
※ お知らせ
6月28日~8月31日
埼玉県立自然の博物館(旧 埼玉県立自然史博物館 秩父郡長瀞町) 2F 企画展示室にて
『虫・むしワールド -多様な埼玉の生きもの-』が開催されておりますが、
私の写したトンボ飛翔写真約20点をその中で展示していただいております。
同館エントランス付近のリファレンスコーナー(受付Disk)では
寄贈させていただいた私の写真集 3冊
(関東甲信越のトンボ100 2009/2010, 埼玉県のトンボ2010)
も自由にごらんになれます。
近くにお越しの際は是非お立寄りください。

ヤブヤンマは昔から贔屓の裏ヤンマだ。
一見オニヤンマに似た黒字に黄色の縞模様。
腹長65mmにも達し、ヤンマの仲間でも最大級である。
成熟♂はびっくりするほど青が鮮やかで、これを見てヤブヤンマという
名はふさわしくないとする向きもあるかもしれないが、自分は
ヤブヤンマという和名にはものすごく思い入れがあり、極めて
センスの良い素晴らしいネーミングだと思っている。
尤も、個人的にヤブの称号がふさわしいのはどちらかというと緑・黒・黄色
そしてくすんだ茶褐色の羽を持つ♀のイメージが強いが。
♂はきわめて美しい体型を持つ。
これほどすらっとしたスマートなヤンマは他にいないと思う。
スマートなヤンマなら他にオオルリボシとかリュウキュウギンとか云々なんていう
突っ込みはそれこそ野暮というものだ。


位相みたいなものなのか?よくわからんが、光の角度を違えて
立体的に受光することでピンぼけだった画像でもジャスピンに
出来るカメラが出たとか。世の中も便利になったもんだ。
ちょっと前には、pastshotなるものも出ていたが、確かに5秒前
から画像を記録していればピントがあったかもしれないのに!
という場面も無くはない。音楽でも録音ボタンを押す数秒前に
さかのぼるprevious samplingというのがだいぶ前からある。
それと似たり寄ったりだが、昔はせっかく良いシャッターチャンス
だったのに肝心の露出が前の設定のままで真っ暗・・・なんてことも
よくあった。明暗差の激しいところを飛ぶ被写体などはこの罠に
はまりやすい。でも今日ではそんな真っ暗な画像でもここまで無理なく
再現出来てしまうのだから、便利な時代になったもんだ。

これが元画像(笑

今年も裏ヤンマの季節がやってきた。
それにしても異常な暑さだ。6月23日埼玉県熊谷市で39.8度を記録。
裏ヤンマ第一番目のターゲットはヤブヤンマ。
普通種ではあるが、意外とデリケートであり、自分にとってはカトリに次いで幼少期に
出会った裏ヤンマであると同時に、生息環境も含めて永遠のあこがれの存在でもある。
昨シーズンは程よい谷津でヤブヤンマ観察が出来たが、
今年はちょっと入りづらい感じなので、別場所を見繕った。
しかし予想は全く外れ、シオカラトンボさえ飛ばなかった。
そこで振り出しに戻り、可能性の高そうな場所を歩いて探索することにする。
歩き始めるとそこかしこでコシアキトンボのテネラルが飛び交っている。
コシアキのテネラルな群れを見ると夏を感じ、なぜか満たされる。
トンボの子一匹飛ばなかった別場所とはまるで違う。



黄昏時まで少し猶予があるのでダメ元でオオヤマをハントするが半途に終わる。
途中の道ばたに今年密かに注目している場所があるが、今日はサラサヤンマが飛んだだけ。。。
更に進むが、コシアキに紛れてたまに飛ぶのはやはりサラサ。しかも飛翔が早くて追いつけない。
そんなこんなできょろきょろしながらしばらく道を進むと、開けた場所でヤブの若い♂♀が
摂食飛翔をしているのを見つけた。
今年初裏ヤンマだ!




♀は低い場所を飛ぶので、とらえにくい♂を中心に狙うが手応えはイマイチ。
次の機会があったら400ミリでも用意するか(先日300ミリを盗まれたのがこの期に及んで堪える)。
