2023年度版 馬場あき子の旅の歌26(2010年3月実施)
【飛天の道】『飛天の道』(2000年刊)164頁~
参加者:N・I、Y・I、T・S、藤本満須子、T・H、
渡部慧子、鹿取未放
レポーター:T・H 司会とまとめ:鹿取 未放
201 烏魯木斉に天池(てんち)あり標高二千なり西王母の雪風に匂へり
(レポート)
西王母:中国の伝説上の仙女。災害と刑罰を司る、と考えられた。漢
の武帝が長命を願っていることを知り、3000年に一度実がなるとい
う仙桃を捧げた、と言われている。 (T・H)
(まとめ)
その名もズバリ天池という風光明媚な池が烏魯木斉にある。標高二千という高度にあって、周囲には雪を頂いた山々が連なっている。山々には雪が積もっていて、風に乗って雪が匂ってくる。それは西王母の降らす雪であって、清新このうえもない。
二句め「あり」、三句め「なり」と二箇所に切れがあり、結句は「匂へり」とi音の脚韻を踏んで力強くシャープなリズムを生み、作者の感動の強さを伝えている。もっといえば二句めの「あり」は音数上は「天池あり/標高」と句割れになって複雑なリズムを作っている。
ところで作者が訪問した時の天池は、ひっそりして人もまばらだったのだろうか。いまや観光地化してレジャーランドのようなにぎわいで、国の内外から連日観光客が訪れてごった返していると聞く。土産物屋などもたいへんな数のようだ。(鹿取)
【飛天の道】『飛天の道』(2000年刊)164頁~
参加者:N・I、Y・I、T・S、藤本満須子、T・H、
渡部慧子、鹿取未放
レポーター:T・H 司会とまとめ:鹿取 未放
201 烏魯木斉に天池(てんち)あり標高二千なり西王母の雪風に匂へり
(レポート)
西王母:中国の伝説上の仙女。災害と刑罰を司る、と考えられた。漢
の武帝が長命を願っていることを知り、3000年に一度実がなるとい
う仙桃を捧げた、と言われている。 (T・H)
(まとめ)
その名もズバリ天池という風光明媚な池が烏魯木斉にある。標高二千という高度にあって、周囲には雪を頂いた山々が連なっている。山々には雪が積もっていて、風に乗って雪が匂ってくる。それは西王母の降らす雪であって、清新このうえもない。
二句め「あり」、三句め「なり」と二箇所に切れがあり、結句は「匂へり」とi音の脚韻を踏んで力強くシャープなリズムを生み、作者の感動の強さを伝えている。もっといえば二句めの「あり」は音数上は「天池あり/標高」と句割れになって複雑なリズムを作っている。
ところで作者が訪問した時の天池は、ひっそりして人もまばらだったのだろうか。いまや観光地化してレジャーランドのようなにぎわいで、国の内外から連日観光客が訪れてごった返していると聞く。土産物屋などもたいへんな数のようだ。(鹿取)