橋本治とナンシー関のいない世界で

「上野駅から夜汽車に乗って」改題
とうとう橋本治までなくなってしまった。
平成終わりの年にさらに改題してリスタート。

友愛の焼け跡闇市

2009-10-08 03:03:39 | 国内情勢
今日、同業の知人と雑談をしていて、政権交代後の希望という話になった。
私は、チェンジの後にすごく希望を感じているというと、
驚いたように、へー、と言われた。
その知人は、まだまだ先は見えなくて不安だという。
確かに、失業率は高いし、私がいるテレビの業界もリストラの嵐が吹き荒れている。
こんなところで、批判めいたこと書いてる場合じゃないのかもしれない。
でも、私は、やはり世の中が変わる予感で、気分は前向きだ。

彼が言うには、新政権の前には、自民党が残した負の遺産が山積していて
めまいがしそうなのだそうだ。
確かに、その通り。なぜに自民党が好き勝手して、そのあとに置いてった
産業廃棄物を新政権がすべて処理しなければならないのか、
ダムにしたって、空港にしたって、不条理の極みだ。

けれど、だからといって、
それは先は暗いということには直結しないと思うんだけどなあ・・。

マスメディアは、新政権の先を憂いてばかりいる。
しかし、閣僚の姿を見ていると、
みんな結構やりがいを感じて精力的に動いているように見える
(官房長官はちょっと微妙だけど)。
明治維新と比べられるほどの変革を、実際その中心に立って
実行できるなんて、嬉しくないはずが無い。
大変かもしれないけど、自分が世の中を変えるというのは、
政治家としては本望だろう。
それって、ずーっとまんねり政権を続けて来た自民党の
議員たちにもできなかったことなんだから。

それを、メディアは、これまで通りの政局好きを露呈して
「連立与党でズレ」とかそんなことばかり言って、
その旧態依然をあらわにしている。
自民党から民主党にチェンジして、もっとも大きく変わったのは
実は、政治の動きの中心が、政局から政策に移ったことじゃないのか。

今回の政権交代の風に、最後まで気づかなかったのがマスコミである。
マスコミが実は、最も古い思考パターンで動いていて
一般の国民の意識よりも一歩遅れているから、
不幸のどん底にいた人々が政権交代で抱いた希望に気づかないのだと思う。
これまで大きな既得権の恩恵に浴したための油断と、
今後、メディアも厳しい時代に突入していくという不安が、
今後の政治にも希望を抱かせない理由かもしれない。

では、私がなぜ、今希望を感じるのか、不安を抱かないのか。
私は結婚もしていないし、
田舎の両親を扶養しているし、そのため貯金なんてないし、
テレビ局の社員でもないから、将来の高い年金も
退職金もない。もし、今、仕事をクビになって、
次の仕事が見つからなかったら、すぐに崖っぷちだ。
本当に、テレビによく採り上げられる派遣切りにあう直前の人たちと
なんら変わらない。実家の住宅ローンと今の賃貸の家賃両方を抱えてる分、
私の方が危ないかもしれない。

けれど、なぜ、希望なんて感じているかと言うと、
多分財産というものを持ったことがないからだ。
うちは親の代からなんにもなかった。
たまたまバブルの時代の恩恵にあずかって、
苦学しなくても大学教育は受けることができたけど。

今よりも財産が減るということは、
もうどうしようもないということで、
それはそれで、開き直るきっかけとなる。

私が不安じゃないのは、
かくも大バカ者だからである。

ある意味、平成の焼け跡闇市がやってくることを期待している。
ただ、弱肉強食ではない「友愛」の(笑)焼け跡闇市だ。