


あらすじ(「BOOK」データベースより)
「ベトナム人?お母さんが?」娘、二十歳の夏。家族の秘密を伝える日がやってきたー『るり姉』『明日の食卓』家族小説の名手が70年代末に来日したボートピープル一家のその後を描く新境地。



こんぱるいろ、というひらがな、きれいなブルーの表紙に惹かれて手に取りました。全く内容がわからず読み始めたら、ベトナムからボートピープルとして幼少のころに日本に来た母・真依子、その娘・奈月、母の母・春恵、3人がそれぞれの人生を、ベトナム出身であることを、語り考えます。真依子はベトナム出身であることを子供たちには隠してきました。夫にはもちろん話していて、その夫はそんなこと全然気にしないおおらかさがいい感じ。奈月の初海外旅行先がベトナムということで、とうとう自分がベトナム出身であることを打ち明けると、その奈月、ガンガンガンガンその事実に向き合おうとする。すごい積極性。すごい正義感。いつも正しいことを正しいという子なのよね。私ならそういう受け止め方にならないかな‥ 奈月のおかげでベトナム戦争あたりのことがほんのちょっと前よりわかるようになりました。春恵の幼少時代のベトナムの様子はすてきだったな。奈月はいろんなところに首を突っ込んでいき、奈月の従妹に「ベトナムの血を意識したことがある?」と聞き、その従妹の答えがとても納得いき、共感できるものでした。真依子が奈月の行動を通して、何かを吹っ切った様子になっていて、なんだかよかったなぁ。
おまけ。奈月のベトナム旅行でのホーチミンやメコン川ツアーの様子は、自分の旅行が思い出されて楽しかった! あぁ、ベトナム、行きたいわ!!!