その日はやってきました。
ずっと、思っていたことは何もできなかった。
アイスクリームを舐めさせてあげよう。
プリンを食べさせてあげよう。
最後は何でも食べさせてあげよう。
前の日の夜、ケルンはぐっすり眠っていて起こすのが忍びなく、のどが渇いているだろうなと思いながらも水を飲ませることなく、いつも通り2階のベッドで一緒に眠りました。
朝、眠っているケルンは粗相をしていないかなと確認したら何でもなかったので、私だけ起きて朝の支度をしました。
仕事に出かける前、いつも通りケルンを抱っこして居間に下りていきました。
いつもの寝床に寝せたとき、息をしていないことに気付きました。
だって、つい2時間前には息をしていたのに。
ケルン!
何もしてあげられなかった。
水さえ飲ませてあげられなかった。
悲しみがこみ上げてきました。
こんな別れになるなんて。
朝、ぎりぎりまで待っていたのかな。
私が起きるのを待っていたかのような別れです。
息のあるうちに抱きしめて、優しい言葉をかけてあげればよかった。
後悔はたくさんあります。
目が見えなくなり、耳も遠くなり、足が動かなくなり、嗅覚も衰えても健気に頑張っていました。
正直、穏やかな最期を望んでいました。
穏やかだったと思います。
でも、やっぱり悲しい。
悲しくて、寂しくて、この気持ちはずっと胸の中に押し殺していました。
あれから10か月、今月の29日はケルンの誕生日です。
けじめとして、書いておかなければなりません。
今でも、仕事から帰り家に明かりが点いていないと、早く電気を点けてあげなくちゃと思うんです。
次の瞬間、もういないことを思い出し胸が締め付けられます。
家族だったから、犬たちといるのがとても楽しかった。
特にケルンは甘えん坊で、いつもべったりしてきて、それが嬉しかった。
忘れられなくて、お骨は居間のカウンターにウィーンと並んでいます。
犬たちは「現世と天国をつなぐレインボーブリッジ(虹の橋)でいつかは亡くなってやってくる飼い主を待っている」
いつかは必ず、私も行きますから待っていてね。
やすらかに
2013.1.10 ケルン永眠 (17歳)
写真はみんな昔のHPからです。
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