17日の政府のコロナ対策に関する基本的対処方針の決定により、「上限1万人」の観客を入れたオリンピック開催が事実上決まった。これによって620万人の人流が起きるとの試算もある。
開催か中止かの議論からいつの間にか観客を入れるか入れないかの議論にすり変わった。政府も大会組織委員会も「安全・安心」なオリンピック実現のための具体的な対策を説明しない中で半数の国民から遊離した議論だげが先行する。
国会で「パンデミックの中での開催は普通でない」」と言っていたコロナ感染対策分科会の尾身会長に「アリバイづくりかな」と思いつつ期待した。
結果は分科会の専門家有志と取り纏めた見解は政府側の掌にあって、予想したとおり巧妙に〝オリンピック観客上限1万人〟に利用された。
気になるニュースが出ている。
6日付けのBBC電子版が「国際オリンピック委員会(IOC)が15日に発表した関係者の隔離措置などを定めた厳しいガイドラインは、7月1日に見直しが予定されており、イギリス選手団はIOCと東京大会の組織委員会と前向きな対話を続け、組織委員会の橋本会長には文書が送られている」旨を伝えている。
他の国も追従しかねない。今でも穴だらけのバブル方式が“外圧”でこれから骨抜きにされそうな気配を感じる。外国に言われると弱い国民性があるからだ。
国会は閉幕。このまま視界不良のオリンピックに突入してインド株で感染爆発が起きれば大混乱必至である。「始まれば国民は忘れてしまう」という政府の“成功体験”にまたもや飲み込まれてよいのだろうか。
「尾身提言」というか、専門家のシュミレーションやデータ提供が開催ひと月前というのもあまりに遅く無責任だがまだ時間は残されている。
政府は「尾身提言」の扱いを大会組織委員会に丸投げしたが、管首相はずっと「安全・安心」を言ってきた。マスコミは議論を巻き起こし、政府の二重、三重のセーフティネットを引き出す役割がある。
《近所を散歩していて「アカゲラ」をみつけた 2021.6.17》