欠陥建築バスターズ

土地・建物の調査研究が専門。日本の地震や災害に備えた建築や、不動産市場や世界経済の未来鳥瞰について述べています。

瓦屋根の家とプレハブはどっちが暑い?

2022年07月26日 16時51分28秒 | 建築のうんちく

ここ近年の日本の夏は、35℃なんて当たり前。

今年の6月には、北関東などで40℃を超える暑い日もありました。

 

日本の暑さは、東南アジアの暑さも超えてしまうのかと、恐ろしい気持ちになりましたね。

 

日本の家屋は、昭和の時代から瓦屋根の家が主流でした。

 

今も、地方に行くと、のどかな緑多き田畑の間に、ポツポツと家があれば、それらが瓦屋根の家であることが多いです。

 

知人に瓦葺き職人がいます。

夏に瓦屋根に上がって仕事をする時は、暑くて大変だそうです。

 

夏の屋根の上は、50℃を超える灼熱地獄だとか。

 

空冷の上着(上着の内側にファンがあって、風で体を冷やす作用の作業着)を来て、何とか仕事しているとのことです。

 

そんな50℃を超える暑さの瓦は、保温性があり、冷えにくいんです。

 

瓦屋根の家にお住まいの方なら、よくご存知でしょう。

 

夏、家の2階の部屋、めちゃめちゃ暑い!

 

夕方以降、日が暮れて、外は涼しくなっても、2階の部屋、まだまだ暑い。

 

瓦の保温性が良いので、瓦に近い2階の部屋、なかなか冷めません。

 

 

山口県の名物に、『瓦そば』というのがあります。

 

熱々に熱した瓦の上に、茶蕎麦をのせて食べる料理です。

 

熱々の瓦が目の前に置かれると、まぁ暑い!

 

瓦は保温性が良いので、お蕎麦が温かいまま食べれるのです。

 

各家庭では、瓦は使わず、ホットプレートで作ります。

 

やはり、ホットプレートよりも、瓦の方が熱々で、美味しいと感じます。

 

いわゆる瓦の遠赤外線効果ですね。

 

 

瓦が夏の強力な日光から守ってくれるというより、暑い日差しとともに、瓦はどんどん暑くなり熱していき、しかも保温が良いのでは、夏は暑くてたまりません。

 

そもそも瓦は、台風の時に、重みで飛ばないからという理由で、多くの日本家屋に用いられてきました。

 

台風の多い沖縄も、瓦屋根の家、多いですね。

 

しかし台風の強力化すると、瓦も飛んで行ってしまいます。

 

 

そして、冬は、瓦屋根の家、冬の弱い日光では、瓦は十分に温まりませんので、普通に寒い家です。

 

都会や街では、瓦屋根の家、減ってきましたね。

 

 

一方、プレハブも夏は暑い建物として有名です。

 

造りが薄くてペラペラで、温度の伝わりが良いです。

 

ところが、ポイントは、『屋根』なんです。

 

プレハブの屋根をしっかりと断熱するのです。

 

太陽の光と熱は、上から降り注ぎます。

 

太陽の熱、建物の中では、屋根が一番影響を受けます。

 

では、“屋根を何とかする” 対策と表しましょうか。

 

 

以前、プレハブを何回か所有したことがあるんです。

 

確かに、夏は「あっつい!」

 

しかし、台風の強風対策にと、プレハブの屋根を補強したら、屋根が厚くなったのですが、その補強材が断熱になり、そんなに暑くなくなったのです。

 

涼しいわけではないですよ。

とんでもなく暑い状況からは、解放されたというレベルでした。

 

対角線上に窓をあけたら、風が入り、クーラーなしでも、耐えれそうでした。

 

 

ここで、『屋根』というのが、重要なんですね。

 

 

日傘差して歩くと、涼しいですもんね。

 

夏の暑さ対策は、屋根次第と言えると思います。

 

 

まあでも、猛暑になると、どこにいても、暑いのは暑い。

 

 

まだまだ暑い夏は続きます。

体にご自愛されて下さい。

 


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