今年はトンボの年にするつもりだ。
だからほとんど夜の山にも入っていない。
しかし、この週末は天気が崩れるという。
そこで、興味のあった春の山の蛾を探索することにする。
狙いは、ウスベニトガリバなど未消化の種だ。
思い起こせば、今の自家用車を買って、初めて遠征に出たのは
このルートだった。どきどきしながら初めてのETCを体験し、
従来カセットテープだったカーステレオも遅まきながらCDにし、
自作アルバムのオムニバスを聴きながら山へ向かったことを
思い出す。
今夜も昭和の面影を強く残す町並みを山へ向かって走り、まずは
トイレのポイントで小休憩する。
予報では夜半に雨はやむとのことだが、小粒の雨が少々降っている。
昼間晴れて気温が上がっていたなら絶好の蛾日和なのだが・・・
土砂降りにならなかったので、多少は脈有りと踏んでの山行だった。
トイレでは、オオエグリシャチホコと小型のクビグロクチバ系を見つけた
のみ。ここはそうそうに切り上げ、橋のポイントへ。
いつもはかなり蛾影の濃いところだが、あいにく電灯が一個消えていて、蛾の
姿は少ない。カバナミシャク系はとりあえずスルーとし、めぼしい物をあたると
狙いの一つ マエモンハイイロナミシャクが結構な数見つかった。
また、ハイジロハマキ系も一頭見られたが、傘を差しながらの撮影がうまく
いかず、ピントを合わせられなくて残念。。。ハイジロ系は解剖しないと同定は
難しいかもしれないが、幾分大きめに見えたので、オオの方なのかもしれない。
そんなこんなで、目的のトイレに到着。
そこそこ蛾は来ているようだ。
最初に目にとまったのは、ウスバシロエダシャク。実は今更ながら初見だが、
一目でそれとわかった。ウスバキとは明らかに雰囲気が違い、確かによく見ると
赤みがさしている。
そして、トイレに入ると、いきなり一見シロジマシャチホコのような蛾姿(冒頭)
狙いのウスベニトガリバだ。珍種ではないが、タイミングが合わず今まで会えて
なかったので、初見だ。
そして、トイレの床で、これまた狙い通り クロモンキリバエダシャクを発見。
辺りを見回すと、そこら中にクロモンキリバエダシャクがいる。
低地のミスジツマキリエダシャク状態だ。
今まで会えなかったのが不思議なくらいの初見。
更に探索を進めると、キリガもいくつかいる。
アオヤマキリガだ。初見。
角っこでこっそりしていたウスアオキリガを見つける。これも初見。
ウスアオキリガには二タイプあり、その薄いタイプだと思われる。
窓辺を見上げると、これまた初見のキリガ。最初はアメイロホソキリガだと
思っていたが、ナカグロホソキリガだ。山地の普通種とのこと。
せっかくなので、いくつかキリガを集めて並べてみた。
キリガカルテット。
こちらはほとんど相手にされなかったスギタニ、アトジロエダシャク(真ん中はアオヤマ)
個室に入ると天井に大きなエダシャクが・・・
これも狙っていた ニッコウエダシャク。
独特な翅の形雰囲気は他に類似種がいないので、すぐわかる。
春の普通種で、今まで人のをさんざん同定してきたのに、自分は初見だ。
ハマキをはじめとしたミクロはほとんど見つけなかったが、このハマキは
何だろう?素直にネグロハマキなのか?
そんなこんなで、時計を見ると21時を回っている。
夜遅くなると生活が乱れるので、撮影もそこそこに切り上げることとする。
エゾヨツメやイボタガには会えなかったが、久々の探索で多くの初見を得られ
まずは効率が良かった。
帰り際、個室で未練がましく一応写しておいたエダシャク。
なんとこれも初見のハルタウスクモエダシャクだ!
そして山を下る途中、一応寄ってみた小さな明かりの影に隠れていたのを
偶然懐中電灯で見つけたのが今日の〆蛾。
懐中電灯で照らしたときは、青っぽく見えたのでウスミドリコバネナミシャクか?と
思っていたが、帰ってから画像を展開してびっくり!
昔同定したことがあるエダシャクだ。でも名前が思い出せなかった。
キバネトビスジエダシャクだ。
割合少ない種類のようだ。
そんな具合で、10種ほどの初見があり、効率的な山行だった。
あまり深夜に及ぶと生活が乱れるので、修正はまた時間のあるときに・・・
追記:そういえば思い出したが、一応タケウチエダシャクも狙っていた。
でもそのことを忘れていて、まじめに探さなかったのもあって、見かけなかった。