2024年度版 馬場あき子旅の歌47(2012年1月実施)
【アルプスの兎】『太鼓の空間』(2008年刊)170頁~
参加者:N・I、K・I、井上久美子、崎尾廣子、鈴木良明、
T・S、曽我亮子、藤本満須子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:藤本満須子 司会とまとめ:鹿取 未放
340 ただ一夜泊(は)てしクールの小さきホテル婀娜として白し月下の美人
(レポート)
たった一夜、一泊の小さなホテルに偶然出会った月下美人の開花に驚きと喜びをうたっている。月下美人は夏の夜、純白大輪の美しい香りのよい花が咲き、四時間くらいでしぼむ。(藤本)
(当日意見)
★この月下美人は東洋の花の感じ。「婀娜として」の部分、自分ならもっとなめらかに詠う。「として」の説明が入ることで読む流れを止めてしまうが、「婀娜」の語を強調したかったのだろう。(鈴木)
★この歌は「婀娜として」がポイントだと思う。レポーターが挙げた月下美人の一連によると、ホテルの個室の床の辺に月下美人が置かれていたようだ。だから一人でくつろいで月下美人に見ほれていたのだろう。(鹿取)
(後日意見)(2016年11月)
広辞苑には「婀娜」は「女の美しくたおやかなさま」とあって、「白氏文集」の「春態紛として 婀娜たり」と楊貴妃の入浴場面を形容した例が引かれている。上品な美を言っている。(鹿取)
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