欠陥建築バスターズ

土地・建物の調査研究が専門。日本の地震や災害に備えた建築や、不動産市場や世界経済の未来鳥瞰について述べています。

貧しさが引き起こす悪行 〜ホームセンターの客に見る日本経済~

2022年08月26日 17時06分07秒 | 経済

先日のブログで書きましたが、街中にあるホームセンターで働く知人の話です。

 

今年6月になって、急に売上が落ちたそうです。

お客さんの数も減りました。

 

買い物して行くお客さんよりも、ホームセンターの広い店内をうろつくだけの、何も商品を買わないお客さんがほとんどだそうです。

 

店内はクーラーが効いています。

家にいてクーラーを使うよりも、ホームセンターに行って「涼もう!」という人ばかりだそうです。

 

さらには、家のトイレを使う水道代が嵩むからと、わざわざホームセンターのトイレまでやって来て、買い物は一切しないで、トイレだけして帰るお客さんも多いそうです。

 

そのため、ホームセンターのトイレは、いつも並んでいて、トイレはフル回転で稼働しているそうです。

 

頻繁に詰まって故障したり、高齢の方がトイレの床を汚すので、床は尿でびしょびしょな不衛生な状態だそうです。

 

掃除しても掃除しても、すぐ汚されるので、掃除担当者が長続きせず、すぐ辞めていく状態とのことです。

 

店内には、万引きも多く、商品に付けた万引き防止のタグが、「ビー」と鳴ることも多いそうです。

 

万引き防止のタグを外そうとすると鳴る装置です。

店内でよく鳴るので、店員が駆けつけると、お客さんが「勝手に鳴った」と言うそうです。

 

こういうことが、一日何度も何度もあるそうです。

 

さらに、商品の返品の多さです。

 

返品というのは、

『商品に欠陥や不具合があった』

『商品が未開封で、未使用なものが返品できる』

という認識を持つ方が、多いと思います。

 

ところが、このホームセンターで返品する人は、ぶっ飛んだ返品をするそうです。

 

1、コンクリートブロックの返品と返金

早朝、コンクリートブロックを90個購入していった職人のお客さんが、その日の夕方、コンクリートブロックを10個ほど返品·返金に来ました。

日中に工事に使ったコンクリートブロックが、10個余ったから返す、その分お金返してと言うそうです。

店側は困りましたが、お客様ですので、仕方なく返品と返金に応じました。

 

しかし、返品されたコンクリートブロックは、みんな欠けていて、もう売り物にならないものでした。

 

2、いちごの返金

 

ホームセンターの別館に生活用品を売っていて、スーパーのような、食品売り場もあります。

 

果物のいちごを購入したお客さんが、「いちごが腐っていたから返金して」と言ってきました。

 

そのお客さんは、いちごが入っていたケースだけ持って来て、いちごはありませんでした。

 

店員が「いちごはどうしたのですか?」とお客さんに尋ねると、お客さんは「食べた」と言いました。

 

空のケースだけ持ってきて、返金しろというこのお客さんに、店員は困りました。

が、返金したそうです。

 

 

3、水栓の器具の返品と返金

自分の家の水道に水漏れがあると、水栓交換のため、水栓を購入したお客さんがいました。

 

翌日、お客さんは店にやって来て「うちの家の水栓と合わなくて、使えない」と、「水栓は返すからお金返して」言いました。

 

その水栓は、商品ケースが開封され、水栓の金属部分は傷だらけ、水に濡れてビチョビチョの水栓になってしまっていました。

もう売り物にはなりません。

 

でも店は、しぶしぶ返品と返金に応じました。

 

 

4、フライパンの返品と返金

 

1800円ほどのフライパンを購入したお客さんがいました。

数日して、このお客さんがフライパンの返品と返金のため、ホームセンターにやって来ました。

 

返品理由は、「使ってみたら、自分が理想とした使い心地のフライパンでなかったから」と言いました。

そのフライパンは、使用済みでしたので、油で汚れていました。

 

 

5、材木のカット後、キャンセル

 

資材館では、合板や角材、チェーン、芝、クッションマットなど、店でカットするサービスをしています。

 

お客さんが「この4mの角材を5本、半分の2mのサイズに切ってほしい」と言うので、担当者が角材を全てカットしました。

 

すると、このお客さんは言いました。

「あ、やっぱり(この角材)いらんわ。キャンセルしといて。」

 

最近のお客さんは、平気で、『キャンセル』と言うそうです。

 

他にも、金属製のチェーンも、お客さんが切ってくれと言うので、店員が切って渡したら、お客さんはそのチェーンをレジまで持って行き、支払う直前になって「やっぱり、このチェーン、いらない。」と言って、買わずに帰って行くそうです。

 

 

6、商品を交換しろと言い、新しい商品を渡すが、前の商品を返品しない

 

自分でDIYをしているというお客さんが、合板をカットしてほしいと言ってきました。

 

そのカットがまた細かくて、縦横ミリ単位で注文してきました。

 

店員がカット後、お客さんの目の前で巻尺を当てて、サイズの確認をした上で、商品を渡しました。

お客さんはレジに行き購入して行きました。

 

それから1時間後ほどして、店にそのお客さんから苦情の電話がありました。

 

「カットした合板が、1センチ違うから、合わない」

「すぐに合板を切り直して、家まで持って来い」

と怒ってお客さんが言いました。

 

カットを担当した店員は、

「お客さんの指示通りのサイズに切って、その場でお客さんは了承したので、合板を買って帰りましたけど。」

と言います。

 

困った店側でしたが、新しく合板を切り直して、そのお客さんの家まで持って行きました。

 

玄関先に出てきたお客さんは、店員が持って来た合板を受け取りました。

 

そして、玄関ドアを閉めようとしたので、慌てて店員が、

「あの、サイズが違うという合板は、返品して下さい。」

「今、お渡しした合板と、交換ですので。」

と言いました。

 

すると、お客さんは、

「それはもう捨てた。」

「もうない。」

と言って、玄関ドアをバーンと閉めてしまいました。

 

店員は、再度、何度か声をかけても、家の中にいるお客さんは応答することはなかったそうです。

 

 

事例は以上です。

 

他にも多々ありますが、ご紹介はこの辺で。

 

 

 

不景気になると、たちの悪い客がどっと増えるみたいです。

 

もちろん、常識あるマナーの良いお客さんもいることはいます。

 

しかしわずかな金額をケチり、文句を言い、店員に無礼な態度を取るお客さんが増えました。

 

収入が減り、お金に苦労し始めた消費者のイライラや不安の怒りの矛先が、店の商品になったり、店員に当たり散らす行動になっています。

 

 

先日も、あるお客さんが「財布を落とした。」と店員に言いました。

すぐに店側が、財布を探しましたが、見つかりませんでした。

 

「財布は見当たらない、見つからない」と、お客さんに言うと、そのお客さんは、キレて、大声で怒鳴り、商品を蹴ったり、商品棚を倒したり、それはもう大暴れとなったそうです。

 

さらにお客さんはその後、外に出て、駐車場の横にある公衆電話も壊して帰って行きました。

 

そのホームセンターによると、こんなお客さんが本当に増えて増えて困っているとのことです。

 

 

収入減と物価高など生活苦が、国民の精神をおかしくしているのでしょうか?

 

 

この春、数カ月前までは、こんなひどいお客さんは、ほぼいなかったそうです。

 

お金は人を狂わせる、とよく言いますが、お金はありすぎても良くないですし、お金がなさすぎるのも良くないです。

 

文豪ドフトエフスキーの『罪と罰』という作品がありますが、貧しさゆえに犯した罪、それは果たして、誰が悪いのか。

いつの世も、人々には貧困に苦しむということがつきまといます。

 

 

今の日本、不景気で物価高とは、最悪です。

 

 

コロナの感染拡大が止まらない、いまだ利上げできない日銀、労働者から多額の税金(社会保険料)を徴収する日本政府、これでは、国民は、貧しくなる一方です。

 

 

すでにホームセンターで、国民の貧しさが露呈しています。

 

このホームセンターも売上が激減しているそうなので、この先、このホームセンターもいつまで持つか、存続も危ぶまれる状況だそうです。

 

ある政党の政治家たちが、宗教団体と関わって私腹を肥やしている時、国民は、この先の将来に不安を感じながら、貧しさのなか生きていくのです。

 

今はまだ夏ですが、秋になって消費が戻り、V時回復なんて到底ありえませんので、数カ月後の冬になると、倒産が増え、日本経済はどんどん下降していくのではと思われます。

 

もう八方塞がりな状況なのかもしれません。

 

 


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