページ、上の七~八行目

 

解読 成程と云ふ躰ニ而、善助越宜敷場所江入置、外

    水主共ハ異国水主と同様ニ船中之仕業越致させ

読み 成る程と言う躰にて、善助を宜しき場所へ入れ置き、外

    水主どもは異国水主と同様に船中の仕業を致させ

 

説明 「成程と云ふ躰ニ而」・・・いかにもと言う様子で。分かったと言う様子で。「云ふ」・・・これは旧送り仮名。 「善助越」・・・(船頭)善助を。 「宜敷場所江」・・・良い部屋へ。 「入置外」・・・入れて置き。この辺は文字が小さく読むのは困難です。全般に文章の下部の字が小さく読みにくい。 「外水主共ハ」・・・善助以外の他の水主どもは。 「異国水主」・・・外国人水夫。「異国」が難しい。 「同様ニ」・・・これも読むのは難しい。 「船中之仕業越」・・・船内で水夫が普段する仕事を。 「致させ」・・・させる事。 >