欠陥建築バスターズ

土地・建物の調査研究が専門。日本の地震や災害に備えた建築や、不動産市場や世界経済の未来鳥瞰について述べています。

住宅の断熱材に、『発泡ウレタン断熱材』を使用しなくなった

2024年04月17日 15時34分14秒 | いい加減な施工業者

2024年4月現在、一戸建ての新築住宅の建築は、減っています。

 

工務店や不動産販売会社というのは、経営が傾いた状況で、とりあえず銀行からお金を借りて、新築住宅建て、会社の延命措置を取るものです。

 

その新築住宅が売れたらいいですが、金利が上がってきた現在は、住宅の購買意欲なんて、とっくに薄れてきました。

 

新築物件が、いつまで経っても売れず、そのまま1年が経過し、中古物件として売られている家も、多く見るようになりました。

 

 

先日も、技術と知識のない大工が、資材費をけちって、ペラペラな危険な家を建てている記事を書きました。

読者さんから、多くの反響を頂きました。

 

我々、建築の専門家から見た実態です。

「震度7クラスの地震が起きたら、やばい家だな」

そんな家が、いっぱいあります。

 

大工が建てたマイホームなんて、危なくて、怖くて、とても住めません。

 

 

企業というのは、儲けるためなら、何だってやります。

 

だから、危険な家を建てておいて、購入者の住人たちが、のちに、地震や災害で、家屋の下敷きになって死んだとしても、知ったこっちゃない、構うもんですか。

 

以前ですが、マイホームの建築に、断熱材として、発泡ウレタンがよく使われていました。

 

アホな職人でもできるほど施工が簡単で、費用も安いから、よく使われていました。

 

ところが、施工後、クロスにシミや黄ばみが出来て、トラブルの多いことが問題でした。

 

住人たちにとっては、黄ばんでいるクロスが、とても気持ち悪いのです。

 

壁の奥で、何が起きているのか?

 

体に悪いんじゃないか?

 

など、住人たちは、不安になるのです。

 

施工業者に言っても、施工業者は原因がわからずです。

そこで施工業者は、クロスのメーカーと、断熱材の発泡ウレタンのメーカーに問い合わせをします。

 

どの企業も、見事に、『うちは関係ありません。』と逃げて責任を負いません。

 

困り果てた施工業者が、何度もクロスを張り替える対処を迫られています。

 

 

断熱材の発泡ウレタンは、自然の物ではなく、化学物質でできています。

 

様々な要素が絡んで、化学変化を起こし、ガスが発生し、壁のクロスが変色します。

 

ただ、発泡ウレタン断熱材そのものが悪いというわけではありません。

 

発泡ウレタン断熱材に含まれる、添加剤、触媒などが化学反応を起こしているということです。

 

 

 

発泡ウレタン断熱材は、冷蔵庫の断熱材としては、大変適しています。

冷蔵庫の壁は、外気に触れない箇所であり、密閉されていますから。

 

しかし、住宅は木造であり、材木の隙間からは、通気もあります。

外壁と内壁の間にある、発泡ウレタン断熱材には、空気が触れますし、湿気も溜まります。

 

もし住宅の壁や天井が密閉されていたら、住人が、窒息してしまいますね。

 

冷蔵庫と住宅は、全然違う物です。

 

元々、冷蔵庫や倉庫の断熱材として使われてきた発泡ウレタン断熱材です。

(他に、自動車の座席や椅子のクッション部分などにも使用されています。)

 

ところが、発泡ウレタン断熱材は、通気・湿気がある住宅の壁の中で、大量に天井や床下などに使用するには、大変無理があります。

 

 

発泡ウレタン断熱材メーカーは、住宅の断熱材として使うことで、会社の売上を伸ばしたかったでしょうが、住宅に使うには問題が多く、結局は使えない代物でした。

 

国の対策である、『気密性を高めて、冷暖房の効きを良くするための現代住宅』として、発泡ウレタン断熱材を、断熱材の主流としたかったでしょうが、住宅には向いてませんでした。

 

あまりにも発泡ウレタン断熱材は、トラブルだらけだったので、結局は、他の断熱材に切り替える施工業者が多くなり、今では、発泡ウレタン断熱材は、住宅の断熱材としては使われてません。

 

発泡ウレタン断熱材以外の断熱材、例えば、セルロースファイバーや、ボード系断熱材を使うことが主流となっています。

 

施工業者によると、

「発泡ウレタン断熱材を使うと、クロスに黄ばみやシミができ、施主からクロスを張り替えろと言われ、結果的には、施工業者にとっては高くつく断熱材だ」

ということです。

 

 

全ての施工業者が、クロスを張り替えてくれる訳ではありません。

クロスを張り替えるのは、高くつきますから、施工業者はなかなかやりません。

何度張り替えても、シミや黄ばみが出ますから、何度も張り替えることになります。

やる気のない施工業者なら、クロスの張り替えはしないでしょう。

 

真面目に、クロスを張り替えている施工業者だけが、大損です。

 

 

もっとも、原因である発泡ウレタン断熱材のメーカーは、悪態ついて、責任逃れしますから、困るのは、施主と施工業者になるのです。

 

発泡ウレタン断熱材メーカーは、このように言います。

『ちゃんと動物実験もしました。』

『マウスを、発泡ウレタン断熱材で仕切られた中に入れて、経過を見ました。』

『結果、1ヶ月経過しても、マウスに体重減少はありませんでした。』

 

マウスの体重が減らなかったから、“マウスは健康である”と主張しています。

こんな実験、誰が信用しますかね?

もうちょっと、マシな実験ないのですか?

 

発泡ウレタン断熱材メーカーは、一応、上場企業です。

大手メーカーですね。

でも、このレベルです。

 

 

だったら、発泡ウレタン断熱材を使わなければいい!

 

ということで、発泡ウレタン断熱材の施工は激減しました。

 

『発泡ウレタン断熱材を使わない、他の断熱材にしたら、クロスにシミや黄ばみは出なくなった』

という施工業者の声、多く聞きます。

 

ところが、まだ発泡ウレタン断熱材を使って施工している施工業者、いるんです。

ここまで来ると、

『問題多い発泡ウレタン断熱材を使った施工業者が悪い』

ということで、施主から訴えられている施工業者も多くあります。

 

施工業者は、建築の専門家として、良い資材を選び、消費者に良い家を提供して下さい。

 

 

自民党の政治家のように、責任を負わない企業、日本には多いです。

政治家や企業は、金儲けできるなら、国民が死んだって平気なんです。

 

政治家や企業を信用すると、バカを見ますよ。

 

新NISAなどで、このような悪質な企業に投資することは、何とアホなことでしょう。

 

ヒトの会社なんかに投資した分の資産は目減りし、あるいは、企業倒産で株はぱぁーになり、老後、資産を失う貧乏生活、断末魔を味わうことになるでしょう。

 

この世に、おいしい話ほど危険なものはない、大事なお金は失わないように。

 

 

 

 

 


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