かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠  134 ネパール②

2025-02-24 14:40:02 | 短歌の鑑賞

   2025年度版 馬場あき子の外国詠16(2009年1月実施)
    【ニルギリ】『ゆふがほの家』(2006年刊)83頁~
    参加者:K・I、N・I、T・K、T・S、N・T、藤本満須子、
        T・H、渡部慧子、鹿取未放
    レポーター:T・H  司会とまとめ:鹿取 未放

                    
         ネパールのアッパームスタンに「こしひかり」を実らせた
     近藤亨翁をたずねてジョムソンに行った。
          (この詞書のような2行は、「ニルギリ」の章全般に掛かる。鹿取注)


134 暮れ残るニルギリ山頂一点のひかりとなりてわれあるがごと

           (まとめ)
 暮れてゆくニルギリを眺めている。だんだんと光がその山肌から消えてゆき、今や山頂に一点のひかりとなって残っているだけだ。もう、まるで自分が一点の光となって暮れ残る山頂にいるようだ。それほどに、暮れてゆく山を見つめつづけているのである。(鹿取)


135 眠りゐしをとめ醒むると声をのむほのかなりニルギリの初(う)ひのくれなゐ

              (レポート)
 夜のとばりに包まれていたニルギリが、仄かな朝日に照らされて、目を覚ますと(光が当たってくると)、全く息を呑む美しさである。その紅の色は。(T・H)


           (まとめ)
 山のいちばん高いところ、針のような一点に紅色が射す。そして徐々にその紅色が広がり山を覆っていく。初めて朝の陽光が射した瞬間の紅色の美しさ、それを眠っていた処女が目覚めたととらえた。(鹿取)

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする