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今日で、ブログ開設1500日目と表示された♪♪
これは2018年11月に買ったパソコンから、昨年11月の新規パソコンに引き継いだ数字。
実は「かまくらdeたんか」は更に前のパソコンで2013年に始めたので通算では3500回近いかもしれない。同じgooブログなのに、5年前、どうしても引き継げなかったのでやむなく途切れてしまった。以前のブログはこちら→blog.goo.ne.jp/david1993-2003
ともあれ、今後ともよろしくお願いします。
2023年度版 渡辺松男研究2の30(2019年12月実施)
Ⅳ〈月震〉『泡宇宙の蛙』(1999年)P151~
参加者:泉真帆、岡東和子、A・K、菅原あつ子(紙上参加)、
渡部慧子、鹿取未放
レポーター:渡部慧子 司会と記録:鹿取未放
237 火の牡牛火をふかく秘めしずかなり砂ながれゆく刀水の縁(ふち)
(当日意見)
★漢詩みたいで格調がありますね。「刀水」って利根川のことですが、字面もいいで
すね。使いたくなる名前ですね。(A・K)
★「刀」って文字の力がすごいですね。薄くて怜悧で言葉が張っている。これ、「利
根川の縁」だったらだらっとしてつまらない歌になりますね。(鹿取)
★この牡牛は作者ですよね。(A・K)
★そうですね、驢馬が作者だと通俗的になりますが、ここの牡牛は作者でもいいか
な。うちに火を秘めて刀水の縁に立っている。その火の強靱さが「刀」ととって
もよく釣り合っている。第1歌集の『寒気氾濫』には利根川と萩原朔太郎を組み
合わせた歌もありますから、この牡牛、朔太郎と読んでもいいかなとも思います。
朔太郎は『月に吠える』のような口語のモダンなな詩も作っていますが、文語の
格調高い古風でヒロイックな詩も作っています。そういう詩に「大渡橋」など利
根川を詠った詩編が何編かあります。松男さんもそういう詩が好きみたいです。
ですから、この「火の牡牛」は熱い詩魂を内に秘めた作者でもあり、朔太郎でも
あると思います。この一連、ハムスターから始まって象が出てきて亀が出てきて、
驢が出て最後がかっこいい牡牛。並べ方にも細心の注意が払われているのでしょ
うね。(鹿取)
(後日意見)
鹿取の当日発言中の朔太郎を詠ったうたは次のもの。
鷹の目の朔太郎行く利根川の彼岸の桜此岸の桜 『寒気氾濫』
この歌、此岸にあって桜を見ているのは作者なのだろう。渡辺松男は萩原朔太郎がとても気に掛かる存在のようで、アンビバレントな感情をいだいているようだ。以前「アンチ朔太郎」という渡辺松男論を「かりん」に発表したことがあるが、松男さんから「アンチというほど嫌いではないです」というお返事をいただいた。その時、朔太郎のどんな詩がすきか、当日発言で言ったようなことを聞いたのだった。(鹿取)
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