緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

設計図を完成させなかった患者さん

2022年10月10日 | 医療
ずっと、ずっと前のこと。国立の病院の緩和ケア病棟に勤務していた頃のことです。石碑の設計など手掛けられてきた患者さんでした。緩和ケア病棟に入院された時、個室でご自身のお墓の設計を熱心にされていました。お墓はこんな風にして作られるのか・・と思うほど、繊細で正確に㎜単位の設計図が描き出されていました。設計しながら、自分らしいお墓とは何か・・という哲学的な命題に向き合われていました。日々、その設計図はより . . . 本文を読む
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