先日のブログで書きましたが、街中にあるホームセンターで働く知人の話です。
今年6月になって、急に売上が落ちたそうです。
お客さんの数も減りました。
買い物して行くお客さんよりも、ホームセンターの広い店内をうろつくだけの、何も商品を買わないお客さんがほとんどだそうです。
店内はクーラーが効いています。
家にいてクーラーを使うよりも、ホームセンターに行って「涼もう!」という人ばかりだそうです。
さらには、家のトイレを使う水道代が嵩むからと、わざわざホームセンターのトイレまでやって来て、買い物は一切しないで、トイレだけして帰るお客さんも多いそうです。
そのため、ホームセンターのトイレは、いつも並んでいて、トイレはフル回転で稼働しているそうです。
頻繁に詰まって故障したり、高齢の方がトイレの床を汚すので、床は尿でびしょびしょな不衛生な状態だそうです。
掃除しても掃除しても、すぐ汚されるので、掃除担当者が長続きせず、すぐ辞めていく状態とのことです。
店内には、万引きも多く、商品に付けた万引き防止のタグが、「ビー」と鳴ることも多いそうです。
万引き防止のタグを外そうとすると鳴る装置です。
店内でよく鳴るので、店員が駆けつけると、お客さんが「勝手に鳴った」と言うそうです。
こういうことが、一日何度も何度もあるそうです。
さらに、商品の返品の多さです。
返品というのは、
『商品に欠陥や不具合があった』
『商品が未開封で、未使用なものが返品できる』
という認識を持つ方が、多いと思います。
ところが、このホームセンターで返品する人は、ぶっ飛んだ返品をするそうです。
1、コンクリートブロックの返品と返金
早朝、コンクリートブロックを90個購入していった職人のお客さんが、その日の夕方、コンクリートブロックを10個ほど返品·返金に来ました。
日中に工事に使ったコンクリートブロックが、10個余ったから返す、その分お金返してと言うそうです。
店側は困りましたが、お客様ですので、仕方なく返品と返金に応じました。
しかし、返品されたコンクリートブロックは、みんな欠けていて、もう売り物にならないものでした。
2、いちごの返金
ホームセンターの別館に生活用品を売っていて、スーパーのような、食品売り場もあります。
果物のいちごを購入したお客さんが、「いちごが腐っていたから返金して」と言ってきました。
そのお客さんは、いちごが入っていたケースだけ持って来て、いちごはありませんでした。
店員が「いちごはどうしたのですか?」とお客さんに尋ねると、お客さんは「食べた」と言いました。
空のケースだけ持ってきて、返金しろというこのお客さんに、店員は困りました。
が、返金したそうです。
3、水栓の器具の返品と返金
自分の家の水道に水漏れがあると、水栓交換のため、水栓を購入したお客さんがいました。
翌日、お客さんは店にやって来て「うちの家の水栓と合わなくて、使えない」と、「水栓は返すからお金返して」言いました。
その水栓は、商品ケースが開封され、水栓の金属部分は傷だらけ、水に濡れてビチョビチョの水栓になってしまっていました。
もう売り物にはなりません。
でも店は、しぶしぶ返品と返金に応じました。
4、フライパンの返品と返金
1800円ほどのフライパンを購入したお客さんがいました。
数日して、このお客さんがフライパンの返品と返金のため、ホームセンターにやって来ました。
返品理由は、「使ってみたら、自分が理想とした使い心地のフライパンでなかったから」と言いました。
そのフライパンは、使用済みでしたので、油で汚れていました。
5、材木のカット後、キャンセル
資材館では、合板や角材、チェーン、芝、クッションマットなど、店でカットするサービスをしています。
お客さんが「この4mの角材を5本、半分の2mのサイズに切ってほしい」と言うので、担当者が角材を全てカットしました。
すると、このお客さんは言いました。
「あ、やっぱり(この角材)いらんわ。キャンセルしといて。」
最近のお客さんは、平気で、『キャンセル』と言うそうです。
他にも、金属製のチェーンも、お客さんが切ってくれと言うので、店員が切って渡したら、お客さんはそのチェーンをレジまで持って行き、支払う直前になって「やっぱり、このチェーン、いらない。」と言って、買わずに帰って行くそうです。
6、商品を交換しろと言い、新しい商品を渡すが、前の商品を返品しない
自分でDIYをしているというお客さんが、合板をカットしてほしいと言ってきました。
そのカットがまた細かくて、縦横ミリ単位で注文してきました。
店員がカット後、お客さんの目の前で巻尺を当てて、サイズの確認をした上で、商品を渡しました。
お客さんはレジに行き購入して行きました。
それから1時間後ほどして、店にそのお客さんから苦情の電話がありました。
「カットした合板が、1センチ違うから、合わない」
「すぐに合板を切り直して、家まで持って来い」
と怒ってお客さんが言いました。
カットを担当した店員は、
「お客さんの指示通りのサイズに切って、その場でお客さんは了承したので、合板を買って帰りましたけど。」
と言います。
困った店側でしたが、新しく合板を切り直して、そのお客さんの家まで持って行きました。
玄関先に出てきたお客さんは、店員が持って来た合板を受け取りました。
そして、玄関ドアを閉めようとしたので、慌てて店員が、
「あの、サイズが違うという合板は、返品して下さい。」
「今、お渡しした合板と、交換ですので。」
と言いました。
すると、お客さんは、
「それはもう捨てた。」
「もうない。」
と言って、玄関ドアをバーンと閉めてしまいました。
店員は、再度、何度か声をかけても、家の中にいるお客さんは応答することはなかったそうです。
事例は以上です。
他にも多々ありますが、ご紹介はこの辺で。
不景気になると、たちの悪い客がどっと増えるみたいです。
もちろん、常識あるマナーの良いお客さんもいることはいます。
しかしわずかな金額をケチり、文句を言い、店員に無礼な態度を取るお客さんが増えました。
収入が減り、お金に苦労し始めた消費者のイライラや不安の怒りの矛先が、店の商品になったり、店員に当たり散らす行動になっています。
先日も、あるお客さんが「財布を落とした。」と店員に言いました。
すぐに店側が、財布を探しましたが、見つかりませんでした。
「財布は見当たらない、見つからない」と、お客さんに言うと、そのお客さんは、キレて、大声で怒鳴り、商品を蹴ったり、商品棚を倒したり、それはもう大暴れとなったそうです。
さらにお客さんはその後、外に出て、駐車場の横にある公衆電話も壊して帰って行きました。
そのホームセンターによると、こんなお客さんが本当に増えて増えて困っているとのことです。
収入減と物価高など生活苦が、国民の精神をおかしくしているのでしょうか?
この春、数カ月前までは、こんなひどいお客さんは、ほぼいなかったそうです。
お金は人を狂わせる、とよく言いますが、お金はありすぎても良くないですし、お金がなさすぎるのも良くないです。
文豪ドフトエフスキーの『罪と罰』という作品がありますが、貧しさゆえに犯した罪、それは果たして、誰が悪いのか。
いつの世も、人々には貧困に苦しむということがつきまといます。
今の日本、不景気で物価高とは、最悪です。
コロナの感染拡大が止まらない、いまだ利上げできない日銀、労働者から多額の税金(社会保険料)を徴収する日本政府、これでは、国民は、貧しくなる一方です。
すでにホームセンターで、国民の貧しさが露呈しています。
このホームセンターも売上が激減しているそうなので、この先、このホームセンターもいつまで持つか、存続も危ぶまれる状況だそうです。
ある政党の政治家たちが、宗教団体と関わって私腹を肥やしている時、国民は、この先の将来に不安を感じながら、貧しさのなか生きていくのです。
今はまだ夏ですが、秋になって消費が戻り、V時回復なんて到底ありえませんので、数カ月後の冬になると、倒産が増え、日本経済はどんどん下降していくのではと思われます。
もう八方塞がりな状況なのかもしれません。