かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『寒気氾濫』の一首鑑賞 24

2023-04-14 10:47:22 | 短歌の鑑賞
    2023年度版 渡辺松男研究4【地下に還せり】
      (13年4月実施)
       『寒気氾濫』(1997年)12~
       参加者:崎尾廣子、鈴木良明、曽我亮子、鹿取未放
       司会と記録:鹿取 未放(再構成版)


25 約束のことごとく葉を落とし終え樹は重心を地下に還せり

       (当日意見)
★樹の生態を身体的に捉えている。「約束の」なんっていうのもな
 かなか言えない。摂理というか。(鈴木)
★「約束のごとく」でないところが深くて面白いですね。とても微
 妙な繋げ方をしている。「葉を落とし終え」るというのが自然の
 約束事なんですよね。冬の木は根っこに重心をおくのですね。こ
 の歌の結句が一連の題になっています。(鹿取)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする