かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 125(ネパール)

2019-12-13 17:46:09 | 短歌の鑑賞
  馬場あき子の外国詠15(2009年1月実施)
    【ニルギリ】『ゆふがほの家』(2006年刊)81頁~  
     参加者:K・I、N・I、T・K、T・S、N・T、
         藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:渡部慧子 司会とまとめ:鹿取 未放
                    

ネパールのアッパームスタンに「こしひかり」を実らせた
  近藤亨翁をたずねてジョムソンに行った。
(この詞書のような2行は、「ニルギリ」の章全般に掛かる。鹿取注)

125 水のごと静けき天よ未踏峰ニルギリを抱きほのかほほゑむ

      (レポート)
 ニルギリは未踏峰だという。たえず世界を意識し、また新しい分野に踏み入ってうたってこられた御自身の雄たる気概を「未踏峰ニルギリ」にむかって認識されたかもしれない。ここで何の構えもない天を「水のごと静けき」と抑制をきかせてたたえており、さらに「未踏峰ニルギリ」をあたかも「抱きほのかほほゑむ」とは眼前にこのうえもなき二物の在るを詠嘆している。(慧子)


     (まとめ)
 水のように静かな天が、未踏峰であるニルギリを抱いてほのかにほほえんでいる。天がほほえんで見えたのは朝日がのぼって空が明るい色を含んできたからだろうか。124番歌「未踏峰ニルギリに対かひ化粧(けはひ)する水のごと冷たき朝のひかりに」で崇高なニルギリに向かって化粧していた作者に、夜明けと共に明るさを増す空は、ゆったりとほほえんでいるように見えたのだろう。(鹿取)



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