かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『寒気氾濫』の一首鑑賞 63

2023-06-20 11:33:15 | 短歌の鑑賞
  2023年版渡辺松男研究⑧(13年9月)
     【からーん】『寒気氾濫』(1997年)30頁~
     参加者:崎尾廣子、鈴木良明、曽我亮子、高村典子、渡部慧子、鹿取未放
     司会と記録:鹿取 未放


63 白光にめつむりている白き猫ほあほあと死はふくらみてくる

    (当日意見)
★この猫は既に死んでいるんじゃないですか?柔らかく死んでいる感じ。(曽我)
★でも死んでいると面白くない。死にかけてるって事ですかね。(鈴木)
★これは死に対する思いじゃないですか。(崎尾)
★死んでいたら「めつむりている」とは言わないんじゃないかなあ。死んでいるの
 でも死にそうでもないんじゃないかなあ。白光にめをつむっている猫を見て死の
 想念が膨らんでいったと読んでいたけど。(鹿取)
★崎尾さんが言ったけど、「め」のひらがな表記が生きている。これ「眼」って漢
 字で書くと違うんで、猫がめをつむっているときの感じって、「眼」ではなく
 「め」(笑)。意味だけじゃなく表記も考えている。イメージとして白い猫がこ
 ういう状態でいると分かりますよね、「死はふくらみてくる」って感じも。確か
 にこれ死んでいくわけじ  ゃない。(鈴木)
★白光があり、白き猫で、白を用いています。白が生と死を包みこんでいるという
 ような、白というのはそういう色なんじゃないでしょうか。(慧子)
★白だからふくらんでくる。黒じゃやっぱり縮んでいっちゃうもんね。(鈴木)


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