Days of Dragonflies & Moths

トンボや蛾に関わる記事中心。
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写真集「関東甲信越のトンボ2010plus」

コヤマトンボ

2011年05月31日 | トンボ


ほんの一瞬だった梅雨の晴れ間。



晴れ間を惜しみ摂食活動にいそしむ若いコヤマトンボ。



コントラストがきついながらも背景は良い感じだったのにすぐ飛び立ってしまいショットを詰められず・・・残念。



背景が・・・。
後日談;コヤマトンボと言えば、6月半ば頃だったか?新幹線の止まる熊谷駅ロータリーを未熟♀がゆったりと飛翔しているのを
見た。撮れそうな感じだったが、あいにく所用の途中だったしカメラは持ち合わせていなかった。また、身近な川でコヤマ探索
がここ数年の隠れテーマの一つだったが、今シーズンは割と近場の用水路で♂が縄張り飛翔しているのを確認。その日は、ヤブ探索
だったので、すぐに日が沈んでしまった。



カワトンボの影が薄くなってくるとアオハダの天下になる。


第二6半期

2011年05月28日 | トンボ
今年は異常に早い梅雨入りとなり、しばらくは晴天も拝めないだろう
と思っていたら、猛烈な台風がやってきてしまった。
多少の雨ならまだしも台風による影響は計り知れず、トンボの季節も
強制的に次節へと移行されてしまうことになるかもしれない。



今節は撮影自体とっちらかってしまった印象が否めない。
でも玉がだいぶ減ったので、少しはとっちらからなくなるかも?(笑い)


早入梅

2011年05月27日 | トンボ


どうも梅雨のような天気が続くと思っていたら
今年はずいぶんと早い入梅ときたもんだ。
この時期が盛りの虫も悪天低温続きでは困ってしまうだろう。



キバネツノトンボは草原依存種で、近年は乾燥化した休耕田の草地等でも良く発生する。



写そうと近寄ると、茎の裏側に回り込み隠れる仕草をする。
それにあわせてこちらが回り込むと更に回り込むので
ツノトンボと一緒にぐるぐる回ってしまう。
仕方なく裏側から写そうとすると、わずかに頭を出してこちらを見ている。



非常におとなしそうな虫だが、気温が上がると草原上空を絶え間なく飛び回り、
小虫を摂食する。ツノトンボ成虫が補食行動をすることをよく知らなかったので、
最初見たときはびっくりしたものだ。



アオサナエ

2011年05月26日 | トンボ


毎年の事ながら、ホンサナエの納得いくカットが撮れない。
しかしホンサナエの旬はあっという間に終わってしまう。



アオサナエはまだまだ健在で相手をしてくれるので、90ミリや14ミリで
写してみるが今ひとつさえない。



とりあえずアングルを回してみたが効果がなかった。



夏サナエの第一陣ヒメサナエも登場してきたようだ。今年はやや遅めか。


ムカシヤンマ

2011年05月25日 | トンボ


早くもムカシヤンマの季節となった。
山道の緑はいっそう映え、強い日差しの中を涼風が吹き抜ける。



ムカシヤンと言えば、道ばたや電柱である。
概してコントラストの強い場所に止まるので、きれいに写すのが難しい。
せっかく立派で美しいトンボなのにもったいない限りである。



まだ若い個体だが、目玉が凹んでいる。未熟個体を採集した時には良く経験したが、
自然状態でこうなるのは、やはりどこかにぶつかったりしたのが原因だろう。
この輩は道ばたにたむろし、通りがかった他のムカシヤンに絡んでいたので、視覚的には
さほど支障はないのだろうし、日数がたてば凹みも戻るのではないかと思われる。
今まで、ムカシトンボ、コヤマトンボなどで目玉の凹んだ未熟個体にお目にかかっている。



第一縫合線の途切れたヤマサナエ♂。
(一般的にヤマサナエでは第一縫合線が途切れるケースはごくまれである)
個体変異は地域にかかわらず出る可能性がある。
種類の判別は、それらを参考にはするが基本的には色や斑紋の違いに基づいて行ってはいけない。
外見からは生殖器や腹節の長さ比率など形態を必ず参照する必要がある。
これがヤマサナエであることは、尾部付属器から判断できる。



埼玉・東京・神奈川・千葉のカワトンボをはじめとして、形態を参照しても尚同定できない種
もいるが、幸い多くのトンボは、採集せずとも判別に必要な部分をしっかり撮影することさえ
出来ればほぼ確実に同定することが出来る。



黄色い矢印で指し示した部分がはっきりと写っているので、この時点で
明らかにキイロサナエ♀と断定できる。キイロサナエ♀は、この角度で写せば
必ず産卵管が見えるからだ。



アジアサナエ♀の写真4枚。
答えを先に言ってしまうと、上の二枚はキイロサナエ♀、下の二枚はヤマサナエ♀である。
左上のように上から目線で撮ると産卵管は写らないが、右上のようにちょっと腰を低くして
撮るだけで産卵管が見える。左上の写真だけだとすると、キイロサナエと推定はできるが、根拠
が薄弱で保証できないことになる。
左下はやや上から撮ったヤマサ♀であるが、右下は故意に産卵管付近を狙った同定確認用ショット
である。産卵管は写っていないからヤマサ♀と確認できる。
両種を見慣れていれば、胸部の豊満さを始めとして微妙に異なる体型から両種を感覚的に見分ける
事も出来る。ヤマサはがっちりしているが、キイロサナエはやや貧弱な印象だ。
また良く引き合いに出される肩口の黄斑形状は、ヤマサナエ♀においてややキイロサナエ傾向(細長い)
にシフトすることが多いため、全く参考にならない。胸部側面の第一縫合線については前記の通り
あまりアテにしない方が良い。ただ、消去法として扱える区別法がある。それは顔面上唇部だったかの
小黄点で、ヤマサナエでは全く現れないがキイロサナエでは多く現れる。従ってこの小黄点が現れる
ものはキイロサナエとして差し支えない。

このように、各種の判別要件を満たす部分が含まれない画像では、特に近似種のいるトンボにおける
写真同定は無理である。その種を見慣れている人が見れば、その種の持つ独特の雰囲気から、ほぼ
100パーセントその種であるだろうと推定出来る場合もあるが、保証の限りではない。

近所の草むら

2011年05月22日 | トンボと蛾
近所に時々立ち寄るほんの小さな草むらがある。
特に5月の草むらは面白い。
コサナエやホンサナエに偶然出会ったこともあるが、
そういったサプライズがなくても、身近なトンボや
蝶の日常をじっくり撮影できる楽しい場所だ。








古き良きベッコウトンボ

2011年05月21日 | トンボ
その昔、東京の石神井公園には沢山のトンボがいたそうな。
古い文献を参照すると、55種ものトンボが記録されたとかで、
春には、ベッコウトンボ、トラフトンボ、アオハダトンボなど沢山の
トンボが飛び交っていたそうだ。(文中に出てくるアオトンボとは
アオヤンマのこと、サナエトンボはコサナエ、オオサナエモドキは
ホンサナエ・・・オオサナエとはアオサナエのこと)
近くに住んでいた頃、散歩中の年配の人から聞いた話だが、昔はトンボで
空が真っ黒になったそうだ。
また、石神井公園ではないが、石神井の写真屋さんからは、昔は多摩川の
河原でベッコウトンボが沢山見られたという話も聞いたし、新宿区上落合
あたりのちょっとした草むらで、昔はオオキトンボが普通にいたと、今は
亡きトンボの大先輩白石さんから聞いたこともある。


(草むらから飛び出す姿を見るとその色合い大きさ体型からバッタと勘違いしてしまうアオヤンマ)

「希少種」とか「レア」とかいった言葉や取り扱いは個人的にあまり好きでは
ないが、その意味ではベッコウトンボは古株の希少種である。
自分がトンボを追い始めたウン十年前にはすでにその辺の池沼で見られるような
トンボではなかった。
最近は物理的にトンボの住処自体が減っているから、いろんな種類が減っているが、
ベッコウトンボだけはだいぶ昔から他のトンボに先駆けて減ってしまっているのだ。



ベッコウトンボはなぜ真っ先にいなくなってしまったのか?
何とかすべての原因と真実を解き明かせないだろうか?
ベッコウトンボは、コバネアオイトトンボと共に古い池沼に固執すると言うが、
それが普通に見られた環境を基準と考えると、大変なバランス重視型なのかも
しれない。他のトンボは多少何らかのバランスが崩れても一定の条件が整えば
復活するが、ベッコウトンボは一度いなくなったら戻ってくる確率はゼロに近いのだ。
他にも色々な原因が想像できるが、もし、いろんな事がわかったら、
将来的にいろんなトンボのいる水辺を作れるかもしれない。



ベッコウトンボはいろんな意味で美しいトンボだが、撮影は難しい部類だと思う。
止まっているのを撮るだけなら、多少敏感で近寄りづらい事以外は特に障壁はない
が、ボディが黒系で透過しないので、晴天の順光撮影でないとなかなか映えないし、
完全なサイドショットでは、トレードマークの羽の模様が写らないことが多い。



草原が好きなトンボなので、羽の特徴を主と考えればイメージは広がりそうだ。



蜘蛛狩に意欲を燃やすアオヤンマ若雄と、そろそろ出始めた夏の池沼組。


初夏の渓谷

2011年05月20日 | トンボ
5月も半ばとなると、渓谷の緑はいっそう濃く鮮やかなものになり、
飛び交う虫の姿も格段に多くなる。
それに反して、華やかだったゴールデンウイークの頃に比べ、見られるトンボの
種類には今ひとつバリエーションがない。



渓谷そばでよく見られるサラサヤンマ。若くして事故で命を落としたようだ。



流れに沿ってシオヤトンボ(主に雌)が良く上ってくるが、シオカラトンボ
も見かけることがある。



源流域の薄暗い流れではトンボの類は少なく、カワトンボの姿ばかりが目につく。
時折ヒメクロサナエが降りてくるが、あっという間に追い出されてしまう。
そんな中、踏ん張って一時的に縄張りを形成した勇者のダビドサナエがいた。



初夏の渓谷で見かける白い蝶というとウスバシロチョウが代表格だが、スジグロチョウ
も負けじと多い。そんな連中と紛らわしいのがオオカギバだ。この時期渓谷沿いで沢山
見られる大型の蛾で、飛んでいる姿はウスバシロチョウと紛らわしい。



すでに盛りを過ぎたムカシトンボは、探雌飛翔にも覇気が無くなり、すぐ木の上に止まってしまう。



ホンサナエ

2011年05月18日 | トンボ


快晴の昼過ぎ、貴重な時間がとれた。
そろそろ川のメンバーも一堂に会している頃だろう。



今年はホンサナエが好調だ。
今年も念願の若個体ショットは写せなかったが、立派に成熟したきれいな個体が出迎えてくれた。
かつては最もあこがれたトンボで、発見した顛末はホームページにもある。


(6年前に偶然近所で見かけたホンサナエ未熟個体の写真:FZ10)

だいぶ前の話になるが、昨秋に亡くなったトンボの恩人とも呼ぶべき白石さんに
敬意を表して「故郷・埼玉のトンボ」プリント版を進呈したことがある。
ありがたいことに白石さんは興味をもって拙著を読んでくださったが、ホンサナエの頁
で画面右隅に写っているのが家内だということを一目で見抜かれた。
白石さんも結婚当初は奥様を連れてフィールドに出られたそうだが、ついてこられる
と色々面倒なこともあるので、ある日奥様を連れて思い切り藪こぎをしたら、それ以来
奥様はついて来なくなったとか。



この地に通い始めてかれこれ20年になるが、通い出して間もない頃、ふと不安になること
があった。それは、何年かしたら冷めた気持ちでトンボを写すようになり、やがて興味が
なくなってしまうのでは?・・・という事だった。幸いにも、そんな気持ちにはならずに
すんでいるし、何年たってもトンボへの情熱は消えることがない。
そして出来ることなら、ここのトンボ達がむやみに命を奪われることがないよう願ってやまない。



ほんの限られた時間だったが、この時期のオールスターキャストが出迎えてくれた。

ところで、つい先日のこと。
久しぶりにオークションであるものを落とした。
シグマのマニュアル50ミリマクロである。
50ミリは標準レンズを持っているが、相手の懐に飛び込むようなスタンス
で使いやすいと見込んで、以前から50マクロも物色してはいた。そんな中、
数千円という手頃な値段で出ていたので落としてしまったのだ。
今回は50マクロのデビュー戦でもあった。

早速のテスト撮影は・・・



微妙な画角というか、中庸な感じで全体的には悪くないが、
どうもピントが出しにくい。。。
開放ではフレアっぽく、二段絞っても安定しないのだ。



これは35ミリだが、ピントは出しやすく、撮影スピードを要求されるシーンでは
圧倒的な実力を発揮する。解像感もシグマ50より明らかに良い。



現場では細かい結果までリファレンス出来ないので
現像してびっくりしたのは、カラーバランスの癖だ。
ブルーが異常に強く出ている。。。
懐に潜るには思ったほど近くなく、
開放での解像もイマイチ、色バランスも変・・・ハズレ玉なのかもしれないが、
使うシーンを相当選ぶと感じた。

住宅街の水辺

2011年05月17日 | トンボ
ちょっと用事で出かけたが、待ち時間があったので
すぐ近くにある水辺を覗いてみた。

見事に住宅街のど真ん中にある小さな水辺だが、
覗いてみてちょっとびっくり。



ミヤマサナエとはずいぶん早い。



岸辺からは羽化間もないクロイトが飛び立つ。



クロイトが鈴なり(でもないが・・・)



羽化したばかりのシオカラ。他にハラビロも見かけた。
水辺を造成してもこれだけのトンボが住み着くのはなかなか難しいのだが、
このあたりはそういった意味で地力があるのだろう。