マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

八月納涼歌舞伎より「京人形」

2015年09月07日 | 映画・美術・芝居・落語

 歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」のチケットを頂いて、8月27日、その第二部を観て来た。先月の歌舞伎座は普段の二部構成とは違って三部の構成で
 第一部 おちくぼ物語   棒しばり
 第二部 ひらかな盛衰記「逆櫓」    京人形
 第三部 芋堀長者    祇園恋づくし

  勘三郎も三津五郎も逝ってしまった。その二人が中心になって立ち上げ牽引し続けた、8月歌舞伎座の納涼歌舞伎も20年にわたっているという。棒しばりと芋堀長者では「十世坂東三津五郎に捧ぐ」として息子巳之助が、父からの芸のバトンを受け取っての演技。

 私達が観たのは第二部で、今日はそのうちの『京人形』を振り返ることにします。副題に“銘作左小刀”とある様に、主人公の一人が左甚五郎(勘九郎)。甚五郎は、廓で見初めた美しい太夫が忘れられず、太夫を生き写しにした人形を彫り上げます。その人形は大きなケースの中に立ち姿で飾られています。ケースの蓋を開け、人形の前で甚五郎が酒を飲み始めると、不思議なことに人形(その精を演じるのが七之助)はケースから出て歩き始めます。そのうごき、何故か機械仕掛けの様な動きです。それもそのはず、甚五郎の魂がこもっている為、男のように動くのでした。
 困った甚五郎が廓で拾った太夫の鏡を人形の懐に入れると、たちまち女らしくなり、しなやかな踊りへの変わります。

 機械仕掛けの動きとしなやかな踊りを演じ分けるのが七之助。この演目のもう一人の主人公で、可憐にして色気も感じられる人形でありながら、美しい女性とも見えます。
 この踊りを見ながら、私は、おわら風の盆の舞を思い浮かべていました。その男踊りのメリハリのある動作と女踊りの流れる様な優美な踊り。
 七之助が男踊りと女舞いを演じ分ける舞台に見惚れました。(写真:歌舞伎座正面玄関前の、公演の告知イベントで挨拶する七之助)

 女舞を喜んだ甚五郎は人形と一緒に踊り始めます。息のあった舞です。二人しての左右対称の踊りが見せ場。それもそのはず、二人は勘三郎の長男と次男。昨年観た「寺小屋」でも二人は夫婦役を演じていましたが、この共演はまだまだ続くと思えます。(挨拶する勘九郎)


若い人達と接する機会が増えて

2015年09月05日 | IT

 今年に入って、若い人と一緒に何かをしている機会が増えている。若いといっても20歳代・30歳代の絶対的な若さではなく、私より30歳下・20歳下・10歳下という相対的な若さだが・・・。
 2月には再会の教え子同士を交え一献傾け、5月には大泉高校(定時制)の、6月には向丘高校の同期会もあった。5月には40代の甥やその友人と一緒に丹沢縦走をし、北海道では30代の息子夫婦と私達はオホーツク海を旅した。ブルーベリーを摘みに行った指圧屋の水野さんは50代。この7月に谷根千をご一緒したお二人も私よりはるかにお若い。彼ら彼女らの多くはスマホ自由自在。共通はしていないが顕著なことは車運転が得意。
 車から話題にすれば、初夏から夏の終わりにかけて、丹沢へ、能取湖へ、ブルーべリー狩へと、長距離を若い人の車に乗せてもらい私は随分楽をした。妻から見ての義弟の石野さんの車では深谷を案内してもらい、蓼科でもお世話になった。自分でも運転をするが、ナビゲーターの方がはるかに楽で有難い事と感謝している。

 さてスマホ。この6月~8月にスマホに関し、若い人たちから学んだことが4つある。
 その1 スマホはカーナビに利用出来る。現在地名と行きたい場所の音声入力も可能。これは多くの人が知っていることだろうが、私は遅ればせながらこの7月に漸くにしてその事を知った。車にカーナビをセットしてある人にはスマホナビは不要かと思いきや、実はそうでない場面がある。一般的に、カーナビよりスマホナビの方が情報が新しい。昨年、遠山郷へ行った時など、カーナビは矢筈トンネル方向を指示してくれないで遠回りをしてしまった。今夏の“物味湯産”旅行ではスマホナビを併用した。

 その2 “テザリング”という機能を使うと「Wi-Fi」の受信装置となる。この機能が一番有難く思っていることだ。本物の「Wi-Fi」受信機は家に置き、妻は無線でインターネットをやっているが、私は外出時、例えば荒川5中へスマホとタブレット型パソコンを持参し、スマホ経由の電波でインターネットを活用している。ただこの使用法は容量をかなり必要とすると聞かされ、容量を無制限へと契約変更した。700円台だった契約料は2500円台に上昇したが、これはやむを得ないことだろう。(右はテザリングの説明図)

 
その3 容量を無制限にしたので、FMラジオを安心して聞いている。ラジオ使用が送信容量を増大させるか否かは不明だが、仮に容量が増えても安心で、音楽を聴きながら、Wordでブログの下書きをすることが増えている。
 その4 これは私も気付いたのだが、適切なアプリをインストールすれば高度計になる。雲ノ平へ行く前にその事に気付き、ソフトを入れておいた。今夏の山行で使用すると精度±50m。高度計は持参していたが専らスマホに頼った。
 その1とその4はGPSが現在地点を認識している効果だ。

 とうい風に若い人たちと接する事でスマホ情報は増え、車では楽をさせてもっている。

 


8月30日、国会周辺で

2015年09月02日 | 闘い

 「安保法案反対 全国一斉行動」の日の14時過ぎ、私は衆議院第二議員会館前に到着した。その地点にはスピーカが設置されていて、耳に難点のある私にも各演説者の熱気ある声がシッカと届き、共感を抱きつつ聞いた。
 野党4党首の演説に続き何人もが演壇に立った。誰が登壇したか、記憶は薄れているが、鎌田慧(ルポライター)・山口二郎(大学教授)・森村誠一(作家)などだ。挨拶がひとしきり終わると、シュプレヒコールが繰り返された。“戦争法案今すぐ廃案”、“廃案”、“廃案”との声に私もコールを繰り返した。
 中咽頭がん治療のための休養から復帰したばかりの坂本龍一が飛び込みで演説。一段と拍手が大きくなった。園子温(映画監督)・安次富浩(ヘリ基地反対協議会)・神田香織(講談師)の声もあった。特に面白く聞いたのは神田香織。“講談師見て来たような嘘を云い、などと講談師は嘘が上手いと言われていますが、嘘つき安倍と同類の嘘つきと見なされるのは大きな迷惑”の様なことを語り拍車が一段と大きくなった。学生団体「SEALDs」のメンバー奥田愛基も登壇。今回の一連の行動提起のなかで今までと大きく異なったのは多くの若者たちの参加だった。(写真:マイク握る坂本龍一)




 皆怒りの声を上げていた。
 私も思った。この法案は総選挙の洗礼を受けていない。集団的自衛権は憲法違反だと政府自らが認めていた。にも拘らず集団的自衛を可能にする法案を強行採決しようとしている安倍内閣の姿勢。白井聡は『永続敗戦論』のなかで、“私らは、敗戦後から今までずう~と、侮辱のなかに生きている”と書いたが、今将に私ら国民は、政府による大きな侮辱の真っ只中にいるのだと思った。安全保障については様々な意見・議論があるだろう。その議論を封鎖するに等しい強行採決を、小異を捨てて大同に付き、阻止したいの思い。韓国などと同様に私達も行動のとき。その想いから私はメールで友や知人をここへと誘った。

 降らないで欲しいと願っていた雨が、途中から降り出してきた。暫くして私は傘を取り出した。傘からの滴が前の人に掛かってはいけないと思い、私の前の、子連れママさんにも傘に入って頂く様に差し出していると暫くして彼女は無言でその傘を取ってくれた。差し手が入れ替わり、私は暫く写真撮影が出来た。ささやかな連帯。

 30名近くに出したメールから、“参加しています。凄い人です”や“参加していました”や“集会が終わってからメール見ました”などの6通の返信が届いた。引き続き国会の動きを注目し続けよう。