かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞  107

2020-12-19 18:19:05 | 短歌の鑑賞
    ブログ版清見糺の短歌鑑賞 17  酔いどれ船 
                     鎌倉なぎさの会   鹿取 未放
           

107 〈ゆりかもめ〉きしみゆくなり有明の春まださむき地上百尺
                 「かりん」97年6月号

  馬場あき子の『青い夜のことば』にゆりかもめを歌った一連がある。歌集ではなく雑誌に載った時点で、では自分もと反応した一連の中の一首。同じ号の三首目に「設計思想の貧困なるべしゆりかもめの飛行曲線まねたる軌道」と論理で攻めたシニカルな歌もある。
 掲出歌は「春まださむき」季節に「有明」という優美な地名がマッチして清新な情趣をかもしだしている。百尺という古い言い回しも効いているだろう。ゆりかもめという名も活かし、調子の張った弾んだ気持ちのよい歌になっている。(鹿取)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする