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恒例となってしまった週末の山奥行。
出発する頃にはいい感じに曇って蒸し暑く、今夜は行けるぞ!
という雰囲気だったが、山に向かうに連れ、雲の動きが急に変わり
なんとほぼ満月が煌々と照らしはじめた。
そうか、月末で満月に当たる候っだったのか・・・これは望み薄かも?
と半ばあきらめつつ、最初のポイントに向かう。
蛾影は少なくはないが、前回の雨中時よりも全然寂しい感じだ。。。
顔ぶれも目新しい感じではない。カメムシもそろそろ出てきて異臭があたりに
立ちこめている。カメムシとパクチーだけはどうしても生理的に受け付けない。
世の中にはパクチーが好物の人も時々いるが、そういう人は、案外カメムシも
好きなんじゃないだろうか?
樺色
かばいろ 蒲色なんだろうか?よく蛾名に使われる色だ。
これはその一つカバスジヤガの仲間。
この仲間は区別がやや困難で、いちいち同定するのが
面倒で仕方がないが、色がきれいな個体を見かけたら撮影している。
この仲間3種の外見での判断は一応外横線が基準になる。不明瞭なのはオオカバスジ、
前縁付近で角度がつくのがカバスジ、ウスカバスジはちょっとよくわからないが、割
と高山や寒地にいるらしい。
傾向からするとオオカバスジっぽい(そもそも大きいからオオカバスジなのではなく
て、かば色の帯みたいな部分が広いからその名がある)が、この仲間はつかみ所がな
くてよくわからないというのが本音だ。
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真打ち登場!
まさにそんな表現がピッタリ来る存在だ。
ムラサキシャチホコ♂
真打ちの芸を存分に味わうには、この角度で見るしかない。写真を縦中横にしようものなら
たちまち何の擬態なのか?わからなくなってしまう。芸名 枯れ葉クルリン である。
それにしても見れば見るほど驚く模様である。人間本位に考えるからそういう思考に陥る訳だが
あえて人間本位に立ってみると見事な芸術と言わざるを得ない。
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微小コンビ
ウラモンチビアツバにウスオビチビアツバ。共に、写真ではわからないが、驚くほど小さい。
せいぜい5ミリ程度である。自分でも普段は写真で見ているので、実物を見かけるたびに、
こんな小さいのか!!といちいち驚く始末だ。そんな小さいもんだから、埼玉でも正式な
記録は出ていないかもしれない。一応、両方ともシタバガの仲間だ。
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闇に浮かぶ
昨夜はめぼしい蛾が少なかったが、美麗種シラホシキリガのちょうど旬であったらしい。
普段は翅を開いてくれないが、下翅もなかなかカラフルでキリガの仲間とは思えないほどだ。
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鎮座マシマス
トガリメイガの一種
こんな風に立て膝をつくような格好で止まる蛾も時々いる。
と言っても膝はついていないわけだが、さながら脚立という感じがする。
昔、ステージ上の僕の楽器スタンドを見て
「脚立がまだ片づいていない!!」
と本番前に焦って騒いだ人がいるがそのことは
10年を経た今でも笑い話として語り継がれている。
こちら側を向いて座ってくれると、なかなか面白い絵になる。
先日撮ったウコンエダシャクの同様なショット。
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黒
クロフタオとネグロケンモン
黒の入った名前を持つ蛾は非常に多い。
クロフタオは、名前ほど黒くはなく、むしろ白の目立つ蛾だ。
時々出会うが、あまり多くなさそうである。かなり微小な種類なので、
見逃してしまうことも多そうだ。
ネグロケンモンは、昨夏に同じ場所で何度かみかけたが、こうして出会うと、
もう季節が一周したんだなあと感じる。
クロフキエダシャク
山地を中心に稀ではない。以前、どこぞのBBSに、風呂吹き大根の画像と掛け合わせて
語呂合わせで投稿したが、完全にそのことはスルーされ、自己満足に終わった。笑い。
ナカグロヤガ
比較的高標高地で見かける。実は今が旬のようだ。夏眠して秋にも現れる。
モンヤガ系は地味な印象があるが、新鮮な個体はこんな風に意外と綺麗だ。
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ぶらさがり
往路の渓谷端でオオトビスジエダシャクと思われる個体を見かけた。
にしては見事な色と大きさだったので撮影して
帰路にもう一度覗いてみると、そのまま♂がぶら下がっていた。
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異形
この仲間にしては・・・という異形である。
ハネモンリンガは、リンガの仲間だが、他にこんな翅をした仲間はいない。
むしろモクメヨトウやツマキシャチホコに似ている。
苔生したような渋い色合いが好みだ。今年はよく出会う。
フタオモドキナミシャクは、その名の通り、フタオガの仲間と見まがいそうである。
むしろ、前述のクロフタオはヒメシャクと間違えそうだ。
ナミシャクの仲間は、翅の使い方が下手くそなのか?きれいな状態で
出会えることは稀である。フタオモドキもせっかく美しい配色だから
きれいな状態を写したいのだが、新鮮な個体にはなかなか出会えない。
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同化
オオシロオビアオシャク
たまたまこうなったのだろうが、見事な同化である。
モニターのキャリブレーションに使えるのでは?と思ってしまうほどだ。
アオシャクの中でもひときわ緑の鮮やかな蛾で、グリーンガムの
イメージがある。まだ二三回しか出会ったことがない。専ら山の蛾ということか?
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初顔
モンキアカガネヨトウ
そして今回の初顔である。洞窟で出会ったのだが、この蛾らしくいいシチュエーションで
出会えたように思う。最近の精進の賜物か?見かけたときに一発で名前が出てきた(笑)
その他の初顔はこんな感じだった。
今回は百蛾夜行本来のスタイルをもって、物件を紹介する不動産屋のようなアプローチ(笑)で
お送りしました。