Days of Dragonflies & Moths

トンボや蛾に関わる記事中心。
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写真集「関東甲信越のトンボ2010plus」

オープン戦開幕

2013年03月28日 | トンボ
今年の三月は、ここ数年にくらべ有り難い暖かさの日が多めである。
しかしながら、なかなかそういう日に体が空かなくてフィールド効果が殆どないというのが、現在までの自分の状況だ。
本日は、天気が悪めの予報だったので、フィールドは難しいかな?と思っていたが、朝起きると日がさしかけている様子なので、とりあえず春の蝶でも。。。と思って出かけることにした。



蝶の方はまあまあ好調というべきなのか?ロクな写真は撮れなかった(上はいずれも鬼トリミング)ものの、お目当てのミヤマセセリやコツバメも見かけ、トラフシジミ、ルリシジミ、ツバメシジミなども出始めた。肝心のトンボの方は、まだ羽化には期待していなくて(仮に出ていたとしてもまだ数は少ないだろうから、写し時ではない)、春のシーズン開幕前のプレシーズンとも言うべき、越冬性トンボの探索と相成った。昼過ぎにはいわゆる春の天気パターンで、日がさして気温も上がったので、越冬性スタンダードの2種はさして苦労もなく見つけることが出来た。



ただ、シーズン最初なので、大事をとって200マクロで記念ショット。

開放限定

2013年03月23日 | その他


DA☆55mmF1.4開放。



1/3段絞ってf1.6にするとこの感じが一挙に薄れてしまう実に微妙な世界だ。
ペンタックスのレンズはよくも悪くも実直な描写をする印象があり、その点
イレギュラーな描写をするフレクトゴンに惹かれてしまった訳だが、DA55の
開放描写の世界もなかなかに奥が深いものだ。ちょっと絞って鮮明感を出すか
開放でフワッと感を出すか?トンボの撮影でも迷ってしまいそうだ。。。



FA135mmの色表現。

いずれも素晴らしいレンズだと思うが、被写体の多い場所での稼働に限定した方が
良いだろう。被写体が少ないと寄りたい願望がどうしても出てしまうので、寄れない
これらのレンズではストレスがたまってしまいそうだ。

2012年を振り返る (夏編2)

2013年03月23日 | トンボ


まだシーズンまで間がありそうなので、昨シーズンを引き続き振り返ってみたい(笑)
冒頭は夏の好敵手、コシボソヤンマだ。最近はトンボを撮る人も増えて、夏にチャ
レンジする向きも多いのではなかろうか。昨シーズンは2年ぶりに挑み、望遠マクロ(左)
と広角(右)の二方向から攻めた。
広角は従来から良く用いていた撮影スタイルで、比較的容易な部類に入るが、望遠での
撮影は真っ向から挑むスポーツ的スリルがあって実に楽しかった。撮影距離を固定して
体前後だと比較的簡単に撮れるが、それだと面白みが半減してしまう。確率は落ちるが、
ヘリコイドを回して追尾する撮り方でモノにしたのが冒頭のショットだ。短時間の内に
うまく集中できれば、90mm開放の薄いピントでもここまで追い込める。
問題は、いかにして高速飛翔を止めるか?だが、一眼レフにはフォーカルプレーンシャ
ッターの制約があり、高速シャッターで完全に止めるのは実は難しい。
今シーズンも是非機会を持って、撮影距離や撮影法を再検討して挑んでみたい。



コシボソヤンマだけでなく、夏は飛ぶトンボの撮影に燃える時期でもある。
オニヤンマは、久しくちゃんと撮影していなかったが、昨シーズンは少しまともに
対峙してみた。ゆったり飛ぶ大きな被写体なので、飛翔撮影練習には最適の素材と
も言え、自分もトンボ撮影を始めた頃、世田谷の方で練習した記憶がある。
ただ、昨今は各地で個体数が減り、目にする機会自体が少なくなってしまった。
昨シーズンも夏前半にはあまり見かけず心配したが、8月後半にはだいぶ見かける
ようになって撮影機会を持てた。
ハネビロエゾやタカネなどの金緑は、暗い場所での撮影が多く、ISO感度(ノイズ)や
シャッタースピードなどの条件との駆け引きになる。暗くてピントの山が見え辛い中、
なるべく自然光をメイン光源として撮影するギリギリの攻防が面白い。
最終的には、待ち時間も含め、自分の体力気力との勝負になってしまうが、良いショット
が得られたときの喜びに変わるものはない。



産卵撮影も意欲をかき立てる「独立分野」だ。
エゾトンボの産卵シーンは、好天時にはあまり拝めないかもしれず、その意味で遠征時の
悪天候は功を奏したかもしれない。ただし、悪天下では露光条件が厳しかった。
マルタン産卵シーンは、静止態撮影や黄昏飛翔撮影、はたまた羽化撮影とも違って、独特
の難しさがあるだろう。状況的には静止や羽化と条件が近いが、問題は被写体が落ち着か
ないことで、シャッターチャンスが短いという厳しさがある。ストロボを使う手もあるが、
多灯システムでも組まない限り、味気ない記録写真になってしまうので、自然光を重視し
たが、露出設定には苦労した。今シーズンも機会があったら、より良い条件に導けるよう、
研究したい被写体だ。
ヤブヤンマは、昨シーズン全般に少なめで、出現も初夏から盛夏にずれ込んだ感があり、
産卵シーンにはなかなか巡り会えなかったが、晩夏にギリギリ機会を持つことが出来た。
ルリボシヤンマ産卵シーン撮影機会は元々少なかったが、昨シーズンは二度程チャンスに
恵まれてラッキーだった。なかなか条件の難しい撮影だが、ISO感度を400で妥協すること
で、どうにか絵にすることが出来た。



晩夏の川撮影は、ここ数年の夏の楽しみだったが、昨シーズンは極端な大雨、渇水が繰り
返された影響で、サナエの戻り個体が異常に少なく、実につまらなかった。
今年は洪水とか渇水とかなければよいが。。。





新機材のチェック

2013年03月20日 | 


ここのところ蛾はずっとご無沙汰だったが、新しく機材を仕入れたのを使ってみたくて
それに最適な蛾の撮影を少ししてきた。
最近は新しく機材を仕入れても今ひとつウキウキできず、ちょっとそれが残念なのだが。。。

今回仕入れたのはY社のリングライトだ。定常光としてもストロボ的にも使える。(瞬間発光は
おまけみたいなものであまり期待はしていない)値段も3Kを切る安さで、この値段なら持って
いても損はないだろうと取り寄せた。
Y社の製品は大光量のものとコンパクトなものを持っているが、緑カブリの強い傾向が見られ、
照射して撮影するとちょっと嫌らしい色になるのが気になることがある。そこで場合によって
はマイナスグリーンで補ったりもしている。



レンズの先端につけるものなので、光量が少なくても間近からの照射になり、ある程度露出を
稼げると同時に無影撮影もできるわけだ。実際に発光させてみると、Y社製品らしくかなり明
るい印象があり、90mmマクロでそこそこの距離でも1/180前後でシャッターを切ることが出
来た。広角寄りのマクロ撮影なら更に露出を稼げるだろう。尤も、今手持ちで学術向き?広角
系マクロだと24mmシグマクォーターマクロだけだが。。。)
光そのものを見た感じでは緑カブリは少なそうに思えたが、撮影結果では若干のカブリが感じ
られ、白バックの為、カメラの露出通りだと1段ほどアンダーに写るので、現像で修正してい
る。(そうしないとブレの確率が上がってしまう。)
結局カブリというよりは、コントラストを少なくすると割と見やすい感じになった。



見かけられたメンツは、まあこの時期の定番と言ったところ。
蛾にはすっかりご無沙汰ながら、大体の種類はまだ覚えていた(笑い)。
中でもコバネナミシャク系は新種の期待のある仲間だったが、見た感じ既見のシロシタっぽく
、帰って確認するとやはりそのようだった。
他に見かけられたのは、カバナミシャク類、トギレフユエダシャク、シロテンエダシャク、
フトフタオビエダシャクあたりで、この辺がいたら面白そうと思っていたトガリバ系は見当た
らなかった。また桜の咲く頃に蛾の撮影に出かけてみようと思った。

3月の夏日

2013年03月10日 | その他


昨日今日と3月とは思えない程暖かくなった。昨日は野暮用があって時期的なことも
あり無理にフィールドには出なかったが、今日は朝から体が空いていたので最近入手
したレンズの試写のためフィールドに繰り出した。

冒頭は、最近入手したというより再入手したFA135mmF2.8IFでのカット。

最短70センチまで寄れ(1/4倍相当)、レンズも軽量(300グラム台)、解像もなかなかで、
フィールドレンズとしては理想的だ。2011年前半に家財の中に埋もれていたのを発見
するも、レンズ白濁で修理と相成った。デジカメ使用でその真価を発揮し、中距離飛翔
用レンズとして大いに期待されたが、遠征時の不注意で盗まれてしまった。

最近はオークションに出回る数も減ってきたので、2月の大阪滞在中に競り落としたが、
何とか2万円代で手に入れることが出来た。まあまあ奇麗な個体だが、中玉外周寄りに
うっすらとクモリの輪っかがあり、逆光や近接での描写にどう影響するか?が不安材料
だった。先日自宅周りで試写したところ、クモリの影響は殆ど感じられず、このまま使
えそうという感触を得た。



これは冒頭画像の等倍切り出し無加工(パープルフリンジのみ除去)。
開放でパープルフリンジがこれでもか!と出まくるが、LR4で簡単に取り除けるので、
まあ気にしない方が良いだろう。
室内で偽トンボをモデルに試写した限り、開放からちゃんと解像し、問題を感じなかった
が、このFA135mmというレンズは「実戦に弱い」イメージがあり、今回もかなり歩留ま
りが悪かった。。。

実は最近どんどん目が不自由になってきているので、ファインダー周りを強化しようと、
1.36Xのマグニアイピースを昨日注文したのが今日の朝に届いたので、早速活用したがそ
の効果もあまりなかった(1.36倍はかなり拡大されるが感覚的に拡大された感はあまり
なく、撮った画像を確認する際にファインダーで見た感じより小さく写っていることに
気づく程度。ケラレないとのことだが、四隅が普通にケラレてしまうので、構図の決定が
少々面倒かも?)ただ色の出方は、レンズの淡白な見かけからは想像付かない程濃厚で、
もう一本の新顔レンズよりも発色が良いことは試写で認識しており、今後使い慣れて行け
ば、中距離飛翔等で活躍してくれることだろう。



さて もう一本のレンズはコレ(笑)。
もう新たにレンズを揃えても無駄に増えるだけという感じの私的ストックだが、50mm近辺を
一本も持っていない(一昨年に50マクロと50標準レンズを盗まれた)ので、この辺の焦点距離
を。。。と色々候補を考えていたが、結局、これから手に入れるならそれなりのレンズを!と
いうことで、DAスターレンズを入手と相成った。

DA☆55mmF1.4SDMである。
倍率はヘリアーより僅かに大きい程度で、接写能力はないが、場合によってはクローズアップ
レンズを稼働するのも一興であり、手元に残っていたACクローズアップレンズno3(なぜか
no2は紛失)を試したらそこそこ使えるのを確認した。



カラーへリアー75mm最短(約1/7倍×1.5倍?)とDA55mm最短(約1/6倍×1.5倍?)

往年のいわゆる標準レンズと呼ばれた50mmクラスの明るいレンズは、開放付近ではコマ収差
の嵐
で、二段程絞るとシャープになるという変化レンズが多いが、このDA55は開放からしっか
り解像し、円形絞り採用で二段程絞るまで円形絞りを保つのも魅力とのこと。実際、到着して
最初に偽トンボを写してみたら、開放とは思えない解像にびっくりしたのは確かだ。

上の三枚は、左から開放、f1.7、f2.4となる。
開放からシャープと言われるが、まあすこし霞がかかる感じは否めない。このあたりは、Tamron70-200mmF2.8とニュアンスが近い。
ただ、1.7ではいきなり普通に解像するのを室内試写で確認。



室内にて偽トンボ(サナエ1号)を写したもの。

本日の野外試写でもそれを裏づける形となった。(以下が等倍解像比較)



ちなみに今日は気温は上がったが、昼頃から極めて強い風が吹き出し、明日からまた一たん
冬に戻るという。
本格的なフィールドはまだまだ先である。