2023年度版 渡辺松男研究3
(13年3月)【地下に還せり】
『寒気氾濫』(1997年)12~
参加者:崎尾廣子、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
司会と記録:鹿取 未放
19 凍天へ鑿打つごとき杉の幹ひたぶるなるを嗤われて立つ
(当日意見)
★杉の木が尖っているということですよね。まっすぐに上へ上へ
向かうことを嗤われながら杉は立っている。(曽我)
★そうですね、杉の一生懸命さに寄り添っている歌ですよね。で
も、その杉を嗤うのは何なんだろう。(鹿取)
★杉は労働者みたいな感じ。それを世の中の人が嗤う、って受け
取ったのですが。だけど杉は気にしないで立っている。凍天に
鑿を打つってむなしいことなんだけれど。(慧子)
★私は慧子さんおようにこの歌を比喩だとは思いません。「嗤
う」はあざ笑うという意味だから悪意がありますよね。また、
杉の木を何が嗤うのかなあ。人間は松男さんを除いて「凍天
へ鑿打つごとき杉の幹」のひたぶるさというような見方をしま
せんから,回りに生えている杉以外の別の種類の木が「なんだ
い、あいつは」と嗤うのでしょうか。分からないけど、作者は
嗤われている杉のひたぶるさをよしとして応援しているのだろ
う。(鹿取)
(13年3月)【地下に還せり】
『寒気氾濫』(1997年)12~
参加者:崎尾廣子、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
司会と記録:鹿取 未放
19 凍天へ鑿打つごとき杉の幹ひたぶるなるを嗤われて立つ
(当日意見)
★杉の木が尖っているということですよね。まっすぐに上へ上へ
向かうことを嗤われながら杉は立っている。(曽我)
★そうですね、杉の一生懸命さに寄り添っている歌ですよね。で
も、その杉を嗤うのは何なんだろう。(鹿取)
★杉は労働者みたいな感じ。それを世の中の人が嗤う、って受け
取ったのですが。だけど杉は気にしないで立っている。凍天に
鑿を打つってむなしいことなんだけれど。(慧子)
★私は慧子さんおようにこの歌を比喩だとは思いません。「嗤
う」はあざ笑うという意味だから悪意がありますよね。また、
杉の木を何が嗤うのかなあ。人間は松男さんを除いて「凍天
へ鑿打つごとき杉の幹」のひたぶるさというような見方をしま
せんから,回りに生えている杉以外の別の種類の木が「なんだ
い、あいつは」と嗤うのでしょうか。分からないけど、作者は
嗤われている杉のひたぶるさをよしとして応援しているのだろ
う。(鹿取)