2023年度版 渡辺松男研究4【地下に還せり】
(13年4月実施)
『寒気氾濫』(1997年)12~
参加者:崎尾廣子、鈴木良明、曽我亮子、鹿取未放
司会と記録:鹿取 未放(再構成版)
26 わが死後も膨らみてゆく樹の瘤を冬の日射しが暖めている
(当日意見)
★評者が樹の瘤をマイナスと捉えたのが面白い。樹の瘤って樹に
とってはどうなんだろうね。必ずしもプラスのものではない。
まあ、樹の個性のような気がする。ニーチェもそうだけど人間
も瘤のようなものを抱えていて、それは傷だ。その傷を日差し
が暖めているのはすごい。(鈴木)
★私は樹の瘤をマイナスイメージとは思いません。まあ瘤取りじ
いさんとかあるから瘤はプラスのものではないだろうけど、樹
にとってはどうなのかなあ。樹の瘤は松男さんにとってマイナ
スでもプラスでもない樹の属性のようなものだと思うけど。そ
の樹の瘤をひっくるめて、作者はその木を愛している。(鹿取)
★でもマイナスから上に行くと開きが大きい。その力強さは傷か
ら成長していくところが命の力強さを感じる。鹿取さんのよう
に普通の読み方もできるが、マイナスと読んだ方が渡辺さんの
歌にとっては良いのではないか。(鈴木)
(13年4月実施)
『寒気氾濫』(1997年)12~
参加者:崎尾廣子、鈴木良明、曽我亮子、鹿取未放
司会と記録:鹿取 未放(再構成版)
26 わが死後も膨らみてゆく樹の瘤を冬の日射しが暖めている
(当日意見)
★評者が樹の瘤をマイナスと捉えたのが面白い。樹の瘤って樹に
とってはどうなんだろうね。必ずしもプラスのものではない。
まあ、樹の個性のような気がする。ニーチェもそうだけど人間
も瘤のようなものを抱えていて、それは傷だ。その傷を日差し
が暖めているのはすごい。(鈴木)
★私は樹の瘤をマイナスイメージとは思いません。まあ瘤取りじ
いさんとかあるから瘤はプラスのものではないだろうけど、樹
にとってはどうなのかなあ。樹の瘤は松男さんにとってマイナ
スでもプラスでもない樹の属性のようなものだと思うけど。そ
の樹の瘤をひっくるめて、作者はその木を愛している。(鹿取)
★でもマイナスから上に行くと開きが大きい。その力強さは傷か
ら成長していくところが命の力強さを感じる。鹿取さんのよう
に普通の読み方もできるが、マイナスと読んだ方が渡辺さんの
歌にとっては良いのではないか。(鈴木)