Days of Dragonflies & Moths

トンボや蛾に関わる記事中心。
当ブログの写真、文章の無断使用禁止。
写真集「関東甲信越のトンボ2010plus」

百蛾夜行 第十四巻

2008年08月30日 | 


帰郷して少しからだが空くので、どこかに出かけようと思っていたら
これでもかと悪天続き。
しかしこの手があった。
夏の山を目指し、未見のカトカラを写す。
これはまだ今年実行出来ていないことだった。
二日ほど地元はひどい雷雨が続き、山へ出かけるのも恐ろしい気がするが
調べると山の方はあまりふっていないらしい。

晩飯を食ってしばらく様子を見たが、大丈夫そうなので、
久々の奥地行きを決行することにした。

山にさしかかろうかというところで遠目に自販機にとまるカトカラ風の
影を発見。かなり大型だ!これはひょっとして・・・・
ただのキシタバだった。キシタバの存在だけ綺麗に忘れていた。苦笑。
そんなこんなで、まずは、自分とは極めて相性がわるい神社のポイント。
ここは、自分の巡っている場所の中では最も蛾相が充実している
はずだが、日頃の行いが悪いのか?行ってあたったためしがない。

現地に着くと、蛾影はそこそこ出ている。
これは期待出来るかも?。。



見られた主なメンバーはこんな感じ。
一段目
@ツマジロカラスヨトウ・・・今まで何度か会っているが、いつも高いところにいて
ちゃんと写せなかった。今回も高い天井にくっついていたのを見つけて、またか・・・
と思っていたら、別のところで目の前にいるのを発見。目出度く近接ショットをゲット。
@ニセキバラケンモン・・・二カ所で見られたが、いずれも偶然下翅を見せてくれて、ニセと
判明。
@アオアカガネヨトウ・・・見事なカラカネ色の綺麗な蛾だ。この類に遭遇するのは二度目。
近似種にやや暖地性のカラカネヨトウがいて紛らわしい。一番内側の線がややはっきりとカー
ブを描く特徴は、アオアカガネヨトウ的と思われる。
二段目
@ヒトテントガリバ
@ネズミエグリヒラタマルハキバガ・・・だと思う。大きさを測ってない・・・・
@トビスジシャチホコ・・・同定の面倒な仲間。合ってるかな?
三段目
@アトキハマキ♂・・・見かけたとき、肩がはっきり淡色に見えたので、未見のカタカケ?と
思って写したらアトキだった。
@イタヤキリガ・・・調べてないが多分。
@ハガタクチバ・・・毎年同じところにいる
四段目
@オオトビエダシャク・・・巨大なエダシャク
@マツオオエダシャク・・・夏の山の定番
五段目
@アミメリンガ・・・白地に達磨の顔のような模様
@カシワマイマイ♀・・・♀は巨大でなまめかしいピンク。熟女系?

そんなこんなで、先行きが危ぶまれたが、とりあえず初物と目される一種をゲット。



左 オオヨスジアカエダシャク・・・大きめだったので写しておいた。後で別地点で多数見た
ヨスジアカはずっと小型だったので、横線の状態等も鑑みてオオヨスジでよさげかな?
右 ただのハナマガリアツバ・・・見かけたときにピン!と来たが、確認したらただのハナマ
ガリアツバでした。お粗末!



あたりで見かける大型種はヤママユとシロシタバばかり。
どちらも数頭~10頭は見かけられた。
でもこんなものかな~。。。。
時期的には微妙ながらオオシロ、そして、ベニを狙っているのだが、気配すらない。
そんな中、一頭だけ見かけないカトカラが現れた!



初めて見る種だが、一目でそれとわかった。ノコメキシタバ。
珍種ではないが、とりあえず神社に来た甲斐はあった。

あまりゆっくりもしてられないので、山をおり、ショートカットして別の地点へといくことにする。
途中、ログハウスがあったので見てみると、明かりに多少の蛾が集まっていた。
でもカトカラは、キシタバだけ。



チャマダラエダシャク率いるウスアオシャク、トビスジシャチホコ部隊。
右は最初見たとき、甲虫とがが向き合って何かしているのか?と思って写したら
こんな残酷な場面だった・・・冷や汗。シロモンオビヨトウを食するサビキコリといったところか?

カトカラの収穫が(いつもながら)芳しくないので(LTやらないんだからある意味当たり前)
移動して県境付近にまで足を伸ばす。
途中の道の駅でトイレに立ち寄ってみると、これがいた。



シロスジエグリシャチホコ
写そうとしたら偶然他の蛾がぶつかってきて反射的に擬死体勢をとっている。

そして久々の県境越え。。。去年、ムラサキを結構見たところだ。



しかしこちらも芳しくない。毎日通えば、何か撮れるかも?(絶対無理)

その少し手前の場所の自販機でのことだが、いい物を見つけていた。



スカシカレハ。結構大型なカレハ蛾だ。このワイン色が好みだ。勿論初見。

さて前後してしまったが、頼みのポイントではめぼしいのはこの位。。。



左は悩み中、外横線が二列の点列になっていることなどで当面スジアカヨトウにし
たが、やっぱりカドモンヨトウあたりが無難かな~・・・保留。
右は、確認してないがニセの方でオーケーだと思う。(確認しました)



その付近で見かけたノメイガ。
キイロフチグロノメイガとした。フチグロノメイガが三種にわかれ、特に、キイロとただのフチグロは
区別が難しいが、前翅外縁が若干出張っているので、キイロにしてみた。

さて、結局、奥地まで行って殆ど収穫らしい収穫もなく、それでも初物は一応何種か撮れたようだし
帰ろうか?と思ったが、出がけにケチって2000円分しかガソリンを入れなかったのが、何とかもち
そう・・・とわかったら、空模様がもったいなくなった。小雨の絶好の蛾日和なのである。
そこで、もう一踏ん張り。いつもの低山に寄ってみることにする。

確かに寄った甲斐あって、多数の蛾を見れたが、多分、知った顔ぶればかりだったと思う。
その中からの抜粋ショット。



夏の外灯巡りでは蛾ばかりでなく、色々な昆虫に出会うが、その中からいくつかピックアップ
してみることとする。



左は時々灯火下で会うミミズク。今回は正面からのカットに挑戦。
雨模様で傘をさしながらであまり自由にアングルを選べなかったが、顔が苔生したように
なっている。葉っぱの葉緑素が付着か?
ミヤマは夏の山で少なからず見かける。最近の桑株ブームは大したもので、休前日の夜などは
蛾のポイントで必ずと言っていいほど家族連れを見かける。相当遠くから来ている人もいるようだ。
しかし人が蛾の撮影をしているところに見境泣く割り込んできてその辺を漁ったり、♂ばかり捕まえて
いくのには閉口する。子供よりも大人の方が夢中になりすぎて血眼になっているのは何とも・・・。



面白い模様の羽を持つマダラウスバカゲロウ、サキグロホシアメバチ?
大きくて綺麗なアオクチブトカメムシ(カメムシは特ににおいが嫌いだけど・・・笑)
定番カマキリモドキの仲間。

関西出張

2008年08月26日 | トンボ


今年は何と真夏の大阪出張となった。
長い滞在、そしてハードな仕事内容。
果たして無事乗り切れるのだろうか?滞在費用はどうしよう・・・。
種々の不安を抱えつつ大阪入りした。

幾らハードとはいえ、24時間働いているわけではないから、
仕事が終わってホテルへ帰って寝るまでの時間くらいは自由になる。
今回はハードで長期だが、その代わり、オフがとれる!!!
願ってもないトンボ遠征のチャンスだ!
真夏に関西となれば、まずはこのコースを考えるのが定石か。。。
時期的にはまだ早いか?というより、暑さは大丈夫なのか?
これまた種々の不安があったが、寝る前の時間を利用して、
電車の接続などを調べ、体力を温存するように努めて、オフを待つ。

さて、最初のオフが訪れた。
前夜はなかなか寝付けず、3~4時間程度眠れただろうか?
7時前には起きて、早々にホテルを後にし、乗り慣れぬ地下鉄に乗り込む。
電車を乗り継ぎ、目的地に近づくに連れ、窓からの景色の素晴らしさにしばし見とれる。
山々が朝霧に包まれて神秘的な様相を呈していた。

睡眠時間がやや不足していることもあり、大事をとって駅前でタクシーを拾う。
乗車してほどなく、よさげな浜辺についた。
当人はいきなりの探索モード。待ちに待ったオフなだけに、堰を切ったように
目標物を探し始める。



最初の目標は程なく現れた。
しかし、さすがはサナエ。容易に近づくことは出来ない。
何度目かでやっと近づくことを許してくれた個体がいた。
勿論初対面である。



現地付近は昔から特殊なトンボ相で知られていて、しかも各個体数が多いことでも
有名だった。
しかし、昨今の水上スポーツブームの影響で羽化の失敗が続出し、繁殖を脅かして
いるという。



浜辺にはコウノトリ(嘘)が・・・・。



最も多く見られたのは、この羽化殻だ。尤も、オオヤマはどこにでもいる種類だから
環境変化にはかなり強いだろう。深刻なのは、本州特産の稀種二種なのである。



それでも幸運にも何度かシャッターチャンスには恵まれた。
意気揚々と引き上げ、駅前の昭和を彷彿とさせる喫茶店でピラフとアイスコーヒーなる
ものを注文し、デジカメの液晶を見ながらにんまりしている男がいた。

さて、早々と第一の目標を達成してしまったが、こうなると欲が出てくるのが
人情というもの。
実はオフはもう一日ある。
体力的には不安が残るが、もう一つ、まだ見ぬトンボへの憧れを具現化出来るかもしれない。
それからは、体力温存に努めつつ、週間天気予報チェックに余念のない夜が続く。
しかし、どうもオフの日は雨模様のようだ。。。。しかも降水確率50~60%。。。。
まあ、何年後になるかわからないが、また来ることもあるかもしれないし、もう一つの目標は
秋のトンボだから時期尚早という話もあるし・・・。
しかし、なんとラッキーにもオフ前日の予報では、オフの日は晴れ!!!
雨だったら何となく散策してまたの機会につなげようと思っていたのが、一転して完全フィールド
モードになるのは至極当然の流れである。

オフ当日。
やはり7時前に起きて、早々にホテルを出、地下鉄に乗り込む。
大阪の地下鉄は乗り慣れない者にとっては、非常に乗り換えが厄介だ。
尤も、大阪の人が霞ヶ関付近に来たら同じ事を感じるだろう。
この日は、Kさんから教わったポイントに直行することにした。
電車を乗り継いで駅に着き、そこからタクシーで現地へと行く。
多分歩いたらたどり着けないようなところだ。
それでも最初は路線バスなどを調べて、なんとか歩いていく方法も
模索していたのだが、結局、体力温存のためにタクシー利用を選んだ。

現地に着き、岸辺に出ると、いたっ!
なんともあっけない出会いだった。
飛んでいるところは、成熟したカワトンボみたいだ。



10年来の憧れのトンボである。
嬉しさのあまり、その場でお礼の電話をしてしまった。
そして、そこにまたタクシーを呼び、今度は今回訪れたかった某里山へと向かう。
運転手さんも行き先のことはよく知らないようで、会社と無線で連絡しながら、
乗せていってくれた。

次なる場所につき、とりあえず草を分け入って藪に入ってみると、
文字通り藪の主が現れた。ちょっと徳をした気分になる。



そして池におりるとこれがいた。



関東にも進出してきているというトンボだが、自分はまだお目にかかれていない。
とても敏感で接近してショットが撮れない!
しかし30分ほど炎天下で粘った甲斐あり、どうにかここまで寄ることが出来た。

その後、そのあたりの野山をしばらく散策し、まだ時間がありそうなので、
思い切って強行軍を決行することにした。
今度は歩いて最寄りの駅へと向かう。
最寄りといっても数キロ離れているから、ものすごく急ぎ足で、大汗をかきながら
道を急ぐ。
しかし・・・・なんだか道が上り坂になってきた。
ちょっと変かも?と思ったが、道幅が一旦広くなったので、かまわずまっすぐ進んで
いたら行き止まりになってしまった!ガッデム。
しかしそこでくじけるわけにはいかない。
大急ぎで道を引き返し、町の見える方向を目指し、途中、田んぼのあぜ道を通って
ショートカットして駅に向かった。

駅は無人駅である。
乗りたいと思っていた時間にはつけなかったが、やがて電車がやってきた。



なんとも言えない雰囲気の電車だ。しかし嫌いではない。
そしてまた電車を乗り継ぎ、前週に訪れた付近を目指す。

しかし次なる現地についたのは、夕方6時。
夕刻にも活動するとは思うが、間に合うだろうか?
不安に思いながらも、駅から早足で現地へ向かう。

携帯片手のバスフィッシャー達を横目に見ながらしばらく歩くと
ボチボチ現れ始めた。



関東より日没が遅いとはいえ、まわりはどんどん薄暗くなっていくが、
敵は相変わらずすばしっこい!
なんとかすり足で近づいてアップを納めることが出来た。

♀は♀で固まって仲良く並んで卵を産んでいたが、波打ち際にいて
波がきた瞬間に飛び上がって水際に卵を落とす。
これを繰り返すわけだ。
結構非効率的な作業にも見え無くないが、こういう段取りを踏むことが
種の存続にきっとつながるのだろうと思いながら観察した。



波打ち際に止まる♀は砂がどうもすべるらしく、バランスを崩しっぱなしだった。
ちょっと気の毒な光景だが、その光景もまぶたの裏にしっかり焼き付けさせてもらった。

仕事での遠征は今までも数多くあったが、はじめて有効活用させてもらった。
なぜ今まで活用しなかったのか?今にして思えばもっと早くこの手を使うべきだった。
兎にも角にも、目出度く4種を新たにゲット。

やっとの思いで帰郷したらすっかり秋の様相を呈していた。
今年の夏は短かったのかもしれない。

夏休み特別企画 高原探索 6(8.1 昼)

2008年08月02日 | トンボと蛾


今回の旅行は、カケな面も多々あったが、幸い天候にも恵まれ、夕立や雷に
会うこともなく、非常に効率的な高原初体験となった。
二日目を終えて、トンポは中途半端な収穫しか残らなかったが、それを補って
あまりある成果があった。数日前に、高山蝶探索オプションを思いつかなければ
憧れの蝶には会えなかったし、その分家族も喜んでくれたので、良かったのだと
思う。

最終日の朝も7時過ぎに起床。
そして自分に残された時間は、チェックアウトまでの小一時間のみ。
早々に朝食をすませ、湿原へと足を運ぶ。
こうなったらちゃんと確認できていないホンモミリトンポ一点狙いだ!

朝方とはいえ、陽が射すとたちまち汗ばむような陽気になる。
案の定、湿地を訪れると、エソトソポ系の♂が縄張りを持っている。
なんとかショットを押さえるべく、早速撮影に入る。
しかし、どうもターゲットとは違うような気がしてきた。
どこかでみたような感じなのだ。



でも、とにかくちゃんと写して、種類を確認するしかない。。。
尾端の背後からの写真も含め、撮影を続けていると、一頭のエソトンボ系が
こっそりヒョロヒョロと現れ、その辺をくねくね飛び出した。
最初は♂に見えたが、行動を見ていると、産卵中のようだ。
これこそ、ホンミモリトソポ♀だ!!!
しかし早くも時間がのこり僅かとなってしまった!!
焦りつつも、どうにか二、三枚シャッターを切ることが出来た。



特徴ある腹部の黄斑・・・間違いなくホンミ♀である。
しかし、その♀は縄張りを持っていたエソ系の♂とニアミス・・・
どうなるかと息をのんで見守ったが、意外にも、♂はホリミ♀には
無関心だった。
どうやら湿原のあちこちで縄張りを張っているのは、ただのエソトンボ
だったようだ。どこかで見た感じだがすぐに気づかなかったのは、自分が
低地産のいわゆるオオエソトンポに見慣れているため。一回り小型な高地
のエソトンポにはすぐに気づけなかったのである。
時々、♂の縄張りに気の弱そうな別の♂が入ってきて瞬時に追い払われて
いたが、それがホリミモソだったのかもしれない。

それにしても、かれらはお互いをどうやって見分けているのだろう?
案外、特徴ある黄斑で見分けているのかも?とふと思った。
ホリミ♀はそれきりどこかへ姿を消してしまった。
二日目の朝になる前にこのポイントに気づいていれば・・・と少々悔やまれた。
(二日目は宿の回りで蝶を撮っていた)
満足出来るショットは押さえられなかったが、またの機会を楽しみにしたい。

時間も迫ってきたので、湿原をあとにし、初日、二日目と訪れた水辺を三度訪れる。
案の定、水辺には昨日までどこに隠れていたのか、ルリイドトンホが何頭か飛び交って
いる。



時間がないので長靴を履いてこなくてあまり寄れなかったが、より確実な
ショットを押さえることに成功。

二日間世話になった宿に戻りいよいよチェックアウト。
そのまま帰るのもなんなので、家の者が見たいと言っていた滝見物に出かける。
ところが、この滝へのアクセスはアップダウンがきつく、三日間で最も困難な
道のりだった。やっとの思いで滝にたどり着くと、カメラマニアがいいポイントを
三脚を立てて占領していた。これも一種の迷惑行為に近いものかも?と感じた。
綺麗な風景を写真に納めることはそれはそれで素晴らしいことだが、大勢でその場を
占拠してしまうのは、やはり良くないことだと思う。そんなことを思いながら、付近
を見渡すと、ルリポシヤソマやタガネトソボが時折飛んできて、歓迎してくれている
ようだった。



滝の近くでは数頭のセフィルスが飛び交っていた。
今回はセフィルスとの出会いも期待されたが、そちらはちょっとハズレだった。
でも、くたびれた個体とはいえ、ギリギリで出会えたのでまあ良しとしよう。
(セフは種類の見分けはよくやらないがオオミドリかな・・・)

滝も見れたし、家族に相談して、アクセスしやすいもう一カ所の水辺にちょっと
だけ立ち寄らせてもらうことにする。
水辺に着いてあたりを見渡し、思わず唖然とする。
辺り一面トンポの天国だったのだ!



ルリイドトンボをはじめ、この辺りのトンポは時間帯、気温、天気に非常に敏感だった。
水面を飛び交うルリイドは、日が照って暑くなると一斉に岸辺に飛来し、葉上に集まって
休息する。前々から知っていた習性だが、実物を見るのは初めてだった。
オセイトやエソイトよりも標高に厳しいトンポだけのことはあると思った。



水面をルソイト、エソイトが飛び交い、オオルソポシヤソマが産卵し、時々、ヨシポシトンボ
やタガネトンボがホバリングしながら通り過ぎていく。正にトンホの楽園だ。
そして、何と、何と、何と!



あきらめていたカオシロトンボがよろよろ飛んでいるではないか!
最後の土壇場でカオシロトンボにも会えるとは!
今回は随分遠回りをしたが、終わってみれば、目標の全てに会うことが出来た!



足場の都合であまり近寄れないが、こうしてカオシロトンボのショットも
なんとか押さえることが出来た。

この遠征、自分にとっても今までにないくらい充実した三日間だった。
三日とも時間をフルに使って歩き回ったが、充足感こそあれ、疲れは不思議なほどない。
(滝のアップダウンで筋肉痛が出たくらいか・・・)

夏休み特別企画 高原探索 5(7.31 夜)

2008年08月01日 | トンボと蛾
さて、二日目は主にチョウチョを中心に自分としては
かなりの成果を上げた。
トンボに関しては、写真は満足に撮れていないものの、
目標としていた4種の内2種半(笑)には出会えた。
こうなったら、予想に反してイマイチ成果の上がらない
トンボの分も、夜の蛾で取り返したいところだ。

6時には宿屋にもどり、晩飯を堪能して、風呂にゆっくりつかり
再び夜の蛾探索に繰り出すことにする。
昨夜、蛾のそこそこ見られた宿屋の明かりは消えていたが、
玄関先に見慣れぬシャクガの裏姿が・・・・
こりは・・・エグリイチモジエダシャクではなかろうか?
まだ見たこともなく、結構大きめなので種類名は今ひとつ
自信を持てないが、しっかりとショットは撮らせてもらった。
(調べたらエグリは余計で、ただのイチモジエダシャクだった)
更に、近くの外灯をあたってみるが、そこそこ蛾はいるものの
カトカラなどの大物は殆どいない。(ワモンキシタバだけは
沢山いるが・・・・)
昼間、曇りがちだったので、夜の成果が期待されたが、空を見上げ
るとまたまた降り注がんばかりの満天の星空である!
それでも、アオバヤガ、オオフタオビキヨトウをはじめ、いくつかの
未見種を撮影出来た。
更に、車で山の上の方まで行って明かりを回ろうとしたが、人目が気になり、
何も見ないで帰ってきてしまった(もったいない!・・・)
帰りがけにもう一度外灯を見回り、暗がりを懐中電灯で照らすと、以前より
会いたかった「蛾界のヒオドシチョウ」アトヘリアオシャクに初対面!
地味なシャクガ系中心だったが、見回っただけの成果は収めることが出来た。
出来れば、オオシロシタバやベニシタバを狙いたかったが、またの機会という
ことで・・・



この晩の成果はこんな感じ。
オオフタオビキヨトウ/カドモンヨトウ? /オオシラホシヨトウ?/アオバヤガ
キマダラツマキリエダシャク(割とレア)/イチモジエダシャク/アトヘリアオシャク
他に、部屋に紛れ込んでいたシロフコヤガ風の蛾を改めてみてみたら、未見のヒメハマキ
だったので、一応写しておいた。

(8.1 いよいよ最終日! へと続く)

夏休み特別企画 高原探索 4(7.31 昼-2)

2008年08月01日 | トンボと蛾
蝶ではまずまずの成果を上げ、更に子供を少し遊ばせてから、
宿屋へと戻ってきた。
時間を見ると、午後3時を過ぎたあたり。
時間的には昨日の感じからするとトンボの期待薄だが、
せめてポイントの下見だけでも。。。と再び出かけることに
する。
明日は、いよいよ最終日で、自分にあたえられた時間は、
朝飯後の小一時間+αといったところ。
その時間に確実に成果を上げられるように、ポイントを絞っておこう
というわけだ。

日没までは若干時間があるので、高原の道を歩いてあちこち回ってみる。
まずは、まだ訪れていなかった別の水辺。
ここは、ルリイド未見の場合の最後の保険としてマークしておいたところだ。
しかし、水際へのアクセスは難しく、ほんの二カ所ほどしか水辺に近づけない。
注意深く、踏みあとをつけないように固い地面を八艘飛びして水際に出る。
そして、そこでやっといい加減会っておかねばと思っていたルリイドトンポと
初対面。
最初は、真っ黒なイトトンボを見つけた。程なく、それはルリイドトンポの♀と
判明。その直後、念願の全身ブルー、ルリイドトンポ♂に出会ったのだ!
しかし、遠い・・・・



200ミリでも引き寄せられない距離にいたのだ。証拠写真にしかならないショットを
二、三枚・・・とほほ。
まあ、一応写せたから良しとするか・・・と自分に言い聞かせたが、思えば、トンボの
確実なショットはまだ未見種に関しては一枚も押さえられていないではないか___。

とりあえず、リルイトは見れたので、別のポイントを探しに出かける。
日没まで時間は二時間ほど残されている。
今度は歩いて奥地にまで入っていくことにする。
時々、キイロスズメ蜂が現れ、しつこく体の回りを旋回するが、無視し続けていれば
やがて飛び去るので、それにめげることなく山道を登っていった。
途中、所々にちょっとした湿地があったが、アオイトンボ以外トンポの姿は皆無!



奥の奥まで行って写せたのは、シロモンクロエダシャク♀(既見)だけ(笑)

何だかな~と思いつつ、まあ、高原の空気でも堪能しておこうなどと、のんきに構えつつ
再び山道を降りはじめた。しばらく進んで、傍らの湿地というか草地を覗いて、思わず
息をのむ。。。コヒョウモンモドキだ!
湿性植物の花穂てっぺんにちょこんと止まって翅を立てている。この種がどの位珍しいか?
は忘れたが、いずれにしても初めて会う種類だったので、押さえショットを写しながら慎重
に近づいた。すると、コヒョウモンモドキは、まるで大サービスをするかのように、翅を目
一杯広げて見せてくれた。素晴らしい高原のチョウだ。



思わぬ収穫を得て、相変わらずトンボの成果はないものの、副産物で満足しつつ、更に下ると
初日に訪れた水辺の近くまで来た。その水辺の少し上に、獣道のような踏みあとがあって、
少し気になっていたので、試しに辿ってみると、そこにはミツガシワの群生する沼地があった!
これは何か期待出来るかも?・・・・



しかし周囲は相変わらずアオイトトンボだらけだ。
昨日までは写す気さえ起きなかったが、トンボの画像が寂しいので、とりあえずちょこっと
写してみた(というより、未熟個体の側面ショットを押さえておこうと思って写したのだ)

周辺を洗ってみたが、次々と草むらから飛び立つのは、羽化したばかりのアオイトのみ・・・。
否_一頭だけ違うのがいる!!!まさか!?
な、な、何と!!!



それは今回の目的の一つ、ムヅアガネだった。(もちろん初見)
ムヅアガネはそのあたりでは、たいして珍しい種類ではないのだが、
今回の時期が微妙だったので、なかなか会えなかったのだ。
大体7月末あたりから羽化をはじめ、むしろ晩夏から秋に見られる種類だ。
今回の時期は、没し時期のカオヅロと羽化期のムヅアガネを両方狙える反面、
両方外してしまうカケだったのである。
しかし、なんとかその一角ムヅアガネのショットは押さえることが出来た!
結局、ムヅアガネはこの一頭に会えただけだったので、直前の思いつきが
功を奏した訳である。

そんなわけで、狙っていた高地のトンボの内、ルトリイトンボとムヅアガネは
確認出来、リルイトはちゃんと写真が撮れてないけど、まあいいか___と
すこし安堵しつつ、ムヅアガネ撮影の喜びをかみしめつつ宿に戻った。

(7.31 夜の部 へと続く)

夏休み特別企画 高原探索 3(7.31 昼-1)

2008年08月01日 | トンボと蛾
翌朝は7時過ぎに起床。
昨日の失敗もあり、1日使えるこの日はどこに行くか
大いに悩んでしまう!
初日に軽く高山トンボ三種を押さえておけば、余裕のフィールドだったはずだが・・・
実は、迷ってしまう大きな理由があった。
それは高原行きの数日前に、調べ物をしていたら未見の高山蝶の可能性も
出てきてしまったからである。
自分は、今はトンボがメインだが、昔はチョウチョがメインだった。
子供の頃からの憧れの蝶・・・それは、オオイチモジンにコヒドオシ。
もし会えるチャンスがあるなら、せっかくの遠出だ。
是非、一目でもその姿を拝んでおきたいのだ!

そんなわけで、予定では午後から高山蝶探索だったが、水辺も見られて一挙両得の
場所へと出かけることにした!
まずは、水辺の探索から。

山道をしばらく歩くと、やがて開けた湿地に出た。
第四のトンボ・・・ホソモミリトンボが飛んでいるかも?
まさかね・・・アレ?何か飛んでるぞ!
エゾトンボの仲間が湿地の中程でホバリングしている。
遠くから見た感じでは、胸部が貧弱!足が短め!!縁紋が薄い色!!!しっぽが細長い!!!!
ひょっとしていきなりイージーな他の三種を飛び越して、
オプション扱いのホリミモソトンボに初対面か?!
しかし、全く近づいてくれない。何枚か遠目のショットを
もらったが、いかんせんこれではどうにもならない。。。



多分、ホンミモソトンボかな???といった感じだ。(でも、写真としては・・・苦笑)

その辺は、人通りも多く、道も狭いし、家族も待たせるわけにはいかないし、
ホリミモソらしきはすぐに姿をくらましたので、仕方なく、湿地をうらめしくのぞきつつ
先を急ぐ。当然いると思っていたカオジロトソボも現れず、かろうじて草の間にみつけた
ルリボシヤンマ♀の羽化。(いい加減なショット:::とほほ)



前日に続き、トンボに関して殆ど成果の上がらぬまま、更に先へと進む。
道は比較的平坦で歩くのは苦にはならないのだが、その内、次女が疲れて足が痛いと
言い出した。
仕方がない!お父さんがおんぶしてやろう_・・・何?だっこがいい?ヤレヤレ。。。
こうなるともう虫探索どころではない(笑)
ゴールに定めた場所まで、次女をだっこして行くことになった。

途中、何カ所か休憩所がある。
ずっとだっこも疲れるので、休憩所毎に降ろして休ませ、そのほんの一瞬を
利用して草むらを覗く・・・。

ちょっとした花の群落があれば、そこはミドリヒョウモンだらけである。
でも、ミドリヒョウモンは写す気にはなれない。



それでも、ミドリヒョウモンに混じって、家族が見たがっていたアサギマダラも
時々姿を現す。程なく、次女がこっそり蜜を吸っているカラスジジミを見つける。
カラスシジミは地元付近で偶然出会っているので初見ではないが、綺麗なショット
は撮れてないので、何枚か写す。
その近くの薄暗い草むらで、37年ぶりにヒメキマダラヒカゲを写す!

まあ、そこそこ写せたし、家族も絶景をみて喜んでるみたいだし、良しとするか・・・
と、再び出発。そして、また次女をだっこしてしばらく歩き、次の休憩ポイントへ。

次女をベンチにおろし、道ばたの草むらを覗き込んで、思わず息をのむ!
こ、こりは___!



この場所に行くことを直前に計画に盛り込んだのは、この蝶の為だったのである。
しかし、家族連れ故、奥までは進めないので、見られたらラッキー程度に構えて
いた。しかし、それにいきなり出会えたのである。
三枚ほど写し、更に写そうとすると、件の蝶は、ゆっくりと翅を羽ばたき、そのまま
梢の上に消えた。
子供の頃からの一番の憧れの蝶!♂ではあったが、貴重な体験だった。
とても幸運な一瞬だった。

そんなこんなで、すっかり満足し、再び子供をだっこして歩を進める。
そして次の休憩ポイントへ・・・。
子供を降ろし、辺りを見回すが、花は思ったほど多く咲いてないので、
草むらから少し下を覗いてみる。。。
おや・・・こ、コリは・・・



これも、大変にあこがれていた高山蝶!
まあ、そんなに珍しいものではないようだが、あわよくばと狙っていた
憧れの二種に続けざまに会えるとは!これまたラッキー!

そんな具合で、そのまま目的地への到着。昼飯をとって宿屋へと引き上げることに
した。
チョウチョは成果が上がったが、メインのトンボは成果の無いままである。
貴重な昼前後の時間は使い果たした。さて、どうしたものか・・・。

(7.31 昼-2 へと続く)

夏休み特別企画 高原探索 2(7.30夜)

2008年08月01日 | トンボと蛾
とりあえず、宿に戻り夕食タイム。
風呂にものんびりつかって、寝るまではまだだいぶ時間がある。
数年前の自分なら考えられない事だが、夜の時間も有効に活用したい
ところだ。
やはり、高原ならではのカトカラとか、未見の蛾を期待したい。
まあ、昼間の疲れもあるので、宿の回りを軽く一回り程度することに
した。
懐中電灯を片手に、蛾好きの次女を伴い、宿屋周辺の明かり巡りを
はじめた。

空を見上げると見事な満天の星空だ。
しかしそれでも、宿屋前の明かりには、そこそこの蛾が飛来していた。
近所の外灯も見て回ったが、大物こそいないものの、それなりの種類は
しっかり来ていて、ほんの30分ほどで5種の初顔を得た。
第一夜の収穫は、ざっとこんな感じ。



ミヤマヨトウ/キマダラトガリバ/シロシタオビエダシャク
ショウブヨトウ.sp./ヒメカバスジナミシャク/オオナカホシエダシャク

明日も早いので、夜回りもほどほどにして、床につく。

(7.31 昼の部へ続く)

夏休み特別企画 高原探索 1(7.30昼)

2008年08月01日 | トンボと蛾


今年一番の大仕事も前半戦をなんとか無事終了!
自分へのご褒美として、高原行きを決行する。
実は、早めにスケジュールが出ていたので、春3月に早々と
宿屋を予約していたのだ。
従って天気が崩れても行くことになり、長期のカケでもあった。
今回の目的は、高原の未見トンボ4種。
そして、未見の蝶や蛾である。

出発は7月30日。
朝10時頃に家を出て、高速を乗り継ぎ、目的地へと向かう。
実のところ、今回は、家族旅行を兼ねているので、家族サービスも平行してやらねばならず、
そうそう自由に時間が取れるわけではない。
午後三時前には、現地付近に到着。
早々にチェックインをすませ、とりあえずは宿屋の回りをぶらつくことにする。



ちょっと見回っただけで、未見や未撮影の蝶の目白押し!
(というか、自分自身高原探索は初めてなので、未見だらけで当然だ)
ヒメシジミに、コヒョウモン、ギンボシヒョウモンにオオミスジ。
オオミスジは、何と37年ぶりの再会だが、辺りを見回して目に入るのは
まずこのオオミスジだ。従って、程なく自分にとってオオミスジは全く
珍しいものではなくなった。
時期的には蝶には少し遅く、ヒョウモン類もシジミチョウもボロばっかり。
それでもその辺でいくつかの種の初ショットを押さえて、幸先の良いスタート
となった。

さて、そうしているわけにも行かない。
早速、近くの水辺を見回ってみることにしよう!
とりあえず、今回の目標、高山性トンボの内3種(ルリイトトンボ、ムツアカネ、カオジロトンボ)
くらいは軽くクリアーしておかねば・・・のほほ、のほほ。

車で走ること数分で、マークしていた水辺に到着。
さすがにあたりは高原の雰囲気満点だ。
では、さっそくルリイトあたりから軽く探してみるか・・・・
。。。。。。
。。。。。。
アレ?・・・おかしいな?
全然見あたらない。
ルリイトだったらそこら中の池で群れているはずなんだが・・・。
しかし、探せども探せども、ルリイトトンボは現れない。



トンボは全くいないわけではないのだが、時々草むらから飛び出すのは、
アオイトトンボばかりだ。時たま大きめのトンボが。。。と思うと、
お馴染みのヨツボシトンボ。
こ、こんなハズでは・・・汗。
全く目的を達せられないまま、とりあえず、宿に戻って出直すことにする。
そして、日が暮れる前に何とかもう一カ所・・・
ここも色々覗いて回るが、ルリイトトンボは全く見あたらない。
時間のせいなのかも?と考えたが、初日からつまずいてかなり焦ってきた。
水辺にタカネトンボが往来しているが、そんなこんなでちゃんと写す気に
なれずろくなショットはとれなかった。



山の日没は早い。6時になる頃には、すっかり山の端に日は隠れ、
とぼとぼと宿屋への道を帰った。。。。

(7.30夜の部へとつづく)