ダニー・ボイルという監督の作品ですが、僕はあまりこの人の作品は見たことがない。
記憶の中の真相を引き出すという内容で、それに伴った意外な事実が出てくる物語。
SFチックに記憶の中に入り込む、というのであれば、ターセムというインド人監督の「ザ・セル」という映画があった。
猟奇的殺人を繰り返した犯人の記憶の中に入り込み、最後の被害者を救い出すという内容だが、その映像美とともに狂った夢のような世界が展開する場面に、奇妙にも引き込まれる自分を発見するという経験をしたことを覚えている。
同じように、「羊たちの沈黙」という映画でも、レクター教授のおぞましい殺人のシーンも、妙に美しく感じるような映像の魔術があった。
今回の映画は両方のエッセンスを「催眠療法」という、あきれるほど普通の手法で、記憶を引き出すことで、意外な事実をさらけ出し、かつ巧妙な過去の清算を行うというもの。
とはいえ、映像美の部分は少ない、おぞましさはあるが...
複数の記憶の交差から、何が本当で何が嘘なのか、また、何が事実で何が虚構なのかを絡めているので、最後まで疑心暗鬼を掻き立たせる。
音楽も効果的に使われており、なかなかの佳作だなと思われる。
ちなみに、記憶が断片化して、複雑な展開をするということでは、「メメント」という記憶が10分しか持たないという主人公を扱って時系列がぐちゃぐちゃになる映画がある。
これもなかなかの佳作なので、頭の混乱を味わいたいならお勧めしたい、と思っている。
映画ポイントもたまったので、次は無料で見られる。
来月には「SPEC」の解決篇が二部あるので、その時に使おう。
ところで、雨の音が強い。
10年ぶりに強いといわれている台風26号が、今夜から明日午前まで関東最接近だ。
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