マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

「中国 王朝の至宝展」を観る

2012年12月18日 | 医療

 日中国交正常化40周年を記念して「中国 王朝の至宝展」が東京国立博物館で開かれている。しかしお祝いムードは全くない。尖閣諸島問題で冷え切った日中関係の帰結するところは、入場の際の荷物検査であった。
 12月12日(水)、東京国立博物館に出掛けると、そこで待っていたのは荷物検査。ここには、空港や裁判所の様な探知機は無いので、バックを開けての内部検査。不逞の輩の暴挙を恐れての処置でやむを得ないと理解しながらもやや不愉快。

 しかし展示内容は国宝級の「一級文物」が約60%というスケールの大きさで、貴重な文物が168件も展示されるという素晴らしいものであった。展示は、歴代の中国王朝の成立順に次の六章から構成されていた。
 第一章 王朝の曙 蜀vs夏・殷
 第二章 群雄の輝き 楚vs斉・魯
 第三章
 初めての統一王朝 秦vs漢
 第四章 南北の拮抗 北朝vs南朝
 第五章 世界帝国の出現 長安vs洛陽
 第六章 近世の胎動 遼vs宋

 6000年ともいわれる歴史を持つ中国のあまたの王朝。その歴代王朝の都ないし中心地域に焦点を当て、それぞれの地域の特色ある文物を対比するという手法を取っていたが、スケールが大きすぎて、残念ながら、私にはその歴史的・文化的意味をよく理解出来ない点が多々。

 
この膨大な展示物のなかで特に印象に残ったのは3つ。その一つが跪射俑(きしゃよう)。秦の始皇帝は、生前から自らが入る巨大な陵墓を造営した。その遺産の一つが6000体以上もの兵士や馬の人形が埋められていた兵馬俑坑。跪射俑は兵馬俑のひとつ。そこに人がいるかの様な実にリアルな兵士だ。




 金剛神坐像の印象も強烈だ。長安城の北東区域に建立された安国寺の跡から出土した大理石製の仏像。唐時代盛期の密教系仏像の貴重な遺例だそうで、躍動的で華やかな雰囲気を持つ仏像さま。






 一番驚いたのが2001年に発見され、大きな話題をよんだ阿育王塔。南京市の長干寺の地下から近年出土した、新発見の金の仏塔で、高さが1mを超えるとか。この様なものが、漸く今世紀に入って発展される、中国と言う国の、底の深さと長き歴史を思い知らされる。(写真:阿育王塔)

 日中の関係を考えるとき、暫くはこの様な規模の展示が行われるとは考えらない。今回の機会を逃したら阿育王塔に触れる機会は無かっただろうと思え、ここに足を運んのはラッキー、と思ったのでした。