欠陥建築バスターズ

土地・建物の調査研究が専門。日本の地震や災害に備えた建築や、不動産市場や世界経済の未来鳥瞰について述べています。

ビニールクロスは、なぜ剥がれてくるのか?

2020年07月03日 09時52分19秒 | 皆様からのご質問にお答えします

壁のクロスは、いつの間にか、剥がれてきます。

そして剥がれた箇所を、接着剤で何回補修しても、また剥がれてしまいます。

 

実は、壁のクロスの寿命というのは、クロスの種類によって異なりますが、おおよそ3年から5年ほどです。

 

その寿命を超えたクロスは、自然と剥がれてきます。

 

では、どうして壁のクロスは、剥がれてくるのでしょうか?

 

その原因は、クロスの収縮です。

 

しかも、その収縮の原因は、2つあります。

 

1つ目、クロスを工場で作る時に、クロスの内部にたまっていた『内部応力』が、クロスの劣化とともに、解放されて生じる収縮があります。

 

クロスというのは、最初、ブロック状のプラスティックの塊だったものを加熱しながら、金属製のローラーで薄くのばしていきます。

 

この時、プラスティックが縮もうとする力が働くのですが、クロス状に薄くのばされたプラスティックは、冷えると、縮むことができなくなって、クロス内部に、縮もうとする力を内に秘めたまま製品になってしまいます。

 

この『内部応力』は、クロスが壁に貼られ、数年して、クロスのプラスティックが劣化してくると、クロス自体が柔らかさを失い、次第に、クロスが縮む現象を引き起こします。

 

そして、2つ目のクロスの収縮の原因ですが、『気温変化による熱収縮』です。

 

クロスが新しい間は、気温が低くなっても、まだクロスのプラスティックが柔らかいので、クロスの縮もうとする力に対して、柔軟性があります。

 

ところが、クロスが劣化してくると、クロスが固くなるので、壁のクロス面全体が、収縮する動きを見せ、壁の隅の部分から、クロスがはがれてしまうのです。

 

「クロスが壁から剥がれてくるということは、クロスのプラスティックが劣化しているということです。」

 

「壁の隅のクロスが、剥がれてきたら、クロスを貼り替えましょう!」

 

 


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