植林をした場所
2025年度版 馬場の外国詠 17(2009年4月)
【ムスタン】『ゆふがほの家』(2006年刊)86頁~
参加者:K・I、N・I、T・K、T・S、N・T、
藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:T・H 司会とまとめ:鹿取 未放
139 馬なければ歩みきれざりき高地ムスタンゆきゆきて四本(よもと)の 柳植ゑきつ
(まとめ)
われわれが滞在したホテルは標高2,700メートルのところにあった。飛行場からホテルまで歩いて50分、農場は飛行場と反対方向で、歩いたら30~40分くらいだったろうか。着いた日の午後は徒歩で農場に行って、鶏の放し飼いを見たり、鞴を使って鍛冶をしている場面を見学したりした。その後、林檎をいただき、農場の向かい側にある鱒の養殖場や稲の栽培場所なども見学した。これらもすべて近藤享氏が指導されていた。確か、ホテルの夕食にはここのますの甘露煮が出されたように記憶している。
馬に乗ったのはその翌日のことである。行動半径を広げようとすれば、この土地では馬に乗るしかないのだ。植林の場所まで行くにはカルガンダキ河を渡らないといけないのだが、その辺りでは馬の腹くらいまで水かさがあった。素人が馬に乗ったまま渡ることはできないので、何人かの馬子さんたちが馬だけを向こう岸へ渡してくれた。われわれは材木を一本渡しただけの橋を幾つか渡り継いで向こう岸にたどり着いた。まさに「ゆきゆきて」という感じで河原を遡行して、広大な河川敷のような所に植樹をした。そのうちの幾本かは背丈ほどに育っていたと10年後にこの地を再訪した友人が教えてくれた。「ゆきゆきて」は「伊勢物語」の東下りを連想するが、旅のあてどないさびしさがにじんでいる。(鹿取)
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