Days of Dragonflies & Moths

トンボや蛾に関わる記事中心。
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写真集「関東甲信越のトンボ2010plus」

百蛾夜行 第十四巻 晩春の山行

2009年04月26日 | 


今年はトンボの年にするつもりだ。
だからほとんど夜の山にも入っていない。
しかし、この週末は天気が崩れるという。
そこで、興味のあった春の山の蛾を探索することにする。
狙いは、ウスベニトガリバなど未消化の種だ。

思い起こせば、今の自家用車を買って、初めて遠征に出たのは
このルートだった。どきどきしながら初めてのETCを体験し、
従来カセットテープだったカーステレオも遅まきながらCDにし、
自作アルバムのオムニバスを聴きながら山へ向かったことを
思い出す。

今夜も昭和の面影を強く残す町並みを山へ向かって走り、まずは
トイレのポイントで小休憩する。
予報では夜半に雨はやむとのことだが、小粒の雨が少々降っている。
昼間晴れて気温が上がっていたなら絶好の蛾日和なのだが・・・
土砂降りにならなかったので、多少は脈有りと踏んでの山行だった。
トイレでは、オオエグリシャチホコと小型のクビグロクチバ系を見つけた
のみ。ここはそうそうに切り上げ、橋のポイントへ。



いつもはかなり蛾影の濃いところだが、あいにく電灯が一個消えていて、蛾の
姿は少ない。カバナミシャク系はとりあえずスルーとし、めぼしい物をあたると
狙いの一つ マエモンハイイロナミシャクが結構な数見つかった。
また、ハイジロハマキ系も一頭見られたが、傘を差しながらの撮影がうまく
いかず、ピントを合わせられなくて残念。。。ハイジロ系は解剖しないと同定は
難しいかもしれないが、幾分大きめに見えたので、オオの方なのかもしれない。

そんなこんなで、目的のトイレに到着。



そこそこ蛾は来ているようだ。
最初に目にとまったのは、ウスバシロエダシャク。実は今更ながら初見だが、
一目でそれとわかった。ウスバキとは明らかに雰囲気が違い、確かによく見ると
赤みがさしている。

そして、トイレに入ると、いきなり一見シロジマシャチホコのような蛾姿(冒頭)
狙いのウスベニトガリバだ。珍種ではないが、タイミングが合わず今まで会えて
なかったので、初見だ。

そして、トイレの床で、これまた狙い通り クロモンキリバエダシャクを発見。



辺りを見回すと、そこら中にクロモンキリバエダシャクがいる。
低地のミスジツマキリエダシャク状態だ。
今まで会えなかったのが不思議なくらいの初見。

更に探索を進めると、キリガもいくつかいる。



アオヤマキリガだ。初見。



角っこでこっそりしていたウスアオキリガを見つける。これも初見。
ウスアオキリガには二タイプあり、その薄いタイプだと思われる。




窓辺を見上げると、これまた初見のキリガ。最初はアメイロホソキリガだと
思っていたが、ナカグロホソキリガだ。山地の普通種とのこと。

せっかくなので、いくつかキリガを集めて並べてみた。
キリガカルテット。



こちらはほとんど相手にされなかったスギタニ、アトジロエダシャク(真ん中はアオヤマ)



個室に入ると天井に大きなエダシャクが・・・


これも狙っていた ニッコウエダシャク。
独特な翅の形雰囲気は他に類似種がいないので、すぐわかる。
春の普通種で、今まで人のをさんざん同定してきたのに、自分は初見だ。



ハマキをはじめとしたミクロはほとんど見つけなかったが、このハマキは
何だろう?素直にネグロハマキなのか?

そんなこんなで、時計を見ると21時を回っている。
夜遅くなると生活が乱れるので、撮影もそこそこに切り上げることとする。
エゾヨツメやイボタガには会えなかったが、久々の探索で多くの初見を得られ
まずは効率が良かった。

帰り際、個室で未練がましく一応写しておいたエダシャク。
なんとこれも初見のハルタウスクモエダシャクだ!



そして山を下る途中、一応寄ってみた小さな明かりの影に隠れていたのを
偶然懐中電灯で見つけたのが今日の〆蛾。



懐中電灯で照らしたときは、青っぽく見えたのでウスミドリコバネナミシャクか?と
思っていたが、帰ってから画像を展開してびっくり!
昔同定したことがあるエダシャクだ。でも名前が思い出せなかった。
キバネトビスジエダシャクだ。
割合少ない種類のようだ。

そんな具合で、10種ほどの初見があり、効率的な山行だった。
あまり深夜に及ぶと生活が乱れるので、修正はまた時間のあるときに・・・

追記:そういえば思い出したが、一応タケウチエダシャクも狙っていた。
でもそのことを忘れていて、まじめに探さなかったのもあって、見かけなかった。

テレプラスDG検証

2009年04月15日 | トンボ


先日の続きだが、撮影自由度の低いT6-2Xでは撮影の楽しみが半減するので、
今度はデジタル用のテレプラスをオークションで落として使ってみることに
した。テレプラスはニコンキャノンなどメジャーメーカー向けにはプロ300と
いうテレコンバーターを出しているが、ペンタックス用のはまだ出ていない。
プロ300は望遠レンズに特化していると言うことで、DA300につけて試して
みたい気もするが、無いものはしょうがない。笑い。

とりあえずメインレンズはDA300しか持参していなかったので、200マクロでは
試せなかったが、いくつかトンボの被写体で実地検証が出来た。(冒頭はDA300
単体)



撮影ロケーションが違うので単純比較できないが(ダストリムーブ機能があるとはいえ
しょっちゅうレンズを交換すると確実にゴミが入るので、あまり頻繁にはレンズは換え
たくない)、上がDA300単体、下がテレプラス1.5DGをかませたもの。



一応(笑)等倍での比較。気になるのは、テレプラスで若干フレアっぽいかんじ?に写っていること。
やはりこれがテレプラス画質か・・・・。




こちらはDA300単体とテレプラスをかました場合の等倍比較(笑)。
解像感にさほど大きな差は認められない。(どっちもジャスピンとは
言えないが・・・汗)




テレプラスをかました450ミリ相当(換算675ミリ位)でも大きく写せない
遠くの個体を、禁断のダブルテレコン(K6-2Xとの合体・・・900ミリ換算
1350ミリ位)で写してみた。
K6-2Xが間に入る形で、マニュアル露出は実質出来なくなるので、Avで極力
マイナス補正・・・1/250で写したが、少しアンダーになった程度で済んだ。



角度はイマイチなのが残念だが、思ったほど解像感は失われていない。
もしもの時の証拠写真撮影には役に立つかも?

そういえば、先日TCONもかましてリアル超望遠効果も試してみたいと書いたが、
ちょっと家事の合間に試してみた。



300+T6-2X+TCON+テレプラス、1500mmF19位?換算2250mm相当当然手持ち。
夕方の木陰で光量が足りないので、やむなくISO3200にして写してみた。
通常の縮小画像ではごまかせる程度には写るようだ。



上の画像の等倍切り出し。高感度ノイズ軽減はオフのまま。



二枚とも、テレプラスをかました450ミリ相当。我が本分はあくまで200マクロde撮影なので、
これをフィールドのメインにするということはないが、思ったより使える画質である。
二枚目はマスターをf5.6に絞り、換算f8で写したが、絞ればそれなりに見栄えがするようだ。

今度フィールドに行くときは、メインの200マクロは忘れないようにしたい・・・汗。


マニュアル2Xテレコン検証

2009年04月13日 | その他
そろそろトンボ本番にかかるので、色々な実験遊びも出来なくなってくるが、
4月前半はまだ暇なのと、ちょっとオークション(無料)に最近はまっているのもあって
3kくらいでテレコンやリバースアダプターを買って遊んでいる。

元々持っていたテレプラス1.5倍に、オリンパスのTCON17、それらの同時使用
をシーズン前は試していたが、DA300の100K以下の中古を運良く見つけて購入し、
それの試し撮りをして慣れていく内に、デジタル用レンズにテレコンの使用も試し
たくなった。



これは実は記憶が定かでないが、多分、DA300単体ではなく、TCONをかませて
撮った物だったと思う。それの等倍切り出し。
200マクロ+TCONの時に比べ、収差が少なく、描写も良好である。
最短距離が4メートルほどと、長くなってしまうので、昆虫マクロは出来ないが
中距離の飛翔物体の撮影には適している。ただ、77-55のステップダウンリング
を介するので、取り付けがやや面倒になる。

先日の記事でも触れたが、つい先日、純正のT6-2Xというリアコンを3kで手に入れた。
二倍のテレコンは拡大率が上がる分、ファインダーも暗いし、拡大する分ディテール
も落ちる。マスターレンズの分解能以上のディテールは出せないからだ。
でも、拡大できる分、ピントを合わせやすいという利点もある。




上が、TCONをかました作例。下が、T6-2Xをかませた作例。
いずれも一般的なweb用途を意識して、適度にトリミング後、リサイズ、軽くシャープ
ネスをかけている。いずれもそういった用途では十分見られる画質だと思う。
それぞれの等倍切り出し無処理画像は以下の通り。



TCONの方は、わずかに虹色が出ている。T6-2Xの方はややコントラストが低いが、光線の角度の関係だろう。



この二枚は、T6-2Xをかませた作例で、適度にトリミング後、リサイズ、軽くシャープ
ネスをかけている。



これはDA300単体との画像の比較。上がDA300単体、下がT6-2Xをかませ
たものの等倍切り出し。ピントはまじめに合わせていないが、収差の少ない
ことがわかると思う。



こちらは、T6-2Xをかませた作例のリサイズとその等倍切り出し。
このくらい写ればテレコンを使った甲斐があったと思えるかもしれない。
尤も、トリミングや補間拡大すればテレコン同様のことが出来るのだが、
それを言ったら元も子もないし、テレコンで大きく写せなければ、実際
に写したときに、引き寄せた!という充足感もない。



これは遠くにいた被写体を等倍切り出し。(このくらいの遠距離だとピント合わせは
かなり難しい。いずれ余裕のあるとき、動きの少ない遠くの被写体で300+ダブルテレ
コンーー換算1500ミリ~ーーなど試して遊んで見たいものだ・・・)



鳥の写真で詳細度を表すのは、昆虫マクロからするとちょっときついので
T6-2Xをかませたチョウの作例。

T6-2Xでは、思ったほど画質の劣化がない。さすが旭光学だ。
しかし、使用にあたって予想外に不便な点のあることが判明。

端的に言えば、マニュアル露出が使えない!
マニュアル露出にすると、絞りリングのないDA300は、最小絞りに設定され
てしまい、超スローシャッターでしか写せなくなってしまうのである。200マクロ
は絞りリングがついているので、K20Dの絞りリングの使用許可設定をすれば、
T6-2Xをかませてマニュアル露出が出来るが、たかだか400ミリでF8では暗く
なり損なので、あまりこの組み合わせは使いたくない。。。

これは致命的である。一般的には、絞り優先自動露出でも十分鑑賞に堪える
絵が撮れるが、照度差があったりして、カメラ任せでは思うような露出結果
にならないこともあり、自分はここ数年マニュアル露出一辺倒である。

そしてT6-2Xをかませた場合、カメラのAEに誤差が出やすいことが判明。
状況にもよるが、順光撮影では、2倍から4倍程度オーバーに写る事がわかった。
ただ、言い方を変えれば、もっとシャッタースピードを上げられるということで、
手ぶれの危険を減らせると言うことである。
では、実際にどうやって対処するか?最初は戸惑ったが、落ち着いて考えれば
DA300単体で写しているときに比べ、4倍露出をかければよいわけである。

当然、AEまかせの撮影なので、ファインダーにはAE判断でシャッタースピードが
表示されるが、写すときに露出補正をして本来の適切なシャッタースピードに
設定するわけである。K20Dのダイヤルはイマイチ反応が鈍く、現場での操作には
手間取ることが多いが、慣れれば何とかなりそうである。

と、色々実験はしてみたが、どれほど現場でこれを使うのか?というと、
多分ほとんど使う機会は無いかもしれない(笑い)

でも、ここまで色々試写してきたのは、「夏の本番」に備えてのことなのだ。
つまり、ストロボとの併用である。
しかし、T6-2Xをかませた場合、絞り優先自動露出しか使えないのと同時に、
ストロボもマニュアルで発光させることが出来ない!これは痛い!!!
電子制御でなく、物理的にマニュアル発光できるストロボなら問題ないが、
手持ちでそれが出来る280Tでは光量が足りない。360FGZではただのTTL
になってしまうが、これでも光量が足らないことが判明!!!ワンランク上の
500FTZではかろうじて光が届くことがわかったが、いかんせんただのTTLで
ある。TTLでは無駄な電池の消耗が大きいので、あまり使いたくないのだが、
光量の制御には照射角度のズーム度合いを変えるしかないようだ。

そんなわけで、600ミリF8構想は今のところ暗礁に乗り上げている(笑い)
昔、A2XーSを持っていたのを手放してしまったのが、今更ながら痛い。。。
600ミリではファインダーに入れるのが大変な上に、暗くてピントもつかみづらい
ので、まあ致し方なしか。。。。
最後の悪あがきでDGタイプの1.5テレプラスを落とした(元々持っていたテレプラスは
レンズ焼けがひどく、それが霞む原因になっているようだ)ので、450ミリF5.6構想に
切り替えようかと思っている(笑い)

本マクロ

2009年04月08日 | その他


2009年もいよいよシーズンインした。
気温も日毎に上がり、20度に届く頃合いになった。
今年は何年かぶりに春先の腰痛が復活してしまった。
こうなると、歩けば歩くほど腰に負担が行ってしまう。
シーズンが軌道に乗る前に、治しておきたいところだ。
最近、炭水化物を多めにとっていたので、若干メタボ化した
かもしれず、余裕のサイズであるはずのフィールドパンツが
今日はいたらきつかった・・・。
4月に入って一週間を過ぎ、トンボもシオヤトンボなど数種を
見かけたが、まだまだこれからという感じである。

ところで、シーズンに備えて、望遠テストをしていたら、その反動で
マクロ撮影がしたくなった。auctionで、リバースアダプターを手に入れ
最近遊んでいる24ミリシグマを逆さ付けすることにした。

早速近所の森でテストする。
道すがら橙色のチョウが縄張りを張っているのに出くわす。
キタテハにしては大きいし、羽音もすごいと思ったら、近所では最近珍しい
ヒオドシチョウだった。昔はこのあたりで多くはないものの、たびたび見か
けたチョウだが年に一、二度見かけるくらいである。



闘争心が強いのか?地面から飛び立ってたびたび当方の顔にめがけて突進してきた。
と、以上は200ミリでの撮影で、このあと、24ミリ逆さ付けにチャレンジとなった。



林縁に生えていた花。肉眼では赤い蘂は確認できないほど小さい。



これはよく見かける題材だ。

事前に自宅で少々確認したところ、相当近づくので露出倍数も相当かかる。
かなりの倍率なので絞り込む必要もあり、補助光が鍵となるが、通常のクリップオンでは
うまく光が回らないので、工夫が必要だろう。



カラスノエンドウにたかるアブラムシの大小を写してみたが、ピントをぴたっと決めるのは
難しい。スローシャッターにしたこともあって、ブレが出てしまった。
まあ、高倍率マクロにはまる予定はないので、軽く遊んで見た程度だが。。。。



上の画像の等倍切り出し。その気になれば、アブラムシの複眼も写せるのがわかる。