ブログ版清見糺の短歌鑑賞 17 酔いどれ船
鎌倉なぎさの会 鹿取 未放
107 〈ゆりかもめ〉きしみゆくなり有明の春まださむき地上百尺
「かりん」97年6月号
馬場あき子の『青い夜のことば』にゆりかもめを歌った一連がある。歌集ではなく雑誌に載った時点で、では自分もと反応した一連の中の一首。同じ号の三首目に「設計思想の貧困なるべしゆりかもめの飛行曲線まねたる軌道」と論理で攻めたシニカルな歌もある。
掲出歌は「春まださむき」季節に「有明」という優美な地名がマッチして清新な情趣をかもしだしている。百尺という古い言い回しも効いているだろう。ゆりかもめという名も活かし、調子の張った弾んだ気持ちのよい歌になっている。(鹿取)
鎌倉なぎさの会 鹿取 未放
107 〈ゆりかもめ〉きしみゆくなり有明の春まださむき地上百尺
「かりん」97年6月号
馬場あき子の『青い夜のことば』にゆりかもめを歌った一連がある。歌集ではなく雑誌に載った時点で、では自分もと反応した一連の中の一首。同じ号の三首目に「設計思想の貧困なるべしゆりかもめの飛行曲線まねたる軌道」と論理で攻めたシニカルな歌もある。
掲出歌は「春まださむき」季節に「有明」という優美な地名がマッチして清新な情趣をかもしだしている。百尺という古い言い回しも効いているだろう。ゆりかもめという名も活かし、調子の張った弾んだ気持ちのよい歌になっている。(鹿取)