ロボ技術、原発事故に有効 米アイロボット社に聞く(産経新聞) - goo ニュース
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2011年4月16日(土)08:00
高い放射線量に阻まれ作業が難航する福島第1原発事故で、人力での作業が及ばない局面を打開するためのロボットの活用に期待が集まっている。ロボット技術は、現在の人海戦術から抜け出すための有効な一手となるのか。内外から協力の申し出が相次いでいる中、すでに福島の現場に4台のロボットを送った米アイロボット社に聞いた。
アイロボット社は、マサチューセッツ工科大(MIT)の研究者らによって1990年に設立された。兵士の近寄れない場所での探索や危険除去作業を行う軍事用ロボットをイラクやアフガニスタンの戦場に多数送り込む一方、民生分野でも家庭用掃除機ロボットなどの製品を持つ。
福島の現場にはすでに、危険物センサーを備え、斜面やがれきを乗り越えて狭い空間にも入っていける「パックボット」2台と、より大きく100キロ近い物体でも持ち上げる能力を持つ「ウォリア710」2台が送られた。
「緊急事態なので日本政府の要請を待たず、自発的に送った。すでに放射線探知などに使用されていると認識している」と、技術担当役員のティム・トレーナー氏は話す。
原発事故に立ち向かう日本の作業員の英雄的な献身に称賛が集まる半面、
「ロボット大国」だったはずの日本で繰り広げられる人海戦術は国内のみならず、世界中で不安と失望を招いてもいる。
英紙フィナンシャル・タイムズは「放射線との戦いで、ロボットは不在のまま」と題する記事の中で、「
東電は原発の安全神話に固執するあまり、ロボット開発は安全への不安を招くだけだとして否定していた」と指摘した。
トレーナー氏は「日本のロボット技術が遅れているわけではない」としつつ、「きわめてまれにしか起こらないような事故に対する技術開発はビジネスとして成り立ちにくい」と、ロボット業界の目から今回、ロボット技術が“苦戦”する理由を分析する。
一方で、アイロボット社は軍事開発の蓄積を通じ、今回の災害にも適応した技術を提供できる、と同氏はいう。
「ロボットがすべてを解決してくれるという幻想は間違いだが、人が入り込めるわずかな場所を探知できれば、作業進展の突破口になることもあり得るだろう」
トレーナー氏は、今後廃炉までの長い道のりの中で、要請があればあらゆる支援を惜しまないと強調した。(米マサチューセッツ州ベッドフォード 松尾理也)
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東京電力によると、海外から提供を受けたロボットは福島県いわき市の資機材集積所に到着。「工程に応じて必要なものを使用」しており、すべてがいつ活用できるかは「未定」という。
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ロボット使わない理由が、安全神話起因ってのは、結構斬新な見方かな?などとは思ったものの、本当だったら少々情けなさを誘う話だ。
一応、工程に必要なものを使用って、東電の談話が申し訳程度に掲載されてる訳だけど、それはそれで認めてみた矢先...
中国軍のロボット提供断る=福島原発事故で日本政府 - 香港紙
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(2011/04/16-14:03 時事.com)
【香港時事】香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストは16日、中国軍が福島第1原発事故に関連して、原子力関係の事故に対応するロボットの提供を日本政府に申し出たが、断られたと伝えた。このロボットを開発したプロジェクトの責任者を務める東南大学(江蘇省南京市)の専門家が明らかにした。
中国側は福島第1原発事故の発生後、ロボットを操作する南京軍区核緊急対応部隊のチームを待機させていた。ロボットは原子力施設で放射能漏れの場所を特定したり、修理したりする能力があるという。
この専門家は「家電製品展示会などに登場する日本の人間型ロボットは福島第1原発のような状況では1分も活動できないだろう」と述べた。
中国は先に海軍医療船や軍の医療チームを日本に派遣しようとしたが、いずれも実現していない。ポスト紙は「日本政府は中国軍から支援を受けたくないのだ」と指摘している。
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なんて話も目にした。
このサウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙とかって新聞社の「指摘」の真意のほどは、何とも言えないものの、工程に必要なもの...を選択してる東電がある以上、政府が断ったって話は事実なんだろう。
これまであんまり気にしてなかったんだけど、こんな話も掘り起こせる...
原発事故作業ロボット スタンバイOK! 千葉工大などが共同開発 - msn産経ニュース
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2011.4.7 00:07
千葉工業大(千葉毛習志野市)は6日、東京電力福島第1原発の事故対応のため人が入れない高濃度被曝エリアで放射線測定などを行うロボットを、災害対応ロボットの研究を行う神戸市のNPO法人(特定非営利活動法人)「国際レスキューシステム研究機構(IRS)」などと共同開発したと発表した。被災地ではすでに米国の作業ロボットが投入されている一方で、現場での活動経験がない日本のロボットにはいまだに出番がない。IRSでは「被曝者を1人でも減らしたい」として、国などに出動要請を出すよう働きかけている。
このロボットは、長さと幅がそれぞれ約50センチ、高さ約1メートル、重さ約27キロの自立走行型。テロ災害などで破壊された建物内の探査などを行うレスキューロボット「クインス」を改造した。
開発者の小柳栄次氏(千葉工大未来ロボット技術研究センター副所長)によると、放射線測定器や映像機器を搭載可能で、浅い水たまりの中を走ったり水をかぶったりしても壊れることはないという。
屋外ならば2キロ離れた場所から無線による遠隔操作が可能。屋内作業は中継ロボットを通じて有線で操作できる。強い放射線を浴びると誤作動を起こす可能性もあるが、各機器を鉛板とアルミ板で防護しており、想定では累積で約20シーベルトまで耐えられるとしている。
現地へのロボット投入をめぐっては、IRSのメンバーが震災発生翌日から数日間にわたり、東北大を拠点に出動準備をしていたが、行政が被災者の捜索活動に追われていたことなどから要請が出ることはなかった。だが、「最先端のロボット技術を災害対応に生かしたい」(小柳副所長)との気持ちは強く、原発事故の深刻化が進む中、あらためて原発災害対応仕様のロボットを開発することを決断したという。
IRSでは「がれきの上を走る性能は世界一。もともと原発事故向けに作ったロボットではないので、未知数の部分もあるが、出動してこそ得られるデータや見つかる課題もあり、投入する意味は大きい」とアピールしている。
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一週間以上前から取り沙汰されてたって話なら、使えるもんは使うべきと思うけどね...。
そう言えば、昨日のTVで、この記事のロボットの性能を目にしたような気もする。
別のロボットかもしれないけど、赤外線だか電波だか使って、進みながら地図を作るロボットも紹介されていたと...思う。
そうこうするうち、こんな記事にも行き当たった。
ロボット工学で最先端の日本、なぜ原発事故にロボットを使わないのか - サーチナ
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2011年03月23日11時41分
東京電力の福島第1原子力発電所での放射線漏えい事故において、被ばくをかえりみず作業員たちが決死の作業を行っている。ロボット工学で最先端を走る日本では、バイオリンを弾くロボットやマラソンができるロボット、結婚式の司会ができるロボットなど、さまざまな用途のロボットが存在することについて、中国新聞社は22日付で、「福島原発での作業にロボットが使用されないのはなぜだろう」と論じる記事を掲載した。
日本ではロボットによるオートメーションが一般化され、震災時にがれきの中から被災者を探し出すロボットも存在するが、福島原発の修復作業にロボットは導入されていない。冷却炉や使用済み核燃料にかかわる命がけの作業はみな人力で行われ、被ばく線量が限界を達するまで作業が続けられている。
スリーマイル島とチェルノブイリの原発事故以来、原子力産業へのロボット導入が徐々に増えてきている。福島原発でも放射能レベルの高い場所ではロボットによる作業が採用されているが、記事は、「日本にはトップレベルのロボット技術があるが、1970年代に建設された福島原発ではまだ複雑な作業には導入されていないようだ」と報じた。
現在、多くの原発では制御や簡単な修理などにロボットが導入されているが、予算の限界や関係部門の承認が得られないことなどから、ロボットを採用できない国や原発も多い。韓国原子力研究院の金聖浩氏は、「緊急事態に人力では困難な作業を遂行するロボットが必要だ」と指摘し、「原発作業員は危険な状況下での作業を望まないはずだ」と高性能のロボットの開発の必要を強く主張した。(編集担当:畠山栄)
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この主張はご尤も...としか言いようがない。
何事に依らず、後手踏んでないかな?...この原発絡みの事実関係って...。