見てきました。
リドリー・スコット監督の作品であり、シド・ミードの空間デザインなど混とんとした世界(設定はロサンゼルス)とレプリカントという人造人間の反乱という物語は、35年前としては実に斬新な映像でした。
ヴァン・ゲリスの音楽も実にはまっていました。
デッカード役のハリソン・フォードのリアルな演技やレイチェル役のショーン・ヤングの美しさにも惹かれたものです。
シド・ミードはPerfumeのCling clingのMVでアジアの場末の雰囲気を作り出した種田陽平のような存在かな、と思います。
この映画を知らない人のためにちょっとだけ書いておくと、レプリカントというのは人造人間で、その能力以外、外見を含めてほぼ人間と変わりがない存在である。
血も流すしけがもする。 ただ地球外の開拓のために作られただけあって、体力的には人間を凌駕する。
今でいえば、大人の状態で生まれてくるクローンといったところで、記憶を持たされている場合は架空の幼児体験であって本物ではない。
また、長期間生きていると感情をもってしまって、労働に支障が出ると4年の寿命しか持たされていない。
前作では、そのことに疑問を抱いたネクサス6型が、自分たちの寿命の延長を求めて反乱し、製造元のタイレル社を襲うという設定でありました。
そのレプリカントを解任(殺害)する役割がデッカードたちブレードランナーなのです。
そのデッカードが、レプリカントのレイチェルと恋に落ちて、最後に逃避行します。
レイチェルもネクサス6のはずなのに、寿命の制限から外れているとか、デッカードもレプリカントなのだとか様々な情報が、謎として残っていました。
今回の「2049」ではレプリカントのバージョンは8+になっていて、どうやら寿命の制限はなくなっているようです。
ただ、生殖能力はないので、次のバージョンで可能にするための研究をしている、ということのようです。
そこで、なんとレイチェルがデッカードとの間に子供をもうけたらしいという証拠が見つかって...
という展開です。
前回と同様に荒廃した世界観ですが、前回ほどのおどろおどろしさは若干希薄でした。
さて、驚くのは最近のCGの進歩ですが、スターウォーズやさらにそのスピンオフのローグ・ワンで出てきたレイア姫など、作り物とはとても思えないほどの存在感が、今回の2049でもありました。
35年前のショーン・ヤングの登場です。
まさに本物と見まごうほどの...ですが、いや、ちょっと違う。 そっくりだけど、ほんのちょっとだけ違和感が...
最初はメイクで似せているのかな、と思うほど動きは全く自然でした。
最後のクレジットでレイチェル役..というのを目を凝らして探してみましたが、見つかりませんでした。
あとでネットで探すと、やっぱりCGなのだそうです。