Days of Dragonflies & Moths

トンボや蛾に関わる記事中心。
当ブログの写真、文章の無断使用禁止。
写真集「関東甲信越のトンボ2010plus」

ノイズ処理

2009年12月26日 | トンボ
今日は暖かな一日だったが、雑用に追われフィールドに出ることはなかった。
先日、400ミリ+テレコンなど望遠テストを行ったが、結果は芳しくなく、
400ミリに二倍テレコンは常用のISO200ではかなり厳しいことが分かった。
勿論、被写体及び光のコンディションで如何様にもなるだろうが、順光地上
付近では400mmの弱点がテレコンで増幅されてしまい、収拾の付かない感じ
になってしまう場合が多かった。




800ミリF11相当。下は等倍切り出しのみ(お粗末)。
10メートル以上離れていると、本体が短めの超望遠仕様ではピントの山を出すのが難しい。
F4であれば1/1000で行けるところだが、露出が8倍かかるので、1/100より早くする
のが難しいため、このような被写体では動体ブレの確率が上がってしまう。

そこで、偽超望遠使用の際は、iso感度を上げる応急手段をとらざるを得ないが、
ペンタックスではノイズの面でやや不利なのが厳しいところ。




これらはiso800で写したもの。
(300ミリ単体で写したので、このサイズではどこに写っているのか分からない・・・苦笑)

そこで、等倍切り出し。




シャドウが多めだと、ノイズの量も悲惨な感じだ。作画のためにノイズをいれるのなら
話は別だが。

そこで、数年前から話には良く聞いていた有名ノイズ処理ソフトを試してみることにした。
フォトショップ(まだCS2。。。)や、SilkyPix(フリー版)でもノイズは処理できるが
あまり芳しくなく、殆ど使っていなかった。
思い立ってフリー版をダウンロードし、早速使ってみるが、フリー版では機能制限があり、
1024pixel四方しか処理できない。。。そこで、1024四方ずつ切り取り、タイリングして
見たが、つなぎ目がはっきり出てしまう・・・なんだこりゃ?・・・

せっかくの円高なので、正規版を購入。(3000円ちょい)
早速適用してみたところ・・・




うむ、悪くはない。ISO800画像には十分活用できそうだ。
音楽用でメロダインという音程修正ソフトがあるが、ボーカルにそれを施したもの
を聴いた時の感覚に似ている。つまり、普通に使うと、このソフトを使ったな・・
・と分かってしまう。
このソフト(プラグイン)は、デジカメの機種毎のisoプロファイルを備えており、
効率よくノイズ除去が行えるようだ。

結構使えることが確認出来たので、過去、ノイズが多くてその点で残念だった画像
をいじってみるか・・・と考えついた。
ノイズの多さと言えば、(故)FZ10。これは今から思うと随分ひどかった。
自分なりに気に入ったショットが結構撮れたが、最近の画像と比べるとノイズが
多いので、その点で残念と思っていたのだ。

いくつかピックアップして早速適用(笑)





下の二枚は適用前と適用後の等倍画像。




下は等倍。つるつるギリギリな感じ?(笑)でもレタッチはしやすくなる。
まあ、ギリギリの設定でないと良い絵は撮れないので、来シーズンも基本的にiso200でいこうと
思っている。


ついでなので、iso感度戻し忘れで後悔した画像も処理してみた(笑)
いずれもiso400に設定したまま撮影していたもの。



次は、iso800にファインシャープネスONが加わってノイズが凄くなっていた
画像。



いずれにしてもデフォルト設定のままで、かなりスマートにノイズを取り除く
事が出来る。勿論、元の画像が露出面などである程度ちゃんと撮れてないと
スマートな効果はあまり望めないが。
まあ、来年はisoの戻し忘れは無いように気をつけたいと願いつつ、こういう
後処理の選択肢も無くはないなと思う次第の歳の暮れであった。

300ミリ+テレコン vs 400ミリ

2009年12月22日 | その他
すっかり年の瀬も近づき、クリスマスも過ぎれば、テレビも年末一色に
なる今日この頃。
どこかで以前書いたが、普遍的日常を愛する自分としては、正月番組とか
特別なものがどうも苦手である。しかし、このところの世知辛い世相の
ためか?正月特番の時代劇を密かに楽しみにしていたりする。やはり歳
を重ねたと言うことだろうか。

それはさておき、以前より気になっていたことが一つあった。
300ミリにテレプラス1.5倍を噛ませたものと、400テレマクロでは、
どちらの描写が優れているのか?ということである。
400ミリテレマクロは比較的軽量とはいえ、胴体は長いし、やはり重い。
300ミリはそれに比べると短いし、テレプラス1.5倍は装着感も少なく
コンパクトな手軽さがある。実は、今日もテレプラスが付いていると知らず
に外に持ち出して写していたりした・・・。

春先やシーズン末に行った実験で、テレプラスではフレアが出やすいこと、
400テレマクロのフレアも相当なものであることが分かっている。
いずれも、地表に近い部分や水面の乱反射の影響を防ぎきれないということ
であるので、曇天や木陰での撮影では写りにあまり支障はないことも確認
している。

要は、単体レンズとしての400ミリのアドバンテージがあるやなしや?
を確認したいということである。

近所だと人目もあるので、少し離れたフィールドへ両レンズを持ち出し、
ボディは三脚に固定、レンズだけ交換という形で、殆ど同じ撮影条件で
写りを比較してみることにした。



上:1)300ミリ+テレプラス 1/90 開放(f5.6相当)
下:2)400ミリ 1/90 開放(f5.6)



上:1)の等倍切り出し  下:2)の等倍切り出し



上:1a)300ミリ+テレプラス 1/180 開放(f5.6相当) 
下:2a)400ミリ 1/180 開放(f5.6)



上:1a)の等倍切り出し 下:2a)の等倍切り出し



上:3)300ミリ+テレプラス
下:4)400ミリ



上:3)の等倍切り出し 下:4)の等倍切り出し



上:5)300ミリ+テレプラス
下:6)400ミリ



上:5)の等倍切り出し 下:6)の等倍切り出し

とまあ、結構しっかり比較してみた。
わかったことは、400ミリはやはり色乗りが薄いこと。
300ミリ+テレプラスよりも400ミリの方が大きく写ること。
(テレプラス1.5の実倍率は1.3倍弱程度とどこかで見た覚えがある)
マニュアルピント合わせなので何とも言えないものの、300ミリ+テレプラスの方
が、僅かに解像感があるような気もするが、ちょっと見た感じでは両者の描写には
当然ながら殆ど差はない・・・ということは、400ミリのアドバンテージは、殆ど
無いかも?

純正テレコンを手に入れるか?迷っているのだが、300ミリでは後玉が引っ込んでいない
ので、テレプラスでも十分後玉と近く、画質的ロスは少ないはずで、純正を入手する意味
は、フレアをより少なく・・・という感じだろうか?とはいえ、純正もデジタル専用設計
ではないのでどこまで差が出るかは何とも言えないし、F5.6レンズはやはり使用範囲が
限られるのでウーンという感じだ。あとは収集欲との相談か?笑。

今年を振り返って

2009年12月21日 | トンボ
今年も残すところ10日となった。
今年もお陰様で仕事に恵まれ、どうにか一年を過ごすことが出来た。
当方、他の方々より先駆けて、一応、昨日で年内は仕事納めとなり、
なぜか例年になく、この上ない解放感に浸っている次第である。
やっと一年の区切りの意味を理解できるようになったということなの
かもしれない。
まだトンボ探索に出かける気はあるが、12月半ばを過ぎて急に冷え
込みが厳しくなり残存トンボの確認も難しくなったかもしれない。



今年は仕事にも恵まれたが、同時にフィールドに多くの時間をかけられ
もしたという願ってもない効率の良い一年になった。
夏には以前よりお世話になっている学芸員の方のご厚意により、写真展
に匹敵する内容の展示を公共機関でやっていただくなど名誉なこともあり、
仕事にしてもフィールドにしても、後年自分史に残るような中身の濃い
内容だったと言えるくらい充実した一年であった。



今年は過去10年と比べてもフィールドに出るチャンスが飛躍的に増えた
ため、シーズン前からトンボの年と決め、未撮影種探索も積極的に行った。



その甲斐あって、上半期の内に、一部不完全ではあるが、関東甲信越土着種
一通り撮影という大きな目標を達成することが出来た。



これにより来年は明確な目標が無くなってしまったが、より中身の濃い、より
完全な関東甲信越土着種撮影を目指したい(笑)

このように、これ以上ないすばらしい年であったのは間違いないが、同時に、
残念なこともあった。



長年大事に運営してきた掲示板の削除があった。
まあ、削除したのは自分自身なので、結果的には自分が悪い・・・それだけの
ことなのだが、それに至るまで、公私紆余曲折あったのも確かである。



概要はホームページに一月にわたって掲示したが、大まかな理由はそれとして、
こうなってしまった背景を当時の状況からご理解いただける方もおられると思う
ので、詳しくは割愛する。教えてクンや希少種云々が問題なのではない。
他人の悪口や自身の言い訳といった第三者が見て不快に感じるような内容を自身の
ブログで書くならまだしも、公の掲示板にわざわざ書き込むという精神衛生、社会
通念(というより公衆道徳)の問題である。



さて、つまらない話題になってしまったので、今度は機材の話。

今年はじめから安物の機材を色々揃えて、無駄なあがきをしていた自分で
あったが、その中のいくつかは実地で確かに役に立ったことは先日も述べた。



特に、300ミリ、400ミリはいくつかの場面でその効果を試すことが出来た。
400ミリに関しては、光線状態を選ぶので、活躍場面は思ったよりも少なく、
途中知人に貸すなどしたこともあり、シーズン後半は殆ど使わなかった。
しかし、300ミリの他、気休めに買ったテレコンも少しは活躍した。



元々テレコンは応急用として揃えたものであり、どうしても大きくフレームに
入れられない場合に、応急用としての役割は十分に果たした。



今年のフィールドで印象深かったのは、何度か訪れた高原探索である。
去年、初めての高原探索を行い、すっかりそのすばらしさに魅了されてしまい、
時間のとれた今年は迷うことなくそのためにより多くの時間を割くこととなった。



すっかり蛾に関してはお留守になってしまった今年だが(夏に蛾の投稿が続いたこと
があるが、実は掲示板を削除するなどして落ち込んだ気分を紛らわすためにやってい
たことである)、夏の高原で以前より会いたいと思っていた種に出会うなど、僅かな
がら成果は確かにあった。



トンボに関しては高原探索の成果は種々の事情から思ったほど上がらなかったが、今年
も夏にいくらか時間がとれて夏のトンボ撮影を楽しむことが出来た。
15~20年前は色々な種類を見るために相当苦労してあちこち探したものだが、長年の
フィールド経験によって短い時間で多くの種類に効率よく出会える術も確実に身についた。



そして、今年は撮影に対する意欲がデジ一眼を揃えた2005年以来の高まりを見せ、
より確実に写すという事を一つのテーマに撮影を続けた結果として、個人的に写真
集を出すことになった。



写真集を出すのは、純粋に自分の写真を紙で見て欲しいという気持ちが根底にあって
のことだが、正直言うと、恥ずかしながら、長年トンボ専門家としてやってきたとい
う意地みたいなものもあった。
幸い、写真集に興味を示して下さる方も何人かいらっしゃり、当方の決意も無駄にな
らずに済んで良かったと思っている。当方の写真集を入手された方々の思し召しを無
駄にせぬよう、新たに写真集を作り、当方がお世話になった複数の公共機関に寄贈す
る予定である。晴れて寄贈完遂の暁にはホームページで公表するので、お近くに寄ら
れた際には、是非手にとっていただきたいものである。



そんなこんなで激動の一年も過ぎ去ろうとしている。
来年は今年の経験を生かし、勿論、更に高みを目指したいと思っている。
来年はどの程度出られるかはまだわからないが、充実したフィールド行を
したいものである。
尚、2009年の個人的トンボ初見は4月7日、終見は12月8日だった。
当方では、昨今のインターネットによる情報の氾濫を嘆き、一石を投じる意味もあり
今後も基本的に出現情報や産地情報などは出さないつもりである。ここ数年、
気軽に産地の情報(特定に至らないまでも、それに準ずる記事を含む)を垂れ
流すブログが増えているが、今後は心してもらいたいものである。

師走のトンボ

2009年12月01日 | トンボ


そんな具合で、11月は今年最速のスピードで過ぎて行った。
冒頭の絵は、前々回のパロディのつもりなので流してもらえるとありがたい。
一応、師走のミヤマアカネではあるが。

色々写したいシチュエーションはありつつ、トンボも気力もF.O.して行く
この時期である。
一応、200ミリでのホバー撮影、この前写し損なった横長の広角ショットなど
課題はあったのだが、肝心のトンボが協力してくれないとなかなか出来ない
ことばかりだ。



90ミリチェックの時に、イマイチ寄りが足らなかったシチュエーションで、
90ミリでの撮り直し。ボケ具合はやはりいい感じだ。
キトンボも同じようなアングルで待っていてくれるのがありがたい。

先日よりも微妙に気温が高いためか?キトンボの動きは割と活発で、
今ひとつ落ち着きがないので、道ばたのミヤマアカネを広角で写し
てみる。



とにかく低いので、ファインダーがまともに覗けず、水平なんかとってる
ゆとりがない。ライブビューも試したが、見づらいので、慣れて目安に
する程度が関の山か?その内、スカウター方式のファインダーとか出て、
便利になるかもしれないが・・・・あ、そうかアングルファインダー揃え
ればいいのか。
ミヤマアカネを一生懸命撮っていたら、顔になにか止まった。




珍種のカオアカネだった。

本当のところ、今回は200ミリを大事に使って機嫌をとる回にしようと思ったのだが、
だんだんトンボの動きも単調になってきたので、広角メインになってしまった。
せっかくなので、色々な角度からトライすることにした。



楽な上からのアングル。広角を使えば、何の苦労もなく撮れる。



広角で正面から寄る。バックに懲りたいのだが、この角度と低さでは難しい。。。



今回のメインテーマにしたかったショットだが・・・
要は、順光で影が映ってしまい寄れない。



最短まで寄って先日と同じようなアングルでのショットの横長版。
ごちゃごちゃして窮屈で見づらい画像になってしまった!



静止画はf22まで絞ってパンフォーカスに近い形を目指し、その兼ね合いで
1/45までシャッタースピードを落としているのだが、飛び立ったときにす
かさずf8、1/500にしてホバリングを狙う。当方マニュアル一辺倒なので、
結構大変な行程だ。



あまりしつこく写しているとトンボが気の毒なので、先日同様手のひら上
ショット。今回は広角版を写す。
今シーズンは年越しアカネを狙いたいところだが、どうなることやら。

とりあえず、途中経過。一週間後のキトンボ。