婆さんが行く

婆さんの食卓とワンコ

中原悌二郎記念 旭川市彫刻美術館 (旧旭川偕行社)

2009-07-24 13:05:02 | Weblog
自分へのご褒美で美術館に行ってきました。
このあたり なんともいえない芳しい匂いが漂って どうやら針葉樹のようでした。
『北海道に来たら風景だろう!』って冷笑されながらの決行です。

階段正面


仲原悌二郎記念館なのでこの方の作品で占められていました。




しかし、いまだに頭から離れない作品があります。
『胞衣』・・古郡 弘 作品
この前で足がとまりました。
たぶん祠(ほこら)
中をのぞくとなにやらお祭りの後のような感じ
こんなことを具象化できるなんて
その前を行ったり来たり
しばらく言葉が出てこない

*胞衣(えな)
胎児を包んだ膜と胎盤。

建物を見たいと思って行ったのだが・・
シィーンと静まりかえった館内で出迎えてくれたものに感服いたしました。


羽衣の滝

2009-07-23 22:15:10 | Weblog
出張二日目夜遅く
ヘッドライトに光る狐の目にいちいち驚きながら宿泊先の天人峡まで送っていただきました。

「街路灯はないのですか?」
  笑われた
山にあるわけないよねって自問自答

木々が生い茂り 道路を示す標識だけが闇に浮かぶ
せっかくだから 温泉に泊まりたいと思って 唯一空いていた所。
宿泊料7000円 朝食付
トンネルにさしかかる。
「このトンネルで死亡事故があったんですよ」
「・・・」
次のトンネルを抜けたらすぐ小さな橋があり
「橋を作る時死亡事故があったんです」
「お気の毒に・・」と でもこわい
このあたりで 完全に後悔していましたが
その橋を渡ったところが目的地でした。
ひきかえせないし
下腹をぐっとしめて 鹿も狐も幽霊だってこわくないぞ!
「ありがとうございました」
ご挨拶しながら 心の中は、あぁ おいていかれる神様仏様です。
部屋で一人
こんな時は寝るにかぎる
ザーザー これは川の音
ゴーゴー これがわからない
そのうち熟睡していました。


翌朝 川沿いに歩くこと25分羽衣の滝を見た
上へ上へ登って柵まで登って滝つぼを見た




美瑛(出張・2)

2009-07-22 11:11:29 | Weblog
美瑛 この町に入ると何故かほっとします。
       
たぶん 日本の中で一番 気にいっている所だからでしょう。
なだらかな丘といろんな色の畑 
偶然にできた景色がすばらしい
      
美瑛の製材所の会長がご存命のおり
誰も知らない とっておきの景色を見せてくださいました。
最近は、花畑の商売が出現してそれなりに繁盛しているようですが
どうも違和感を感じます。
富良野のラベンダー畑とはまた違うからです。

目的を決めずに ただただ立ちつくす場所かな?

私は出張なのだから目的はありまして・・
今年もやはり道に迷って 山と畑でため息ついていました。 

帯広(出張・1)

2009-07-21 15:22:51 | Weblog
16日、帯広空港が近づいてくると飛行機が おや!? っと思うほど揺れました。
なんだなんだ?と思ったが大人しくじっとしていました。

迎えにきてくださった新得の製材所の社長とは、一年ぶり。
なんだか少し若くなったようです。
挨拶もそこそこに若くなった理由を知りたくてむずむず・・
禁煙なさったようです。
(たかが禁煙でこんなに違ってくるのですね。あぁ~禁煙できない!)
ひとまず 煙草が吸いたい。
言い出せないまま 禁煙車に乗り込む。
周りは、樹や畑ばかり

しかも風が強く 防風林は 斜めになりながら畑を守っている天候

「こんなに普段から風が強いのですか?」
不謹慎きわまる私は、こんなに風が強ければ外で煙草も吸えないとぼんやり思って口から出た言葉
「特別 風が強いようです」

着いた先は、新得駅そば
蕎麦屋さんです。
「ここは道内でもおいしいって評判の店なんですよ」

蕎麦も煙草もおいしかった。

暗くなってからその日 新得と美瑛での山の遭難を聞きました。

風は相変わらず強く 上着を着てマフラーを巻いても寒い夜でした。

蟹工船

2009-07-17 08:44:14 | Weblog
『母』

外に出たついでに立ち寄った本屋。
たまたま買った本が小林多喜二の母だった。

つい夢中で読んでしまい電車を乗り越してしまう。

夜中も時間を忘れて読みふける。
午前2時20分
小林多喜二が特高につかまり惨たらしい死をとげて
その母がちょうど
 ~布団の上に寝かされた多喜二の遺体はひどいもんだった。首や手首には、ロープでおもいっきり縛りつけた跡がある。ズボンを誰かが脱がせた時は、みんな一斉に悲鳴を上げて、ものも言えんかった。下っ腹から両膝まで、墨と赤インクでもまぜて塗ったかと思うほどの恐ろしいほどの色で、いつもの多喜二の足の二倍にもふくらんでいた。誰かが「釘か針かを刺したな」と言っていた。~
多喜二の死に直面したあたりのくだりを読んでいたあたり
 家の電話の呼び出し音が鳴った。
 今頃 誰だろう?
「福生警察です」
「えっ?息子に何かありましたか?」
すっかり 本にのめりこんでいた私は とっさにそんなことを言っている。
胸はドキドキ
なんだか苦しい
まったく検討違いで主人の会社の防犯センサーが鳴ったので 社長に連絡をとりたいのだがということでした。
「生憎、連絡先も住所もわかりません」
「ご主人ですよね?」
「はい、しかし 事情があって別の所におりまして・・。わかりません」
わからないと言っているのに 電話は?住所は?とこまぎれに聞く
なぁんだ あぁよかった
すっかり 別ものになりきっていた時分の警察署からの電話
その後 夜中に一人で笑っていました。
そして また読み続ける」。

今 昔昔読んだ 『蟹工船』を読み返しています。
同じ本でも まったく違う本を読んでいるようだ。

年齢によってずいぶん受け取り方が変わってきているようです。

ちょうど北海道の地
あまりいい話は聞かれない。