Days of Dragonflies & Moths

トンボや蛾に関わる記事中心。
当ブログの写真、文章の無断使用禁止。
写真集「関東甲信越のトンボ2010plus」

百蛾夜行 第拾八巻 ウスタビガの夜

2009年11月28日 | 


自分が蛾に本格的にはまったのは、2003年のことである。
その顛末は、こちらにある。

http://matsz.la.coocan.jp/tyouga/tyou/yasan.html

野蚕へのあこがれからすべては始まった。




自分のセカンドソロアルバムとなった 「MIST」(2003)
最初は、シンジュサンを使うつもりだったが、その姿に接することは出来ず、
オオミズアオを使おうと言うことになった。しかし、ろくな写真が撮れず、
webのトンボ仲間から画像を拝借してジャケットに使った。

そんな流れの中で、野蚕を求めてはるばる秩父の山を彷徨うようになり、その内に
どくがのこなにあたって、蛾飢道に墜ちたのであった。
いや、最初はどう転んでも、野蚕以外の蛾には目もくれないつもりだった。
冗談でその内に中型、小型の蛾にはまったりして・・・と言っていたが、
本当にはまってしまった!

以来、埼玉の山里を夜な夜な巡り、1500種近い蛾の画像(県外種65~70を加えた
約1550が現在の数)を収集して今日に至っている。

話は野蚕に戻るが、自分の蛾好きの原点は、野蚕にあった。
子供の頃、開張マニアだったこともあり、大きなヤママユの類は元々大好きだった。
ヤママユは最も贔屓の蛾であったが、シンジュサン、ウスタビガ、クロウスタビガなどには
子供の頃出会ったことが無く、心のどこかではあこがれの存在だった。

その中の一つ、ウスタビガは、あこがれの野蚕の中では、最も早くに出会えた蛾である。
その顛末は上記に示したURLにあるとおり。この2003年の出会いにはじまり、10月11月に
どうしても時間のとれなかった2007年を除き、毎年ウスタビガには確実に埼玉で出会っている。



ところで、最近、webで埼玉においてはウスタビガは稀であるという話を目にした。
今までウスタビ狙いで出かけて外れたことがない自分の感覚としては、
「そんなことはないだろう・・・」という感じだった。

野蚕は年により増減が激しく、ここ二三年は特に出現期も異常になっている。
例えば、蛾を始めた当初には腐るほど見られたクスサンが、ここ数年激減している。
ヤママユの出現期が従来7月末から9月だったのが、9月から10月を中心にシフトし、
クスサンに代わってヒメヤママユが爆発的に増え、出現期も9月ころまで早まった。
ウスタビに関しては、たまたま自分が運が良かったのかもしれないが、実は県外では
ウスタビには会ったことがない。今まで見た何十頭かのウスタビはすべて埼玉で見た
ものであった。自分の感覚としては、埼玉でまだ会えていないクロウスタビガはレア、
ヤママユ、クスサン、オオミズアオはかなり普通だが、クスサンは激減、ヤママユも
相当減っている。(外灯や自販機の光波長の変化の影響もあるだろう)シンジュサン、
エゾヨツメ、ウスタビガは稀ではないが、出現期が短いために、会う機会が限られる
という感じだ。(シンジュサンは、6月から8月に断続的に出るようだが、自分のタイ
ミングとしては、6月半ば過ぎと7月末である)オナガミズアオにも言及しておくと、
2006年の夏の雨の夜、ふと思い立って、訪れた近場のコンビニで偶然の出会いをした
のがただ一度の出会いである。

ウスタビガが実のところ埼玉においてレアなのかどうか?は、実はそんなに
重要なことではない。

(一応、埼玉昆虫談話会では最近目にしなくなった身近な昆虫の一つとして
ウスタビガを取り上げて情報を募集している。他にアサマイチモンジ、イボ
タガなどがあるが、昔より少なくなったけど、ちょっとがんばれば見つかる
ようなステータスの種類であり、レアな種というわけではない)

でも、今年も一応目にしておかないと何となく気が済まない感じになった(笑)

そんなこんなで、既に二週間ほど前、近場の丘陵地を偵察に出かけたが、ウスタ
ビガよりも若干早めにでるオンタイムの種類が見られただけで空振り。
それを受け、そろそろ出ている頃か?と言うことで、11月末近くになって偵察に
出かけることとなった。

二週間ほど前は、夕方までは暖かかったが、風が急に強く吹き出し、夜半には結
構寒くなった。しかし、今回は比較的暖かく、観察するにはまあまあの夜となった。

3年前の同時期、周辺のコンビニでは数頭のウスタビガが見られたのだが、今回はな
にやら工事をしているらしく、蛾の姿は皆無であった。
そこで、同じく三年前に1♀を確認している駅舎へと向かう。
この周辺は、数こそ少ないが、面白い普通種が代わる代わる現れ、ここに通うことで、
県内確認種を確実に増やしていった場所である。ここで得られた個人的初物としては、
オオトモエ、カレハガと言ったタレント蛾をはじめ、他では見ていないシロミャクオ
エダシャク、クサビヨトウ、クリイロアツバ、マルシラホシアツバ、ヒメボクトウな
どが印象に残っている。
春にイボタガとエゾヨツメを同時に見ることが出来たのもここである。



最初に目に付いたのは、カバエダシャク。蛾を探しに行ってもこれしかいなくてガッカリ
という話を良くきく気の毒な存在である。



前回予定通り姿を現したチャエダシャクは既に亡骸となって転がっていたが、
その代わりに、随分遅いクロクモエダシャクが出ていた。遠目から見たら
テンヅマナミシャクとか、この時期旬であるトガリバナミシャクにみえたの
だが・・・。



トガリキリガトリオ。見事に一頭ずつ亡骸となって転がっていた。
ウスキトガリはノコメトガリと間違えて見逃すところだった。



高いところに一頭だけ目立っていた初冬の大型ヨトウ、ホソバハガタヨトウ。

駅舎を一周した時点ではこんなもんだった。
でも、この駅舎の面白い点は、かならず二周すると良いことがあると言うこと。
だからいつもかならず二周以上している。

案の定、見逃しているのがいくつかいた。



最近では当たり前のような存在になってしまったウスモモイロアツバ。
秩父の低山でもよく見かける。



越冬前のカシワオビキリガ。



いつもだまされてしまうトビモンアツバ。セクロモンアツバだったかな?オオトビモン
の秋型の♀だと思い込んでいたので、初物のオオトビモンアツバだと思ったのだが、た
だのトビモンということで、初物ではない。

そしてやはり見つけた!



二週間前には見つけられなかったので、この二週間の間に発生し、飛来した可能性が大きい。
ウスタビガ♀の翅だ。これで、一応、今年も会えたということになる。
埼玉の低地、丘陵地では、11月20日を目安に考えると良さそうだ。2006年はある意味
当たり年だったのかもしれないし、最も蛾にのめり込んだ年であったのもあるだろう。
その翅を撮影しようとしていたら、その横からクロオビフユナミシャク?と思われる個
体が飛んだが、見失ってしまった。

今年はすっかりトンボ中心の年に戻り、蛾探索は今までで最も手薄の年になった。
その薄さを象徴するかのように、この夜出会えた内3種は、その名前に「ウス」
を冠していたのであった。

キトンボと太陽

2009年11月27日 | トンボ


いよいよシーズン末も迫ってきた。
あとどのくらい撮影を楽しめるだろうか?
タム90を揃えたので、まだまだ色々写したいところだ。
次のシーズンに向けて90ミリの感触に慣れておく必要もあるが、
200ミリと違和感がないせいか?とりあえず使う分にはすぐに
慣れた感がある。使いこなすのは、まだまだ奥がありそうだが。
むしろ、90ミリで違和感がないので、200ミリの稼働率が落ちてしまう
のが心配だ(200ミリが焼き餅を焼かなければよいが、90ミリはバックは
暈けても現実感のあるボケで、バックのボケと引き寄せ感の絶妙な迫力は
やはり200ミリでないと出ないことを再確認した!)

そんなわけで、静止態も色々追求しつつ、90ミリでのホバー撮影も
追求するというのが、今回のテーマとなった。

時期が時期だけに、トンボの動きも徐々にぎこちなくなってくる。
気温が行動適温にギリギリなのか?時々、羽を羽ばたかせて調節しているようだ。



何か気になる物体が視界に入ると飛び立ち、しばらくすると戻ってくるが、
その際にしばらくホバリングをして警戒態勢をとる。この時のホバリングは、
通常の縄張り飛翔のホバリングより写すのが簡単だ。



90ミリで如何にして寄るか?がテーマとなるわけだが、ファインダーに入れて写しながら
にじり寄っていくことで、そこそこの大きさに写すことが出来る。f2.8の特権、1/2000も
使える!



今回は太陽の反射とどう絡めるか?というもう一つのテーマがあった。
90ミリでもだいぶ感触をつかめたので、しばらくぶりに17-70の望遠側で
試してみることにする。




90ミリよりも寄るには手間がかかるが、ピントは非常に合わせやすい。
コースさえ定めれば、70ミリで飛翔物体を追うのは楽だろう。
しかし、これに慣れてしまうと、200ミリなどが使いづらくなりそうだし、
バックもあまりすっきりしないので、場面によって使う感じだろうか。
5月以降水没を修理せずに使ってきたが、オフシーズンに修理に出して
みようかな・・・。



ちょうどズームをつけているので、お馴染みの広角ショットも撮ったが、
アマチュア撮影ならではの小道具などを今後工夫できるとよりインパクト
のある画が撮れるかもしれない。

昼を回り、そろそろキトンボの活動時間も終わりに近づき、動きも鈍くなってきた。



気付けに親指の臭いをかがせてみた。



少し暖まってもらおうと思って、手のひらにも乗ってもらった。居心地が良さそうだった。
ちょっと太陽の反射も意識してみた(笑)

シーズン末の実験2

2009年11月25日 | トンボ



この週は非常に暖かな日が続くという予報が出る。
そこで、新たに仕入れたマクロの名玉を試すために出かける事にする。
マクロのために多くの人が一本は揃えるという、SP90のDiである。

このレンズは、その昔、カメラ雑誌の裏表紙とかに良く広告が出ていて、
当時は1/2倍までしか寄れなかったのだが、なんだかそのデザインに惹かれる
ものはあった。ウリは何と言っても、独特のボケ味だともっぱらの評判である。
シグマの70ミリあたりに惹かれる部分もありつつ、後ろボケが好きな自分は、
中望遠マクロならタムロンの90ミリが欲しいとかねがね思っていた。

届いた日は、あいにくの曇りで、夕方だったので、少ししか試し撮りが出来な
かったが、ボケの綺麗さは確認出来たものの、ピント合わせがシビアだと感じた。
以前より、レビュー等で見て知ってはいたはずだが、IFでないため、近接時に
ビヨーンと本体が伸び、それがかなりチープだという感じは正直否めない。
でも引っ込んでいるときの姿というか、デザインは個人的に好みである。
あと、ヘリコイド回転の向きが自分の使っているレンズと逆だと言うことも多分知って
いたが、使ってみてちょっと冷や汗が出た・・・。
重さは、軽くもなく重くもなくという感じで、400グラムという重量のアドバンテージ
は期待していたほど感じないというのが実感。

その辺も含めて、実地の使用感を確かめてきた。
冒頭は、適度に寄って撮ったポートレートだが、それなりにボケ味が出ている。
というか、200ミリの寄り方に慣れているので、どのくらいの大きさに写し込むか?
迷ってしまうのだ。(1,2倍のアイカップをつけているので、実際の画面比率が
確認しづらい)




先日の200ミリと同様のショットを狙ったが、画面比率がだいぶ違っている。
画面比率が期せずして変わるのは、200ミリはF4なのでその分暗く、目のF値
が落ちている自分は200ミリでは寄らないとピントがファインダーで確認しづ
らいが、90ミリでは明るいので少し離れてもピントが見える、というのがある
のだろう。
このあたり、むしろよく慣れて旨く利用できるようにしたいと考える。
200ミリと付け替えて、比較ショットもいくつか撮ってみた。








それぞれ 上が200ミリ、下が90ミリ。
届いた日の試写ではピントがシビアと思ったが、実地では天候のおかげもあり、
かなりピントの山がつかみやすいと感じた。
そこですかさずピントチェックである。




下は等倍切り出しのみ。予想以上に詳細が写っていて、立体感も出ている。200マクロより
精細と感じる部分もある。F2.8という明るさから、1/2000をデフォルトで選べるので、その
へんの強みもある。1/2000をどう生かすかは、将来のシャッターチャンス次第だろう。
ちなみに、このように等倍付近では、露出倍数がかかるようである。これは1/1500だが、
1/1000で写すと全体的には適正と思える画になった。相当寄るのでやむを得ない部分である。



強反射を入れてみたが、画像を展開してちょっとびっくりした。



出るのは知っていたが、マーカーでなぞったような絵に描いたようなパープリンである。
まあ、あまり気にしないけど・・・。

トータルな第一印象としては、200ミリと使用感の差が少ない、ピントが合わせやすい、
ヘリコイドの向きは咄嗟の時以外は気にならない・・・といったところで、クリアで
シャープでボケ味もあり、自分の好みにかなり合致するレンズと感じた。

シーズン末の実験

2009年11月23日 | トンボ
いよいよシーズン末シリーズに突入。
こうなると被写体は少なくなるし、撮影時間も限られてくる。
この時期は、気温が上がらないばかりか、木枯らしも吹き始めるので
撮影適日は意外と限られてしまう。

今回は、前回いい加減な実験に終わったCPLをもう少し追求してみることとした。
CPLは200ミリの先端につけたままのお手軽実験である。




上は、太陽の角度から外れたセッティング(off)、下は太陽の角度に合わせたセッティング。
反射除去フィルターであるから、当然水面反射は弱くなる。




上がoff、下がon。
ハイライト部分の飛びが抑えられているのが分かる。




上がoff、下がon。
色飛びはある意味一長一短と考えている。意図的に飛びを狙って
季節感をはじめ色々な雰囲気を演出できるし、逆にその範囲が
部分的になると気になる存在となる。




上がoff、下がon。
白飛びは抑えられるが、コントラストが強くなる反面、画面全体に艶が無くなる。

そこで、その場の素材を使って面白いことを考えついた。



要は枯れ葉を利用したのである。シャドウが持ち上がり、銀メッキ感
のある艶のある画像になった。勿論、その場その場で利用するものが
違うし、成功率も高くはないが、自然の素材を利用して、光をコント
ロールするのは楽しいものだ。

いずれにしても、露出倍数は4倍が基本だから、通常f4 1/1000で写して
いる当方のセッティングだと、1/250を基本とした撮影になり、また、
CPL使用による全体的な画質低下もある程度はあるので、長時間静止して
いる対象など、十分に時間をかけて撮影出来る相手だったら、シーズン真
っ最中でも是非応用したいメソッドだと思う。

また、先述のハーフNDはお手軽な市販品では58ミリまでしかなく、手持
ちの17-70のフィルター径72ミリに合致しない。試しに、手元にある72ー
52のステップダウンリングをはめたら、広角端でケラれた。手持ちのCPL
は58ミリなので、72-58のステップダウンを買うとケラレが最小限に抑え
られ、広角でのCPL効果が試せるかもしれない。

400ミリテレマクロ帰宅

2009年11月17日 | トンボ


知人に貸していた400ミリテレマクロが戻ってきた。
そろそろ使いたいな~と思っていたので、早速、近所へ久々にチェックに出かける。
今回は、カーボン三脚に慣れる為の撮影演習も兼ねてのことで、春先のチェックとは
若干意味合いが異なる。
今回は、テレマクロ一本槍ということに決め、300ミリと200ミリには、オモリとして
同行していただいた。

1/3倍まで寄れるのがこのテレマクロレンズのウリなわけで、以前は、通常のレンズ
より最短が短いものをClosed Focusと呼んでいたようだ。例えば、200ミリで通常最短
2メートル位のところを1.7メートルとかになるとそう呼ぶわけだ。テレマクロもその類
で、400ミリでは短くても最短2メートル前後だが、このレンズは、1.6メートルまで寄
れる。

薄曇りの天気で、時期も時期だし、被写体は少ないが、まだヤマトのボロがちらほら
いるので、三脚に乗せて写すが、小さな被写体の微妙なピントは三脚込みでも追い込
むのが難しいものだ。

ここはやはりトンボをターゲットにして使用感を実地検証したいところ。
どうにかまだアキアカネは残っているようなので、早速試そうとするが、
なかなか近寄らせてくれない。。。




少し粘ってみたら、とりあえず最短付近真横につけることが出来た。



ホントはこんな等倍切り出し画像を貼るのは、愚の骨頂だというのは分かっているのだが、
一応、貼っておく。(笑)やはり、このレンズは、1ミリ前後のピント追い込みが
難しいようだ。三脚を使っても、相当安定させないと、やはり難しい。
この辺、三脚の使いこなしの方が重要だ。
それと、三脚を使っているのだから、確実なピント合わせには、ライブビューが活躍する。
拡大するといわゆるジャギー画像にはなるが、コントラストが最も高くなる部分でシャッター
が切れれば、狙ったところにフォーカスが行く。ライブビューは、ミラーアップ状態になる
ので、ミラーブレも防げるし、構図も落ち着いて選べるのがよい。ただ、それに頼りすぎると、
いかにも~な写真になって、咄嗟の思いつきの出番が無くなってしまううらみもある。
また、この前後、薄日が射したので、晴天下での400ミリ描写確認として、有効なテスト
となった。

それにしても、トンボはアキアカネしかいないので、他の被写体を探してうろついたら、
なぜかしばらくご無沙汰感のあったベニシジミが何頭か現れた。





ベニシジミの洗顔シーンは実は初めて見たので、面白かった。



おもしろがって写していたら、こちらを見てナンだバカやロー!と言われたような気がした。



先月よりは少なくなっているが、草むらは相変わらずセグロバッタの天国だった。



モンキチョウも少数舞っているので、追いかけてみると、秋咲きのスミレで吸蜜していた。
これも個人的には初めてお目にかかるシーンだった。



帰ろうとしたら、いい位置にベニシジミが止まったので、三脚でじっくり写してみた。
残念ながら風が強くなってきた。
今年はよく風に祟られる年だ。

そしてめっきり寒くなってきた。
手頃な被写体に出会える機会も、今年あとわずかだろう。

生き残った個体も覇気が無くなってきてしまったが、
ちょっと意地の悪いテストをしてみた。




上は400ミリテレマクロ、下はDA300での描写である。
シグマの弱点と言われる部分だと思う。それにしても壮大なフレアだ。
最近のデジタル用製品はこのあたりが改善されているようだが、撮影場面を
選ぶレンズであることを再確認する結果となった。
(テスト中にお会いしたSさん、またどこかでお会いしましょう)
別のテストを思いついたので、また機会を設けて試してみたい。

早速、その別のテストだが、実は物理的にほとんど無理と言うことが現場で判明した。
というのも、実にくだらない思いつきなのだが、手持ちのPLフィルターで、フレアを
コントロール出来ないか?と考えてしまったわけだ。(PLフィルターは35年ほど前、
ヤゴ撮影のために揃えたのが一つと、10数年前に何となく買ったCPL・・・これは
デジタルでもつぶしがきくらしい・・・が手元にあるのだ)
それを実践すべく、出かけたのだが、あいにく実験を考えていた場所は使えなかったの
で、水面反射を写して実験しようとしたら、フィルター径が合わなかったのだ。
77→58のステップダウンリングとPLを持参したつもりだったが、誤って72→52の
ステップダウンリングを持ってきてしまったのだ。従って、400ミリにあてがって写す
程度の実験しか出来なかったのだ。尤も、PL自体銀塩用のものだし、順光で200ミリで
有り無しで写し比べたが、露出倍数がかかるだけでほとんど変化は無かった。

以前より、ローカットフィルターで反射の多い画像での飽和を緩和できないかと考えて
いたが、汎用のUVでもある程度のローカット効果は実験できるかも(画質追求なら余分
な光学系を入れることによりむしろ画質低下につながるというのは今更周知の定説だが)
と思いつつ、コントラスト増大ならPLがあるではないか・・・などと思いを巡らせてい
たのだった。(こういう実りのないことを色々姑息に考えるのが好きなタチなのでしょ
うがないのだ)

さて、いずれにしても、サーキュラーの調節で色合いのコントロールは出来ることはファ
インダーで確認出来たので、それを利用して今後何かの使い道があるかもしれない。アナ
ログホワイトバランス的な使い道とでも言おうか?しかし、露出倍数が4倍なので、実践
範囲は少ないだろう。ということで、まともに写せたためしがないキトンボのホバー
(連産ならピントが合うのに、単独では見事に合わない・・・集中力の問題か)でも・・
・と思ったが、それも無理のようだったので、終わり間際ならではのショットで色々バリ
エーションを狙ってみることにした。



下は一応PLを噛ました作例。露出倍数が上がっただけ。露出コントロールなら、広角用にハーフ
NDは揃えておきたいものだ。レタッチで後処理の方が、よりきめ細やかな調整も可能だが、入力
時にアナログ的な段取りを踏んだときの効果もいずれは試してみたいのだ。





自慢の(笑)三脚を使っていないので角度の追い込みがもう一つだが、絞り込まずともピントは
ただ合わせればよいというくだらない実験。無性に90ミリが欲しい。。。



これは難しい木陰の背面ショットが珍しく成功した例。
光の加減でいかにもネイチャーフォトという感じになった。


姿を確認し一枚写したら飛ばれてしまった。また機会があれば・・・。


機材チェック

2009年11月05日 | トンボ
さて、今年のシーズンもほぼ終了となった。
あとは、生き残りのトンボを探しつつ、フェイドアウトというかんじである。
来年はあまりフィールドに出られないかもしれないが、その意味でも今年は
貴重な一年であった。
時間だけはどうにかとれたので、今までのノウハウをフルに生かすことが出来た
一年でもあった。

昨シーズンオフは、望遠補助機材を中心にチェック怠りなかった(笑)が、
振り返ってみると、実地での稼働率は極低いものだった。まあ、予定通り
という感じだろうか。
具体的には、新たに導入したDA300mmは、非常に役に立った。
湿地の奥や池の沖合を飛ぶトンボの撮影には、300ミリなしには、今年の撮影の
成果は上がらなかったろう。400ミリは夏場に試したかったが、知人に貸している
のもあり、後半は試すことが出来なかった。来シーズンその辺を是非試してみたい。

補助機材としては、残念ながらTCONの活躍場面は無かった。シーズンイン早々、
ほこりをかぶってしまった。
純正2倍テレコンは、春先のチェックで若干トンボを写した他は、その露出の煩雑さ
からほとんど登場場面はなかった。
テレプラス1.5は、夏場まで活躍する場面があった。
ちょっと遠いトンボ静止や、距離のあるホバリング個体などで実地に使う場面があ
ったのだ。その意味では役に立ったのではあるが、フレアが出てしまったり、倍率
以上に露出がかかって暗くなってしまったりで、結果は芳しくなかった。日陰での
静止個体は直射光の影響を受けない分、テレコンを使った恩恵を被ることが出来た。



テレコンが比較的に功を奏した例。300mm+テレプラスDG1.5X 絞り開放 1/20。
手持ちなのは、バックを見れば一目瞭然(笑)だが、こちとらトンボさえ撮れれば、
あとは何でも美化できるので問題なし。
それにしても、トリミング無しで遠くの個体が写せるのは、やはり感動ものだ。

さて、その静止態にからめての話になるが、木陰で休むトンボなどは、ストロボを
使うと同時に、バックを考慮した露出をするわけである。つまり、シャッタースピード
に制約が出てくる。
2006年以降、200ミリの三脚座が腐って?しまったのをきっかけに、三脚を稼働し
なくなってしまった自分であるが、撮影成功率を鑑みるに、出来れば、カットを選ぶ
ために、その候補足るより多くの成功ショットを撮れた方が良いという結論に達し、
再導入の健闘に至った訳である。
しかし、それを考慮し始めたのが、そろそろオフシーズンにかかるつい最近の話で、
残り少ないシーズンでそのチェックをすると言う形になってしまった。

撮影機材を大事に思っている自分ではあるが、家事の煩雑さに追われて、ここ数年で
家のどこかに隠れてしまって見つからない機材も実は多い。100ミリマクロ、135ミリ、
旧型ストロボ、大型三脚・・・・未だに引っ越しの荷物に隠れているのもあるだろう。。。
そんなことではイカン!というのはわかっているのだが、ここは一つ、イヤでも大事に
したくなるようなアイテムを揃えよう(笑)ということになった。
そして、先日オークションでカーボン三脚を入手してしまったのである。
本体1キロに満たない軽さながらスペック上8キロまで耐えられ、アイレベル、グラウンドレベル
両方に対応・・・という自分には願ってもない代物である。

届くや否や、すぐにチェックだ!
もはや家の回りではトンボなどほとんどいない。
比較的アクセスしやすくて、トンボがまだ見られるところへ出かけて見る。

ちゃんとした三脚は扱ったことがないので、操作に手間取りつつ、静止個体を
写してみることにする。200ミリでいつもの露出での撮影。


ピントを合わせる感じは、手持ちとそう変わらないが、合わせた状態で楽にキープ
できるのは三脚の強みである。

上の画像を等倍切り出しのみ。無理なくディテールが出ている。
手持ちでもこの程度は可能だが、その時の体調や集中力、撮影時の角度などで成功率が
左右される。




全身にピントを合わせるのが難しい背面ショット。雲台の扱いになれていないので、まだまだ
だが、どうしても手持ちでは背面ショットを写すときの姿勢に無理が出るので、役に立つこと
も多いだろう。そのためには早く慣れなければ・・・




300ミリでのチェック。下は、個体周辺のみ切り出し。




こちらは200ミリで。下は、同じく個体周辺のみ。

この2カットは、水中に三脚を立てて写したもので、いきなり過酷な使い方をしてしまった
(笑)だが、フィールドで十分活用したいと思えばこその所行である(笑)。
デコボコな場所で条件も悪いのだが、全身にピンを持ってくるのが困難なイトトンボ体型で
は、雲台の使いこなしが鍵となる。そのあたり体で慣れていくしかない。。。

他にも、三脚の恩恵にあずかろうと低速シャッターなども試したのだが、ただ闇雲に三脚使用
では、良い結果が得られるとは限らない。
三脚を使うことによるメリットがあると同時に、その分、心配事も増えるのである。

例えば、ボディ内手ぶれ補正との関係や、ミラーアップ撮影。
FAQでは、三脚使用時にはSRはオフを推奨とあるが、果たしてどうなのだろう?
問題は、SRスイッチのセットし忘れなのだ。去年の秋、曇天撮影になり、SRオフに気づかず、
ことごとく貴重な被写体をブラしてしまった苦い経験がまだ鮮明な記憶として残っている。
そこで、条件の厳しい室内撮影でチェックすることに。
レンズは常用の200ミリを使い、ミラーアップのライブビュー撮影。
被写体は、2メートルほど離れた静止物で、フォーカス周辺のみ等倍で切り出した。


f4_1/6_iso200_SRoff

f4_1/8_iso200_SRon

この二つの結果を見る限りでは、明らかにSRはオンにした方が良い。
露出が安定しないのは、絞り優先オートのパターン測光だからである。
三脚で若干安定させているとはいえ、ライブビューの画面はヘリコイド操作
などにつられて微妙に動くので、手動でシャッターを切るときは、しっかりと
ボディやレンズを手で押さえて、振動を最小限にする努力が必要だ。


f4_1/30_iso800_SRoff

f4_1/30_iso800_SRon

1/30では、違いがほとんどわからないが、SRオンの方がやや鮮明だ。
ライブビューでは、画像を拡大してピントを確かめると、いわゆるジャギー
画像になり、一番コントラストが強いポイントを見極めるのが肝となる。


f4_1/20_iso800_SRon_w.weight

省スペースでの最善策。フックに、300ミリなど撮影機材の入ったリュックをぶら下げて撮影。
鮮明度はこれが流石に一番だ。(回数を重ねてライブビューのピント合わせに慣れたというの
もあるんだろうけど・・・苦笑)

そんなわけで、来シーズンは、どれほどフィールドに出られるか?わからないけれども、
しかるべきアイテムが得られ、それを使いこなすこと、大事に管理すること、これを実践
出来れば、撮影成功率もアップ間違いなしだ。ガッハッハ。

ちなみに、今シーズンは、三脚を全く使用しなかったが、結構いい画像がたくさん撮れたので、
近日中にちょっとした企画を構想中。