国史跡・伊茶仁カリカリウス遺跡。標津(しべつ)町伊茶仁(いちゃに)。
2022年6月15日(水)。
伊茶仁カリカリウス遺跡は崖上の台地にある。
伊茶仁カリカリウス遺跡。調査した地区の竪穴住居跡の一部を復元および木枠による表示により整備公開している。4号・6号住居跡を復元している。
擦文文化の竪穴は隅丸方形で、南東側の壁にカマドを設置し、中央部に地床炉をもつのが基本である。大きさは一辺が4〜10m位である。これに対して、オホーツク文化の竪穴は五角形ないし六角形で、コの字形の粘土貼り床をもち、石組み炉を有するのが基本である。大きさは長軸が10〜15mに及ぶ大型のものである。これらに対して、トビニタイ文化の竪穴は擦文文化の隅丸方形を踏襲し、オホーツク文化の石組み炉をもち、カマドや粘土貼り床は用いられないのが基本となっている。両者の融合がここに見られるのである。
タブ山チャシ跡。標津町字茶志骨。
カリカリウス遺跡の内部には1基のチャシの存在が確認されており、集落もチャシの関係を解明する上でも重要な遺跡である。チャシ・コツは砦址のこと。この付近に竪穴が多い。
タブ山チャシ跡は、根室海峡を望む崖際にU字状の壕が4基連なる多郭連結型のチャシ跡。1基あたりの規模は幅約40m、奥行約35mある。
遺跡の奥には車道がある。
帰路に着く。木道の周囲には水が多い。
見学後は、小清水町の小清水原生花園へ向かった。