あのうの幸せトンボ

日々の何気ない出来ごとを、思いつくままに……。

読んでおくれやす

2019-04-08 16:24:59 | 日記
今年は風邪をひかずにいくのかしらー?と思っておりましたら、わが身体に風邪さんの指定席があるらしく、まだ空いてますがなーということで、ちゃんと風邪がやってきまして大分の間うざうざといたしております。
いったん身体に入り込みますと居心地がよいのか、なかなか出て行かず身体がすっきりとしない状態を現在も保っております。
これも「加齢」のなせるワザだと納得いたしております。
あまりブログを留守にしておりますと、カビが生えるといけませぬので、以前書いた文章を載せます。
まぁ、読んでおくれやす~。

大分前の事であるが、猪の倉温泉に行ったときの事。
露天風呂へ入りに行くと、姦しい集団がいたので何事かとそっと近づいて見た。真ん中で白髪交じりの85歳前後と思える人が、得意気にしゃべっている。その周りに60歳代のおばちゃん達4人ほどが話を聞いている。私も、野次馬根性でその1員となって肩を並べる。
「好きでもなかったんやけど、旦那が死んだらエライ痩せましてな、これではアカンと思うて炭酸泉にかよいましたんや。そしたらえらい体の調子がようなってきてな。それからはカネも生きとるうちに使わなアカンと、あっちこっち行ってますんや。それでな、今日はここがええと言うから、来ましたんや」。
今日は入れ歯を家へ忘れてきましたんやと、歯のない口でふごふごと喋っている。それに相づちを打っている四人は、「どちらから見えましたん?」の私の問いかけに「猪の倉温泉へ行こっ! と朝から電車に乗って大阪から来ましたんや」という。その4人に混じって私もフムフムと話を聞いていたが、いつまでも話のつき合いはしておれないと、お先に湯からあがった。

あのおばちゃんたちのお風呂談義はまだまだ続きそうであるが、先に湯からあがった私は、彼女たちの言うように、カネも元気で生きてる内に使わなと思うけど、自分の寿命もわからないのに、使いすぎて予想より長生きをして困る場合も、また反対の時もあるかも知れない。これは、なかなかむつかしい問題だー、とその時は思ったものである。
「一寸先は闇」とは昔の人はうまく言ったもので、本当にこの世の中は何がいつ起きるか分からない。富士山がいつ爆発するかも分からないといわれている昨今、あらゆる天変地異には抗えない。
自分の命の果てる時が分からないのは、神が与えてくれた「お慈悲」なのだと思う。
このお慈悲にすがって今を精一杯、人様の事を思って生きていけたら、いいのではないかと思った。